【インテリア特集】第4話:食器棚からみる暮らし。毎日使いたい定番は?(引田さん夫妻)

編集スタッフ 二本柳

interior_hikita__C1A4834写真 木村文平

東京・吉祥寺で人気のパン屋さん「Dans Dix ans(ダンディゾン)」と、「gallery fève(ギャラリー フェブ)」を営む引田かおりさん夫妻のインテリア連載、第4話。

ご主人のターセンさん、愛犬のトト君と一緒に暮らす武蔵野市のご自宅を訪れました。

「家が世界一好きな場所」と話す引田さん宅のインテリアは、淀んだ空気が一切なく、ホテルのようにすっきりと居心地の良い空間です。

今回は、気になる食器棚の中身を見せていただきました。

(※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)

 


第4話
食器棚の中身


 
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引田さんの食器購入は、“2枚以上” が基本。

ベースとなる器は家族分がセットで揃っている上で、食卓の中央に並ぶお皿は柄違いを楽しむ。そうした使い方が好みなのだそうです。

それでは早速、なかでも最近のお気に入りというものを見せていただきましょう。

 

作り手の顔や暮らしが見えるものを。

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「食器棚の中身は1年に2度、全部取り出して整理するのですが、私の食器選びも色々と変遷してきました。それこそ以前はフランス風だったり、その後イギリス風を好んだり。

でも今は、作家さんの “顔と暮らし” が見えるもの、というのがひとつの基準になりました。

最近の作家さんたちは料理をする方が多くて、そういう方が作る器は料理をのせた時のリアルなイメージがわきやすいんです」(引田さん)

 

01. 吉村和美さんと、岡田直人さんのボウル

interior_hikita__C1A4865左が吉村和美さん、右が岡田直人さん

引田さんの食器棚には「白」の器がたくさんありました。

『白』と言っても、作家さんによって微妙に色も質感も違うでしょう?だから好きなんです。

岡田直人さんのボウルはスプーンで最後までしっかりすくえて、細かなところまで思いやりが行き届いているなって感じます。

でも時には色がある器を加えると彩りが良くて、食欲もなんだかわくみたい。

そこで取り入れたい吉村和美さんの黄色いボウルは、スープがよく映えるんです。ミネストローネとかね。サラダも美味しく見えます」(引田さん)

 

02. 岡澤悦子さんのマグカップ

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白の器のイメージが強い、人気作家の岡澤悦子さん。

「新しい扉を」ということで引田さんがリクエストしたのが、岡澤さんも初めて挑戦する色釉の器でした。

「色の名前もとっても可愛いんです。『プラム』とか『あんず』とか……。紅茶がよく映えるマグカップですね」(引田さん)

 

03. 山本英明さんの漆器

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お椀はしっかり質の高いものを持ちたい、と考える引田さん。

最高の品質、そして美しい漆器は、“日常の什器” として毎日使ってほしいと思っています。だから私も、山本英明さんのお椀はお味噌汁や雑炊と、毎日のように愛用していますよ」(引田さん)

 

04. 鹿児島睦さんのボウル

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大胆な絵柄がほどこされた鹿児島睦さんの器は、肉じゃがなどをドカンと盛ってテーブルの中央に置くことが多いそう。

ポテトサラダや果物、なんでも受け止めてくれるボウルを前に「作り手の人柄も滲み出ているのではないかな?」と引田さん。

優れた作家さんの作るモノは許容範囲も広い。これが引田さんの考えのようです。

 

お皿を割ってしまった!それは心がザワザワしている証。

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これほど大切に器を選ぶ引田さんですが、それでもやはり「割っちゃった!」ということはあるそうです。

とはいえ割りたくないから……としまい込むことはせず、どんなに高価なものでも日常的に食卓へ出します。

「器は使わないと可哀想だと思ってしまう性格なんです。

うっかり割ってしまうこともあるけれど、そういう時はなんだか気持ちがザワザワしていたり、焦っちゃってたなあ、とハッとする。そして『もっとゆっくり、丁寧に暮らさなきゃ』って気持ちを改めます」(引田さん)

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引田かおりさん夫妻の食器棚をお届けしました。

こちらで紹介した以外にも、魅力的な器がたくさん並んでいた食器棚。「これも素敵!あれも良いですね」と私も興奮気味です。でも何より驚いたのは、どれを指差しても引田さんがすべての器にストーリーを持っていることでした。そんなふうに愛情を込めて使ってもらえたなら、器たちもきっと幸せだろうと思います。

最終話となる次回は、家の中の大切な場所・バルコニーの風景をお届けします。どうぞお楽しみに。

(つづく)


もくじ


 

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引田かおり(ギャラリー・パン屋オーナー)

2003年吉祥寺にギャラリーフェブをオープン。陶芸家、布作家などジャンルを問わず独自の目線でさまざまなものを紹介している。また同ビル地下一階にパン屋「Dans Dix ans(ダンディゾン)」も営む。安心・安全な素材でおいしいものを提供することを心がけている。夫・ターセンさんこと保さんはブログ「ターセンの光年記」で日々の暮らしで感じたことを記録、更新中。http://hikita-feve.com/diary/

 


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