【店長コラム】42歳と7歳が本気で言い合うなんてことがある……。
店長 佐藤
思春期もまだまだ先の幼い子どもと親である自分が喧嘩することなんてあるか!?と思っていました。
そんな余裕らしきものを残した思考は、恥ずかしながら随分前にとっくに打ち止めになっています。
まさかと思っていましたが、そのまさかです。
まだまだ幼い子ども(小一7歳の男子相手に)と、結構本気で言い合っちゃったりしている喧嘩っぱやい自分がバッチリいるわけですから。
「お母さんだって人間なんだから、限界ってもんがあるよ!」
それは、ある平日の夜のことでした。
わたしも仕事から帰ってきて疲れている。ちょっと寝不足でもある。
そんなコンディションの悪いタイミングで、息子が苦手とする科目の宿題を見てあげなければいけないというシーンがありました。
息子も苦手意識が先にたって、最初からとても不機嫌。
わたしはと言うと、前半戦は42歳の大人が持ち得る最大の理性を働かせて、なんとかかんとか「ご機嫌風(ふう)」にやっていました。
ところがです。
宿題が嫌でしょうがないゆえに、なにかとわたしの教え方に突っかかってくる息子に、徐々に徐々にイライラし始めました。
さらにヒートアップして、35歳という大きな年の差があるというのに、言い合いに。
最終的には「もういい、宿題やらなくていい!」と大きな声を出して怒ったうえで「お母さんだって人間なんだから、限界ってもんがあるよ」なんて捨て台詞まで吐いてしまいました。
はぁ、こんなふうになる予定じゃなかったのに……。自己嫌悪ったらないです。
なにをわたしは幼い子ども相手に、自分の限界をアピールしているのだ…と(苦笑)。
親として、から回りやすい理由!?
こういうことは、もちろん一度きりなんてことはなくて、それなりにしょっちゅう起き得ます。
夫相手に「わたしだって、限界ってもんがあるよ」なんて声を荒げたこともないのに、なぜ。
なぜ!?幼い我が子相手にはそういうことになってしまうんだろう。
ふと思い当たったのは、「責任感」。
親としての責任感だったり助けてやりたいという強すぎる思いが、割り切れない感情を増殖させ、自分をから回らせるのかもしれません。
できるだけ不機嫌にならず、いつもにこやかなお母さんでいたいけれど、それはやっぱり理想であって現実はもう少し切実です。
「あぁ、親としてから回ってるなぁ」と自覚しつつ、「お母さんもどこかで君の力になりたくて、必死なのさ」と心のなかで言う先のないセリフを言い聞かせています。
そんなとき、自分だったら周りの人になんて声をかけてほしいだろうか。
そのセリフNo.1は、たったひとつ。
「おつかれさま。よくやっていると思うよ」
このたったひと言で、スーッと肩の力が抜け、おまけにあたたかい涙がじわーっと出てきそうな気がします。
わたしたちも誰かに「おつかれさま」と言いたい。
つい最近、火曜日の夜20時に当店のメールマガジンで写真付きのエッセイをお届けするというチャレンジをはじめました。
その名も「20時のおつかれさま」というタイトルです。
スタッフと話していたときに思いついたアイデアで、日々から回りながら格闘している私たち自身も「今日もおつかれさま」って言ってほしいもんね、という話になりました。
「今日もおつかれさま」という労いの言葉に、どれだけのパワーがあるだろうかと。
であるならば、言ってほしい言葉を誰かにかけることにもっと大きな意味があるんじゃないか。
そんな思いから企画がスタートしていきました。
先週の火曜日が初回の配信でしたが、約100通ほどの感想メールをいただき、エッセイを執筆してくださっている写真家の中川正子さんと一緒に喜びあいました。
ちょうど今日の夜が、2回目の配信日。
「今日もおつかれさまです。それぞれにきっと色々あるけれど、お互いによくやっていますよね」
そんな労いの言葉をお互いにかけあっているような気分で、今晩のエッセイもお読みいただけたらうれしいです。
わたしも一人の人間としても親としても、引き続きから回りながら、きっと今しかないこの貴重な時間を重ねていきたいと思います。
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