【すっきりが続く部屋】第3話:日々見直してさらに使いやすく。家族に合わせたクローゼットと洗面所の整理術
ライター 嶌陽子
インテリアを楽しみながら、片付けやすい、すっきりとした空間を作るコツを探る特集。夫と3人の娘と暮らす整理収納アドバイザー&ルームスタイリスト、岡本あつみさんの自宅を訪ねています。
第1話のキッチン、第2話のリビングに続き、今回はクローゼットと洗面所の整理収納を見せてもらいます。
家族全員のワードローブを収めたクローゼット部屋
▲上の段には裁縫道具やDIY道具など、毎日使わないものをお揃いのボックスに入れて収納。赤い壁紙は「ワクワクした気持ちで服を選びたい」と岡本さんが考えて選んだ。
真っ赤な壁紙とモノトーンのランプシェードが目を引く小部屋。ここは、家族5人分の服をしまっているウォークインクローゼットです。
リノベーション時にイケアの棚とハンガーバーを壁に取り付けてもらい、向かって左側に夫の服、右側に3姉妹と岡本さんの服を収納しています。
引っ越してしばらくしてから窓辺に取り付けたのが、服を一時的にかけておくハンガーバーです。
岡本さん:
「帰宅して脱いだジャケットをしまう前にかけて湿気をとったり、アイロンをかけるシャツを吊るしておいたりする仮置場が欲しいなと思って。実際、つけてみたら何かと便利です」
部屋の右側、3姉妹の服の収納にはプラスチックの収納ケースが活躍。子ども別、ジャンル別に服を分け、ラベリングをしているので一目瞭然です。
▲引き出し式の衣装ケースは20年近く前にインターネット通販で購入して使い続けているもの
岡本さん:
「我が家では乾いた洗濯物は、子ども別にイケアのかごに入れて収納ケースの前に置いておきます。それぞれが自分で元の場所にしまうというルールです」
かごなら床に置いても見た目が気になりません。家事をラクにしつつ、見た目もすっきりさせるための工夫です。
服の仕切りにはブックエンドが大活躍
それぞれの引き出しや衣装ケースの中にも、すっきりと収納するためのグッズが駆使されていました。
岡本さん:
「引き出しの中にセリアの不織布ケースをいくつか並べ、さらにその中にダイソーで買ったブックエンドを置いて仕切りを作っています。
同じ肌着でも長袖と半袖など、ジャンルや用途ごとに仕切ると分かりやすいし、立ててしまっている服が倒れるのを防ぐので、引き出しの中が乱れずにすむんです。
ブックエンドは転倒防止、仕切りとしてすごく便利なので、私は家中のあちこちで活用しています」
岡本さんの服は、ハンガーにかけたもの以外は縦に重ねたイケアの黒い収納ケースに。
これまでは3姉妹と一緒に衣装ケースをひとり2列ずつ使用していましたが、娘たちの服が増えてきたため、岡本さんの服を移動。子どもの成長とともに、収納法や場所も随時見直しています。
少しの違和感も見逃さず、よりラクな収納に
▲洗面所の壁紙は淡いピンク。部屋ごとに壁紙の色を変えているので気分が変わって楽しい!
次に見せてもらったのは洗面所。鏡付きのキャビネットと洗面ボウル下の引き出しに、家族5人分の洗面グッズがきちんと収まっています。
▲ケースは倒れて落ちてこないよう、耐震ジェルを底に貼って棚板に固定している。
キャビネットの中でもケースやトレーをフル活用。ひとつひとつのアイテムが一目で分かり、出し入れしやすいようになっていました。
岡本さん:
「ケースの中に100円ショップで買った仕切りを入れて、ものが倒れたり混ざったりしないようにしています」
さらに、背の低いアイテムはメラミンスポンジを置いて底上げ。これだけでグンと取り出しやすくなるのです。
▲手のひらサイズのヘアケアブラシは取り出しやすくするためメラミンスポンジで底上げ。
岡本さん:
「ちょっとしたことなんですが、取り出しにくいという毎日の地味なストレスがこれで解消されました。
使いにくいとか取りにくいとか、日々の暮らしの中で生じるちょっとしたイライラってありますよね。私はそういうイライラに敏感で、すぐに解決策を考えたくなるんです。
できるだけラクをしたいというか、自分に甘いのかもしれませんね(笑)」
家族一人ひとりの性格に合わせた収納が、片付く秘訣
引き出しの1段目は家族で使うドライヤーのほか、3姉妹のヘアアクセサリーやメイク道具などが。姉妹の年齢や性格に合わせて収納法やスペースを決めたそうです。
岡本さん:
「右側が長女のコーナー。高校生なので使うものも多いうえ、片付けが比較的苦手なのでスペースもたっぷりとりました。前はもう少し大まかに区分けをしていたんですが、それだとうまく片付かなかったので、さらに細かくジャンル分けをするように。
左側の奥が次女、手前の小さなスペースは、まだアイテムが少ない三女用。
年齢や性格、また暮らしの変化によっても収納の仕方は変わります。日々の家族の様子を観察して、片付けがうまくいかない場合は仕分け法を変えるなど、常にアップデートしています」
▲家族5人で寝ている寝室。早い者順に好きな場所を選んで寝ているそう!
岡本さん:
「メディアなどでたくさんの収納術やグッズが紹介されていますが、その中から自分や家族一人ひとりに合ったもの、好きと思えるものを選ぶ。さらに暮らしの変化に合わせてどんどん変えていくことも大事だと思っています」
日々家族一人ひとりや暮らしを観察しながら、常に「より使いやすく」「よりすっきり」を探っている岡本さん。最終話では家族全員で使っているフリーアドレスの勉強部屋を紹介します。
【写真】佐々木孝憲
もくじ
岡本あつみ
整理収納アドバイザー、ルームスタイリストとして「家が好きになる」片付けを提案。自宅は6年前にリノベーションした約80㎡のマンション。夫と小、中、高の3人の娘と5人で暮らしながら、家族それぞれの性格にフィットした整理収納を日々模索している。一方マクラメ講師の一面も。自宅には岡本さんの作品がすてきに飾られている。https://lit.link/atsumiokamoto
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