【スタッフコラム】大のオトナが泣いて食べた、小さなおむすび
編集スタッフ 田中
毎年、この時期に風邪をひいてしまう
今季は風邪をひくまいと、自分で企画して「冬のコンディション特集」なるものも作成した。年明けまではこの記事で紹介したティートリー精油のおかげで、元気に過ごしていたのである。
なのに、だ。
あっと気づいたら体調はくだり坂、インフルエンザと診断され、ガクガク悪寒に震えながら病院から戻り、仕事関連の連絡をして内外に大いにご迷惑をかけ、コートもマフラーも取れずにしばらく布団のなかで震えていたのだから始末が悪い。(ティートリーは悪くないです、免疫力が低くなっていたのでしょう……)
今年は、予防接種もしたのになあ……と、数ヶ月前の自信に満ちた自分はどこへやら。
と、まあ、なってしまったものは仕方ないので、とにかく回復につとめるしかない。高熱にうなされた数日間は静かに過ぎていった。
大のオトナが半泣きした、その理由
タイトルにある、大のオトナが泣いた話は高熱期間に遡る。
お粥などを作る気力はなかったが、ゼリー飲料と経口補水液、スポーツ飲料、水は買い込んであったので問題はなかった。
同僚や友人が「何か買っていくものはない?」と聞いてくれた(感謝!)が、かなりのボロボロ状態なうえ、物はあったので「だ、だいじょうぶ……」と返事を返す。
そんななかで、ポンと新年のメッセージを送ってきてくれた近所の知り合いがいた。やり取りの中で、私が寝込んでいることを知り、半ば強引に「明日、食べ物もっていくわ!」と言う。
その差し入れが、例の小さなおむすびだったのだ。
本当に本当に、小さかった。
手まり寿司のようにコロンとして、直径3cmから5cmほど。塩むすびと梅が入ったのがジップロックにゴロゴロと入っている。
他にも野菜スープや、稲庭うどん、卵と豆腐の茶碗蒸しなど、やさしい味のものがたっぷり入った紙袋をどさっと玄関脇においていってくれた。
さあ、薬を飲まなきゃいけないから、有り難くいただこう。
しかし、3日ほどの間に全然食べられなくなっているではないか。小さな小さなおむすびを一つ噛むのがやっと。このサイズ感……考えられている!と、気づいたときにぽろっと涙が出た。
そういえば彼女も先月大風邪を引いたと言っていた。
だからとは言うものの、このおむすびの小ささはどうだろう。なかなか思いつかないぞと、大のオトナが半泣きで食べたのである。
数日間、その小さなおむすびを食べ続け、次第に一度に二つ食べられるように。ちなみに、第二弾の差し入れもいただき、固形のおかずとちょっとサイズアップしたおむすびが入っているのを見て、再びホロっときた。
▲あれから自分でも作っているミニむすび
厚意、思いやり、といった類の気持ちは家族にしろ友人にしろ、普段の健やかな状態では「当たり前」に感じてしまうものだ。日常のささいな出来事を大切にできたら、もっと優しくなれそうなのに、ふふんと通り過ぎてしまう。
一歩、非日常になったら、その当たり前がなんて尊かったんだと気づく。私が山や小旅行にいくのは、尊さを実感しにいくためなのかもしれない、と今更思う。
回復後に浦島太郎のような気分で仕事に出たら、これまた日常の尊さに気が付いた。まずは、晴れた空を見上げて。冷たい空気をすーっと吸い込んだとき。
そしてオフィスのあちこちでスタッフたちが喋り、ざわついているフロアを見渡したとき。妙にほかほかとした心持ちになったのだ。
マスクをして遠巻きに同僚たちが話しているのを眺めながら、「風邪をひいた甲斐があったというものか(いや、もう高熱は勘弁してほしい……)」などと、心中押し問答した年明けだった。
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