【スタッフコラム】何度みても勇気がもらえる映画「かもめ食堂」のこと。
編集スタッフ 田中
▲おなじみのTeemaのカップ&ソーサーとorigoのボウル。
心に響くのはいつも違うセリフやシーン、何度もみたい「かもめ食堂」のこと。
2006年の公開から10年が経っていても根強い人気の映画「かもめ食堂」(2006年、萩上直子監督)を、最近また見たときのことです。
月額で映画見放題のアプリをちょろちょろと触っていて、ふと見かけました。最近は、中国や韓国の連続ドラマに実ははまっていて(汗)、そこばかり探していましたが、なんだかふいにクリックして見始めたんです。
何度見ていることか!?
なぜ、飽きずに何度も見れるんだろう。明確なメッセージは劇中にはあまりないように思います。でも、ふっとその世界に飛んで行ける何かがある気がして、一年に一回くらい見てしまうんです。今回はなんでだったんだろう?
見たくなるのは、どんなとき?
今回はあまりにも唐突に見始めたのですが、ちょっとだけ心がシーンと静かなときでした。まあ、ちょっとだけ落ち込んでいたんでしょう。
しかし反対に、前回はとっても元気なときでした。この映画、どんなときでも見始められる不思議なところがあるんですよね〜。
きっと、フィンランドの青い空とかもめが飛んでいる場面をむしょうに見たくなったんでしょう。
毎回違うシーンに、勇気をもらう
▲近所のお店の軒先のあじさいにも勇気をもらいました。涼しげ〜!
本でもそうですが、何度も読み返すものは、毎回違う場面に心を打たれるんです。
いまの私に響いたのは、片桐はいりさん扮するミドリさんが、かもめ食堂を手伝いはじめて、看板メニューである”おにぎり”をもっとフィンランドの人にもなじむようにしたい!と張り切っていたときのシーン。
トナカイやザリガニの肉、ニシンを具にして試みますが、どれもお味は「・・・」な様子のメンバー。
一度チャレンジはしたものの、小林聡美さん扮するサチエさんは、やっぱりおにぎりは鮭と梅とおかかだ!とわかり、自分の道を地道に走り始めるんです。
このシーンから「よそはよそ、私は私」と信じるサチエさんのどっしりとした芯、胆力とでもいいましょうか。それを感じて勇気をもらいました。私は弱気になったとき、必ずといっていいほど他人と比較して、自分を卑下しすぎる傾向にあります(汗)。
チャレンジしつつ、自分の真ん中にある軸を信じる、なかなかできないけれど、やっぱり自分しか自分を真正面に見る存在はいないな、と改めて感じたのでした。
懐かしいおやつのように飽きない味が、この映画にはある。
なんだか自分のなかのおかしな哲学にぐるぐると巻き込まれた時間でしたが、見終わって思うのは、この映画には何度も見たくなる何かがあるなあということ。
唐突ですが、懐かしいおやつのように思うんです。むかし、実家で母がつくっていた「チョコチップパン」というのがありまして、パン作りに凝っていた時期に子どもたちのおやつは、ほぼ週に一、二回はそれを与えられ、言うまでもなく当時は飽きていましたが(笑)
そのパンは、砂糖が溶けてかかっているところとチョコチップが多く集まっているところが美味しくて、姉妹でその部分を取り合いました。ときどき、あのチョコロールパンを食べたくなります。
そんなおやつのような、映画だなあと思います。
またきっと見ちゃうんでしょう、そしてシナモンロールとコーヒーの場面にきたら、急に一旦停止して、自分もいそいそとコーヒー豆を挽いて、おまじないをかけつつコーヒーを淹れてるんだろうなあ。
いま、ふと思い返して見てみたら、当店のコンテンツにかもめ食堂関連のページの多いことに驚いています!十人十色の切り口でいろいろ受け取ってますね。また座談会、したいなあ(笑)。
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