【子どもと期末整理】前編:新学期の前に見直したい、「片づけやすい」部屋づくり
ライター 瀬谷薫子
もうすぐ新学期。子どもの進学や進級はうれしいですが、同時に悩ましいのがものの整理。
教科書にプリント、工作、勉強道具。環境が変わるごとに増えていく道具をすっきり整えるのはなかなか難しいものです。
そこで今回は、新学期を前に意識しておきたい「片づけ」のポイントを、整理収納アドバイザーの清水幸子(しみず さちこ)さんに教わりました。
前編では、片づけやすくするための土台を整えるアイデアを、後編では、それぞれの学用品の整理のコツを紹介します。
大事なのは「子どもといっしょ」に進めること
高校生の娘と、親子で整理収納アドバイザーの資格をもつ清水さん。娘の麻帆さんは、史上最年少の小学6年生で整理収納アドバイザー1級の資格を取得し、今は親子で書籍の出版や講演会の講師など幅広く活動しています。
清水さんが提案するのは「子ども主体」で進める片づけ。ものを片づける力は、0歳からでも育める、と著書でも書いています。
清水さん:
「出したおもちゃをもとに戻す、シンプルな片づけの習慣は、幼い頃から身につけられます。大切なのは、片づけやすいしくみを作ること。わが家も昔からそれを意識してきました」
片づけができるということは、残しておくものと処分するもの、しまう場所を自分で決められる力がつくこと。それは子どもの自主性や取捨選択の力にもつながるのだとか。
では、そんな力を育むための「片づけやすい部屋」とはどう作ればよいのでしょう? 今回は小学生の子ども2人がいる編集スタッフ齋藤の家を例に、ポイントをうかがいました。
収納場所は、「子どもの意見」を尊重して
小学1年生と3年生の兄妹がいる齋藤の家。まだ子ども専用の机がないため、おもちゃや工作、学習用の道具など、子どものアイテムは基本的にすべてリビングの棚に収納されています。
子どものおもちゃや工作物が、じわじわと増え続けているリビング。加えて大人の本や雑誌も置かれ、雑多な状態になっているのが今の悩みだそう。
たとえばソファ横の椅子に置かれているカードゲームは、ソファで遊んだまま、ここに出しっぱなしにしているもの。収納場所を決められていないので、こんな風に一時的に置かれたモノが定位置になってしまっているのだとか。
清水さん:
「出しっぱなしになりがちなモノには、必ず何かの理由があります。この場合はソファでカードゲームをしていて、動線としてここに置いておくのが便利だからではないでしょうか。それならソファの近くに収納かごを置いておけば、しまいやすいかもしれませんね。
収納場所って、つい大人が決めてしまいがちですが、じつはそれが子どもの動線には合っていないこともあります。大事なのは、どこにあればしまいやすか、子どもの意見を聞いて決めることなんです」
清水さん:
「よく『子どもが帰ったらすぐランドセルを放り出して、ランドセル置き場に置いてくれない」という声を聞くのですが、重いから帰ったらすぐおろしたいとか、早くトイレに行きたいとか、聞いてみると理由があるもの。
それならば部屋の奥に置き場所を作るより、玄関のすぐ横にランドセルラックを置いてあげられたらいいですよね。
そんな風に『どこなら置きやすい?』と子どもの意見を聞いて取り入れてあげることが、片づけやすい部屋作りにはとても大事。子どもも『自分でしまう場所を決められた』ことがやる気につながれば、進んで片づけられるはずです」
子どものものは、できるだけ同じ場所にまとめて
清水さん:
「それから、子どものものはできるだけ同じ場所にまとめてあげると、どこにしまえばいいかがわかりやすくなります。
今の齋藤さん宅では、ソファ裏の棚に子どもの文房具が収納されていますが、これだけが少し離れたところにあるので、子どもが過ごす動線から外れてしまっているのが難点。いったりきたりしなければならないことが、片づけのハードルになっているのかもしれません」
▲子どものおもちゃ置き場の横には、本棚に入りきらない大人の文庫本が収納されていました
清水さん:
「たとえばこの文庫本が入っているスペースに、子どもの文房具を入れて、子どもが使うものを1箇所にまとめてみるのはどうでしょうか?
遊んだあとにあちこちにしまい場所があるよりも、このあたりにまとめてしまえばいい、と認識がしやすくなると、ぐっと片づけやすくなるはずです」
何がしまわれているか、ひと目でわかりやすく
リビング奥の部屋にあるのは、子どものバスケ用品をしまう棚。ですがスペースが余分にあったので、大きなボードゲームや、娘の衣類など、他のモノも合わせて収納されていました。
清水さん:
「いろいろな用途のモノがひとつの棚に収まっていると、子どもにとっては『何をしまえばいい棚なのか』がわかりづらくなりがちです。たとえばこの棚を、『放課後の習いごとに使う道具』置き場として入れるモノを統一してみてはいかがでしょうか」
清水さん:
「ボードゲーム類や衣類を別の場所に移動させて、代わりにスイミング教室のバッグや、衣類と一緒にしまわれていたバスケのウェアやゼッケンを同じ棚に収納すると、子どもにとっては『ここにしまわれているもの』が何なのかよりわかりやすくなり、片づけやすさにもつながります」
戻すための目印に、ラベリングを活用
清水さん:
「たとえばバスケットシューズの置き場所も、そこにものがあればひと目でわかりますが、なくなったとたんにわからなくなってしまうことも。そうすると戻すときに迷子になってしまいますよね。
なので少し細かくてもそれぞれの持ち物の居場所はしっかりラベルで明記してあげることも大事。貼って剥がせるシールやマスキングテープ、ラベルライターなどを使うのがおすすめです」
子どもと一緒に考えると、片づけの見方が変わる
子ども目線で考えることで見えてくる、適切なしまい場所。齋藤自身も「いつも私が決めていて、子どもにどこがいい?と聞いてみることはなかった」と新鮮な気づきだったようです。
清水さん:
「子どもがなかなか片づけてくれない、という人の話を聞くと、その前の段階である『収納』の場所が適切でないことが多いんです。『片づけ』と『収納』って、実は似ているようで違うもの。
今回のように動線を考えて、取り出しやすく、しまいやすい場所にものを置くことが『収納』。片づけは、出したモノを決めた収納場所に戻すというシンプルな作業。つまり収納場所が改善されれば、片づけはぐっと楽になります。
片づけがうまくいかないときは、子ども主体で、その場所を見直してみるのはいかがでしょうか」
後編は「期末整理」をテーマに、見直すべきもの、見直さなくていいもののお話を聞いていきます。
【写真】清永洋
もくじ
清水 幸子
整理収納アドバイザー1級・2級認定講師、ファイリングアドバイザー認定講師。元銀行員の経験を活かし、家庭だけでなく企業の整理収納アドバイザーとして活動するほか、テレビや雑誌などメディアで片づけを楽しみ、好きになるためのアイデアを提案している。高校生の娘で整理収納アドバイザー・清水麻帆との著書が2冊。近著に『子どもと楽しく学ぶ 片づけの教科書』(Gakken)。Instagram:@oheyasukkiri
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