【こざっぱりした暮らし】第2話: 今、あえて温かいスープを。「食べるのが大好き」だからこその夏の食卓

編集スタッフ 田中

蒸し暑くても、さわやかにカラッと暮らしたい。けれど、快適さを追求するあまり、忙しなく家事に追われてしまうのも考えものです。もっと大らかに、過ごせたら……。

そんな思いをもって、イラストレーターの谷山彩子(たにやま あやこ)さんに、住んで25年になるお家で衣食住にまつわるお話を聞いています。

第2話では、夏も心地よく過ごすためのメニューや習慣についてお届けします。

第1話はこちら

 

食べることが大好き!だから夏は「さっぱり&温かいもの」

旬のお野菜を食べたり、夏バテ防止のメニューを作ったり。夏をのりきるための対策はいろいろあれど、谷山さんちの食卓はどんなものが並ぶのでしょうか?

谷山さん:
「わが家の夏は、お酢をたくさん使ってさっぱり、スッキリとした味に仕上げる料理が多くなります。薬味やハーブもたっぷり使い、見た目や香りで爽やかな気分になれば、ジメジメも気にならないかな、と。

私たち夫婦は食べること、お酒を呑むことが大好きで。外食しておいしいメニューがあったら、真似して作ってみたり、料理本を見てはレシピに挑戦したりしています。お酢たっぷりの料理は、今はもう閉店してしまった大好きなレストランのメニューを真似したものです」

さっそく、谷山さんの夏の定番メニューやドリンクをご紹介します。

 

お酢たっぷりで、煮込むだけの「鶏肉スープ」

まず最初にイチオシ!とおすすめしてくれたのは、鶏肉を酢でマリネしてから煮込むフィリピン料理の「アドボ」。

谷山さん:
「夏によく作るメニューです。前夜にお肉をマリネしておけば煮込むだけでとても簡単。野菜もじゃがいもと玉ねぎがメインで、レシピに加えた白瓜はきゅうりで代用してもおいしいですよ。

本場のアドボは、骨つきの鶏手羽元で作るのが主流のようですが、鶏もも肉でもおいしいように自分流にアレンジし、好みでスープ仕立てにしています。

最後に味を調整するとき、しょうゆの代わりにナンプラーでもおいしいですよ」

 

材料(作りやすい分量)

鶏もも肉 2枚(500gくらい)
玉ねぎ 1個
じゃがいも 1個
白瓜 1本(スプーンで種をとり輪切りにする。きゅうりで代用可)

<マリネ液>
酢 100ml
酒 50ml
しょうゆ 25ml
にんにく 2片
しょうが 1片
唐辛子 1本

塩、黒胡椒 適量
パクチー 好みで最後に飾り付ける

作り方

【1】鶏肉、玉ねぎをマリネ液に漬け、冷蔵庫で一晩寝かす。

【2】1をマリネ液ごと鍋に移し、櫛形に切ったじゃがいもを加え、具に少しかぶるくらいになるように水を足し、強火にかける。

【3】沸騰してくると、びっくりするくらい泡のようなアクが出るので丁寧に取り、蓋をして弱火で20分ほど煮る。

【4】種を取って、輪切りにした白瓜を入れ、醤油や塩で味を整え、黒胡椒を多めに挽く。好みでパクチーを添える。(きゅうりの場合は種が大きければ取る)

▲「醤油の代わりにナンプラーで味を整えても美味しいです」と谷山さん。illustration by ayako taniyama

一口食べると、あったかいのに喉通りがよく、マリネされたお肉も柔らかく口のなかでほどけていきます。これなら食欲がない日にもぴったりだと思いました。

 

ホットミントティーだと、胃が疲れずさっぱり!

谷山さん:
「ミントティーは、味も香りも爽やかで暑い日にぴったり。ミントの葉に爪で傷をつけ、きび砂糖と一緒にピッチャーにいれ、熱湯を注いで20分くらいつけておくだけ。冷やしてもいいけれど、私はあえて温かいままでいただきます。冷たいものは飲んでいるときはおいしいけれど、後から胃がくたびれる気がするので」

▲ミントだけでなく、レモングラスでもおいしいそう

 

手軽に夏気分になれる、薬味やハーブ

▲左:山形だし(なす、きゅうりに生姜やバジルを混ぜて)右:クリームチーズとディルのディップ(パンにつけておつまみにも)

谷山さん:
「薬味やハーブもよく使います。料理が風味ゆたかになるし、手軽に爽やかな気分になれるから。

小口ねぎ、みょうが、シソ、しょうがなどの定番に加えて、バジル、チャービル、コリアンダーなどエスニックな風味を持つものも好みです」

▲よく使うハーブはベランダ栽培。案外育てやすく、購入するより楽になったそう。

▲チャービルは人参のラペやスープの飾り重宝するのだとか。

谷山さん:
「ハーブや薬味は、洗って水気を切り、タッパーにいれて冷蔵庫にいれておきます。そうするとすぐに使えて便利です」

▲リビングの本棚には、料理本がたくさんありました。

夏でも、あえて温かいものを食べる習慣も、これまでの経験で体が覚えた心地よさから作られているのでしょう。本当に食べるのが好きなんだな〜!と伝わってくる、谷山さんちの食卓でした。

次回は、涼しく、心地よく過ごせる服について、お気に入りを見せてもらいました。

 

【写真】太田太朗


もくじ

谷山彩子

イラストレーター。東京都出身。セツ・モードセミナーを卒業。HBギャラリー勤務のあと、フリーのイラストレーターに。雑誌・書籍の挿画や広告の分野で幅広く活躍。近著に『文様えほん』『十二支えほん』(共にあすなろ書房)がある。https://www.taniyama3.com/


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