【今日、何しよう?】第3話:お散歩ついでに摘んで。小さくてかわいい野の草花、家に飾ってたのしむなら。
編集スタッフ 田中
予定がない休日、何をして過ごそうか。たとえば、毎日使い込んでいる鍋を磨くなど、なんてことない家しごとでも達成感のある1日になることもありますよね。
おとついから、連休をこんなふうに過ごしてみたら……と、想像をふくらませた3日間をお届けしています。
第1話はニットの手洗いを、第2話では雑誌を読みふけりました。さて、ラストの今日はちょっと外にでましょうか。
ONE DAY #03
「野の草花を、愛でる日」
家のなかで過ごすには、もったいないくらいのお天気。
夏に向かって、野の草花も元気いっぱい。この可愛らしい花たちと、今日はたっぷりふれ合おう。
近所をてくてく。本当は自分の庭があったらいいけれど、アスファルトの隙間にも生えていたりするから、お散歩ついでに探して歩く。
摘んだ花を手に持ったままだと、ぐったりしちゃうから水を張ったコップにさしていく。ビニル袋でもいいけれど、気分をあげるためにカゴで出かけてみた。
摘んだ花たちに、うるおいを
家に帰ったら、すぐ大きめのボウルかたらいに水をいれて。茎からでた汁とか、土の汚れを取っておく。
水面がきらきらして、眺めているだけでもきもちいい。
虫がついていたら、そっと外へ戻してあげて。
家じゅうのガラス瓶を集めて
家にある空き瓶や、ちいさなガラス瓶を集めてきた。
どれもお花屋さんで買ってくる花は入らないサイズだけど、今日は大活躍だ。野草たちは案外水を吸うから、たっぷり水をいれて。
1日でけっこう吸うから、気をつけないと。
子供のころを思い出す、名前調べ
最近、本屋さんでみつけた雑草図鑑で名前を調べる。いまはアプリもあるみたい。
キッチンに飾ったのは、ムラサキカタバミとカタバミ。
同じカタバミでも色違い、葉っぱも違っておもしろい。ちょっとお天気が悪い日や朝晩は、体力温存のために花が閉じているんだって。野の草花ってかしこいなあ。
▲ツルニチニチソウ*
▲(左)ハルジョオン、(右)なずな、カラスノエンドウ
春の七草のひとつ、なずな。ぺんぺん草という呼び名のほうが、小さいころから慣れ親しんでいるかも。
さやのかたちがハート型で、三味線のバチのようだから「ぺんぺん」と名前がついたんだって。見ればみるほどかわいらしい。
カラスノエンドウもよく見かける草。エンドウっていうからには、ちゃんとさやがついている。
小学生のころ、両端を切ってピーピー音を出して喜んでいたのを思い出す。案外飾りやすくて、どんな瓶にも合う。
両端に対象にならんだ葉と、控えめな花。先っぽのくるっと曲がったツル。たくさん生えている一角をみつけると、その生命力に圧倒される。
ときどき、こうして野の草花たちと戯れるのもいい。足を止める、というのはやっぱりゆとりを感じられるからかなあ……。
小さいながらも、一つひとつ力強く咲いているのを眺めていたら「さ、明日からわたしもがんばろう」という気になってきた。
***
【写真】鈴木静華
【アドバイザー】かわしまようこ
<雑草を摘む際の注意点>
※公共の公園や国立公園などでは採取が禁止されている場合がありますのでご確認ください。さらに空き地や駐車場などは除草剤がまかれていることもあるので、ご確認の上摘んでください。
※皮膚の弱い方はテイッシュで包む、手袋をするなどして摘み、早めに水で手洗いをしてください。
※虫がついていたら、その場においてくるか、その花はやめて別の花にしましょう。
※なるべく根を残して、摘むようにしましょう。むやみに取ってしまうとその後生えなくなる可能性もあります。
*ツルニチニチソウ…園芸種だが、道端に自生していることもある。
<参考文献>
「草と暮らす こころと体を整える雑草レシピ」かわしまようこ,誠文堂新光社,2016
「草手帖」かわしまよう子,ポプラ社,2008
「道草の名前」監修・稲垣栄洋、絵・加古川利彦,マイルスタッフ,2017
もくじ
かわしまようこ
2000年より、雑草と呼ばれる草にまつわる活動を開始。雑誌などのメディアで草の魅力を紹介している。2009年、東京から沖縄へ住まいを移す。自然とつながり、自分をみつめる宿泊型の雑草教室を各地で開催している。著書に『草と暮らすーこころと体を整える雑草レシピ』(誠文堂新光社)など。また2021年4月22日、雑草の26の生き方エッセイ『ありのまま生きる 雑草が教えてくれた、いのちがよろこぶ生き方』(リンカランブックス)が発売。
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