【特集|その「働きかた」が知りたい】保育園の園長先生とミュージシャン・齋藤紘良さん。第1話:その働きかたになった理由、教えてください。
編集スタッフ 田中
特集|その「働きかた」が知りたい。
こんにちは。スタッフ田中です。
今日からある方の「働きかた」に迫った特集を
三日間にわたってお届けします!
「暮らしもしごと、しごとも暮らし。」
というコンテンツをつくるほど
日々の暮らしと働くことに興味が
ある私たち。
だから、他の方の働きかたや暮らしにも
とても興味がありました。
これから何人かの方に、働きかたのお話を
伺っていくつもりですが、
そのお一人目として登場していただくのが
齋藤紘良(こうりょう)さん。
私たちが興味を持った齋藤さんの働きかたは
以下に記した、複数ある肩書きでした!
◎ 音楽家
◎ 認可保育園の園長先生
◎ 曹洞宗のお寺の副住職
私たちは、初めに齋藤さんの奏でる音楽を知り、
その後、育児雑誌「クーヨン」などの記事で
家業を継ぐ形で、保育園や副住職のお仕事を
持つ事を知りました。
私たちはCOINNに出会い、
そして齋藤さんに出逢いました。
(撮影:品田裕美)
出会いは、代表青木が齋藤さんの所属する
バンド「COINN(コイン)」の大ファンだったことに
始まります。
COINNは、チルドレンミュージックバンドという
異名を持っています。その名の通り、子どもが
楽しめることはもちろん、
「オトナを子どもに、コドモを若者にしてしまう
魔法の音楽隊」なのだそう!
(写真:鍵岡龍門 2013年5月)
この言葉、一曲聴いてみたら分かるんです。
わたしも聴いているうちに、大人なのに
子どもの気持ちに還る瞬間やしんみりと
味わって聴ける歌、口ずさみたくなる歌などで
その「魔法」を味わいました。
COINNでの姿の向こう側に
どんな齋藤さんがいらっしゃるんだろう?
複数のお仕事を持つってどんな感覚なんだろう?
そんな素朴な疑問や、今までの経緯、
お仕事への思いをお聞きしたいと思い
今回お会いすることが叶いました。
フィットする暮らしの作り方、
一田憲子さん編でご一緒した
カメラマンの鍵岡さんとともに伺いましたよ。
その場で目にしていたもの以上に、
音、空気感、ひとの姿を身近に感じられる
すてきな写真もお楽しみくださいね。
第1話:その働きかたになった理由、
教えてください。
-編集チーム・田中(以下田中がお聞きしています):
最初にお聞きしたいのは、複数の職業を
持つ働きかたになった経緯です。
保育園の園長先生と副住職のお仕事が土台に
ありつつ、今から5年程前にCOINNの活動が
始まっていますね。
音楽の道一本で進みたい!とは
思わなかったのでしょうか?
齋藤紘良さん(以下敬称略):
「もともと背景に、お寺も保育園もあったので
いつか携わるんだろうなと思っていたんです。
音楽はずっと愛し続けていましたけど、
楽器を上手に弾いて、注目されて、
メジャーデビューして、、、という姿に
あまり興味がありませんでした。
音楽の専門学校、大学卒業後に
すぐに就職したのも実家が運営する
幼稚園でしたね。」
保育のしごとと音楽活動、
最初は離れたところにあった。
齋藤:
「僕のいってた音楽の専門学校は、
音楽の技術というよりは歴史から始まって
幅広く学べて僕には最高の環境だったけど
就職できるスキルにならなかったんです。
つまり、食べていける仕事にならなかった。
そんなこともあって大学進学しました。
学生時代も就職後も音楽は続けて。
家業を継ぐことに抵抗はなかったけど、
当時は音楽で自分がやっていることと、
幼稚園での仕事との距離がありすぎたんですね。
夜、スタジオにいって練習したりするなか、
幼稚園では僕が音楽活動をしていることすら
知られていなかったですし。」
–田中:音楽とともにお寺のこと、保育のことも
平行して進んでいく生活の違和感と言うのか、
そういったものと対峙しながら、
COINN結成前の齋藤さんはどんなふうに
過ごしていたのですか?
齋藤:
「はい、幼稚園での仕事と平行して、
お寺で住職になるための修行も行いました。
山にこもって家族とも連絡がとれない、
そんな厳しい状況のなかで、
いくつもアイデアが浮かんだんです。
いま発行している小冊子BALLAD(バラッド)や
音楽でしてみたいこと、勉強したいこと。
奥さんが編集の仕事もしていたから
形にしてくれたらいいなと思いながら。
その後ふたりで保育のこと、音楽のことの
見聞を広めるために約10ヶ月の海外留学に
行き、スウェーデンやデンマーク、イギリスなど
ヨーロッパをまわりました。
出会ったミュージシャンの生活スタイル、
音楽への思い、いろいろなことを体感して
帰ってきましたね。」
※BALLAD(バラッド)…
素朴な民間伝承の物語詩という意味を持ち、
1冊ごとにテーマの違う小冊子。
テーマに沿う著名人などのインタビューや
小説家による童話短編など読み応えのある一冊。
齋藤紘良さんと美和さんのsaitocnoが
編集を手がけています。
COINN結成!
小冊子BALLADを作成しながら、
齋藤さんの頭にもうひとつの思いが
浮かんでいました。
それは、音楽のこと。
自らもバンドやソロ活動などで
音を奏で続けてきましたが、
別のアイデアも浮上していたそうです。
それが子どものための音楽でした。
-田中:子どものための音楽ということですが、
聴いていると大人のわたしにも響くような
強いメッセージが込められた歌もありました。
齋藤さんはどうしてはじめようと思ったんですか?
齋藤:
「子どものための音楽への思いは、
実はずっと温めていました。
近くで子どもを見ているということもあるし、
僕が好きなアメリカのミュージシャンの
影響も大きいです。
(一冊の本を見せながら)
このIda(アイダ)というバンドメンバー、
エリザベス・ミッチェルという方の
音楽が好きです。子ども向けの音楽というと
歌のお兄さん、お姉さんみたいな曲を思い
浮かべるかもしれませんが、
そういうものではない、大人にも聴けて
子どもも聴けるのがすごいと思って。」
-田中:曲を聴かせていただきましたが、
民族音楽的な要素が入ってるように思います。
けれど、とっても新鮮!ハスキーな美しい声に
織りなす音の重なりが大人も楽しめて
聴いていて気持ちがいいですね。
齋藤:
「そうですね、僕はもともと民族音楽が
好きなんです。内省的で内側へはいりこんでく
そういうのが楽しいですね。
大学の卒論のテーマでもありました。
学生時代から図書館で
あらゆる国の音楽を借りて聴いていたくらい。」
-田中:その後COINN結成のとき、
メンバーはどんなふうに決まったのですか?
齋藤:
「子どものための音楽を
やってみたいな〜と思っていた頃、
同じライブ会場で共演したバンドに、
すごくいいな〜と思ったミュージシャンがいて。
他のバンドの方でしたが声をかけて
集まった四人がCOINNになりました。
それぞれ、今も自分たちのソロ活動を
続けながらCOINNもがんばっています。」
———————————————————
一日目は、齋藤紘良さんに
小さな頃から側にあったお寺、保育園のこと
COINN結成に至るまでのことを
お聞きしました。
中学・高校時代といえば親に反抗したくなる
年頃です。家業を継ぐということが自然に
感じるほど、穏やかな性格だったのかな?と
思っていたら静かに話し始めた齋藤さんは、
自分の中にあるものの表現方法に悩み、
逡巡する若い時代を送っていました。
明日は、仕事の進め方の考えについて
より深く聞いてみました!
どうぞお楽しみに。
写真:鍵岡龍門
もくじ
感想を送る
本日の編集部recommends!
小さな不調のケアに
手間なくハーブを取り入れられる、天然エッセンシャルオイル配合の「バスソルト」を使ってみました【SPONSORED】
【11/26(火)10:00AMまで】ニットフェア開催中です!
ベストやプリーツスカートなど、人気アイテムが対象に。ぜひこの機会をご利用ください♩
お買い物をしてくださった方全員に「クラシ手帳2025」をプレゼント!
今年のデザインは、鮮やかなグリーンカラー。ささやかに元気をくれるカモミールを描きました。
【動画】北欧をひとさじ・秋
照明ひとつでムード高まる。森百合子さんの、おうち時間を豊かにする習慣(後編)