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【はたらきかたシリーズ】出版ユニットnoyama 第1話:アウトドアという共通の趣味でつながった4人。
自然をテーマにした出版ユニット”noyama”の4人に、働きかたについて伺いました。
木工アーティスト・しみずまゆこさん、編集者・高橋紡(たかはしつむぎ)さん、写真家・野川かさね(のがわかさね)さん、料理家・山戸ユカ(やまとゆか)さんからなる、出版・イベントユニット”noyama”の4人に、「好きを仕事にする」というテーマで、働き方についてお話を伺いました。
きっかけとなったのは、わたしが「ライフスタイルが変わっても10年続けられる趣味を見つけたい」と30歳になった今年から山登りを始めたこと。
登山初心者だったので、山や山道具にまつわる本を、本当にたくさん読みました。
気に入った本を何度も読み返していると、その何冊かに共通して登場する方々がいることに気が付きました。それが冒頭でご紹介した4人の女性だったのです。
もともと4人の共通の趣味だった「アウトドア」。それを仕事としているnoyamaのみなさんにお会いして、好きなことで働くということについてお話を伺いたいと企画しました。全3話でお届けします。
↑noyamaの著書
もくじ
フリーランスで活躍する4人、それぞれの仕事。
↑左から、しみずまゆこさん、高橋紡さん、野川かさねさん、山戸ユカさん
noyamaは、木工アーティスト・しみずまゆこさん、編集者・高橋紡さん、写真家・野川かさねさん、料理家・山戸ユカさんの女性4人からなるユニットです。
4人ともnoyamaの仕事とは別に、独立してフリーランスとして仕事をされています。
それぞれがどんなお仕事をしているのか、まずは教えていただきました。
木工アーティスト・しみずまゆこさん:
「家具工房で働いた後に独立し、現在は『Chip the Paint』名で木工アーティストとして仕事をしています。古材や自然のなかにある素材をモチーフにして、木の小物やコラージュを制作するほか、店舗の内装デザインを手がけたり、夫とともに文字をテーマにしたショップ『Letters 8』を運営しています」
↑しみずさんの仕事道具や作品。スケッチブックにはアイデアの種となる写真やイラストが。
編集者・高橋紡さん:
「もともと出版社やプロダクションで住宅雑誌や育児雑誌の編集部で働いていましたが、独立して6年目となります。現在は、雑誌や書籍で食・住・手仕事など暮らしまわりのものごとや、自然に関する企画編集、ライティングを行っています」
↑高橋さんの仕事道具。インタビューの録音や参考写真はiPhoneで。人と会うのが仕事なのでマウスウォッシュは必携。
写真家・野川かさねさん:
「わたしはフリーランスのカメラマンとして独立して10年ほどが経ちました。独立当初から『山』をテーマにした写真を発表したいと思い、書籍や雑誌でアウトドアや自然にまつわる撮影を行ってきました。最近では、旅や暮らしというテーマでの撮影も増えています」
↑野川さんの仕事道具。LL BEANのブーツとNikonのカメラ。撮影は主にフィルムで行う。
料理家・山戸ユカさん:
「わたしは料理家としてレシピ開発や料理教室などを行っており、玄米菜食やアウトドア料理を得意としています。2013年に夫婦で都内から八ヶ岳の南麓に移住し、現在はレストラン『DILL eat, life.』を営んでいます」
↑山戸さんの野外での料理道具。エプロンやナイフ、コッヘルなどは、頑丈で長く使えるものを選ぶようにしている。
アウトドアという共通の趣味で出会った4人。
noyamaのみなさんはそれぞれがフリーランスとして独立し、いまも個人でのお仕事をされています。そんな4人が、どのように出会い、ともに仕事をする仲間として、ユニットを結成することになったのでしょうか。
野川さん(写真家):
「noyamaを結成したのは2009年頃のことなんですが、初めて会ったのはもっと前でした。4人とも山登りやキャンプなどアウトドアが好きで、同じような業界で働いていたので共通の知人も多く、年齢が近かったこともあって、自然と顔を合わせるようになっていきました」
写真家の野川さんは、雑誌や書籍の撮影現場や仕事仲間との食事会などで、ほかの3人と知り合ったのだそう。
高橋さん(編集者):
「山戸さんとは、もともと山戸さんのご主人とアウトドアつながりで知り合いました。『うちの奥さん、料理教室をしているよ』と聞き、作っている料理に興味がわいてすぐに会いに行って仲良くなりましたね」
しみずさん(木工アーティスト):
「私も趣味でよくキャンプをしていて、アウトドア好きの集まりで野川さんと知り合ったんです。3人が1冊目の本を作っているときに、野川さんの紹介で高橋さんと山戸さんとも出会い、途中からスタイリングなどを手伝ったり、一緒に仕事をするようになりました」
趣味から仕事に。noyamaをはじめたワケ。
↑料理家・山戸ユカさん
共通の知人も多くてキャンプなどで顔を合わせていた仲でしたが、アウトドアをテーマにした書籍の仕事で高橋さん・野川さん・山戸さんが集まることになります。
この仕事がきっかけとなり、より多くの人に自分たちの思いを届けたいと、自ら企画を立てて本づくりを始めるようになったのだそう。
そのきっかけとなった仕事は2007〜8年頃のこと。まだ女性向けのアウトドア雑誌や書籍が少なく、出版社の方から「そういう本を作りませんか」と、まず山戸さんに声がかかったのが始まりでした。
山戸さん(料理家):
「その頃のアウトドアって、女性の立場からデザインされたアイテムやウェアが少なくて…。ピンクや花柄ばかりのイメージでした。
でもそれは、自分の好きなものとはちょっと違う。だから自分でアウトドアの本をつくるなら、そういう型にはまったテイストにはしたくなかったので、以前から仕事でもお付き合いのあった野川さんにカメラマンをお願いしたんです」
料理家とカメラマンが決まり、書籍の企画が進んで行くと、今度は別の問題に直面します。
山戸さん(料理家):
「じつは担当の編集者さんが、まったくのアウトドア初心者だったんです。
そこで、もう一人アウトドアに詳しい編集者さんにも入ってもらおう、ということになり、私も野川さんも友人だった高橋さんにお願いすることになりました」
その後、この書籍の企画は結局お蔵入りになってしまったのですが、3人とも『自分たちが読んでおもしろいアウトドアの本を作りたい』という思いは持ち続けていたのだそう。
高橋さん(編集者):
「せっかくこんなに考えたのにもったいない!と、自分たちで企画書をつくって出版社をまわったんです。
何社かは断られてしまったけど、ある出版社の編集者の方が企画を通してくださって1冊目の本を出せることになりました。
そのときにユニット名をつけた方がいいと言われて、いつも遊んでいる場所、”野山”っていいなと。偶然にも野川さんの”野”と山戸さんの”山”もあるので”noyama”と名付けました」
↑写真家・野川かさねさん
noyamaの4人がどのように出会い、ユニットを結成することになったのか、そのいきさつを伺ってきました。
それぞれが個々の仕事に向き合うなかで4人をつなげたのは、共通の趣味である「アウトドア」と、その楽しさをもっと多くの人に伝えたいという「想い」でした。
明日更新の第2話では、noyamaの本づくりの裏側について詳しくお聞きしていきます。
(つづく)
▼noyamaさんの著書の一部はこちら。
![]() |
つながる外ごはん (be peaceful books) noyama 小学館 2010-04-07 |
![]() |
noyamaのおつまみいろは noyama 大泉書店 2013-04-02 |
![]() |
外あそび&外ごはんをはじめよう noyama 文藝春秋 2014-04-15 |
(聞き手・文 スタッフ津田、写真 キッチンミノル)
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