【インテリアを、もっと楽しく】 第4話:主とともに、すくすくと。変化する子ども部屋。
ライター 本城さつき
整理収納アドバイザーでインテリアスタイリストの村上直子さんのご自宅を訪ね、心地いいインテリアのヒントをうかがっています。
12年前に購入しリノベーションした築26年の二階建て一軒家に、夫婦と20歳、16歳の息子たちの4人家族で暮らしている村上さん。
第4話となる最終回は、子ども部屋について。成長に伴って変わっていく、息子さんのお部屋を実際に見せていただきながら、上手な変化やもの選びについて考えます。
第1話から読む
アイアンやスチール素材で大人っぽく
▲モノトーンの雑貨が空間を引き締めて大人っぽく。
今回おじゃましたのは、16歳の息子さん(次男)のお部屋。かつてはお兄さんと二人で使っていたスペースを、現在は一人で使っているそう。小さいころと比べて、どんなところが変わった、あるいは変わっていないのでしょうか。
村上さん:
「壁の色は、この家をリノベーションして子ども部屋をつくった当初から変わっていなくて、一面だけがブルーグリーンの壁紙です。すごくかわいらしい色というわけではないのですが、今考えると、もう少し大人っぽい色でもよかったかも。長い目で見ると、子ども部屋とはいえあまりにかわいい色は避けた方が無難かもしれませんね」
壁の色はそのままで部屋全体のイメージチェンジを図りたいなら、家具やインテリア小物の色と素材をシックなものに変えることがおすすめ、と村上さん。この部屋の場合は、黒のアイアン素材やペールトーンのスチール素材などを選ぶことで、壁の甘い印象をやわらげています。
▲階段の壁が見える小窓。
村上さん:
「小さいころは木の温もりが感じられるナチュラルカラーの家具を使っていたのですが、成長して本人の好みがはっきりするにつれ、モノトーンのシンプルな家具へと変化していきました」
▲昔から部屋にあるモビール。
部屋の中には、階段の明かりが感じられるように設置した小窓や、天井から吊るされたモビールなど、子ども時代の名残りがちらほらと見受けられますが、それでも全体の雰囲気はクール。小さいころから使っている部屋だからといって、すべてを変えなくても大人っぽい部屋へのシフトは可能なんですね。
机は2回、ベッドは3回。成長とともに買い換えるポイント
▲机と脚はIKEA。椅子はクラッシュゲート。
子ども用の家具は、机やベッドなどある程度長く使うものは、じっくり選んで必要があれば買い換える。一方で、そこまで長く使わないものなら、リーズナブルで楽しいデザインを選んで部屋の彩りに、と考えてきた村上さん。成長に伴ってフィット感を見直した家具は机とベッドで、これまでに机は2回、ベッドは3回買い換えたそう。
村上さん:
「小中学生のころに使っていた机は、何年も使うことを考えてアクタスで購入したもの。木の色を生かしたシンプルなデザインでした。高校生になると、もう少し大きなものが必要になったので買い替えを。現在使っている机は自分で選んだIKEAのもので、好みの天板と脚を組み合わせています」
大きくなった体を支えるため、よりしっかりしたつくりのものが必要になるのがベッドです。
村上さん:
「初めは通常の二段ベッドで、次は、下段が引き出し式で使わないときは片づけておける二段ベッド。どちらもIKEAのものでした。
そして、長男が中学校に入って部屋を別々にしたタイミングで、二人とも国内の家具メーカーのベッドとマットレスに。以来、同じものを使っています」
ところが、ベッドが大きくなったことで困ったことが発生。置きたい位置の壁からベッドがはみ出してしまったのです。そんなときには、壁の不足分の長さを補う家具を置くのがおすすめ、と村上さん。
▲ベッドの横に収納家具を置いて“壁を足す”。
村上さん:
「ベッドのはみ出し分のサイズに合う収納家具などを探して、足元(枕元でも)の横に置きます。“壁を足す”ような感覚ですね。
寝心地のいい場所は、ドアや窓との位置関係などで決まってくるもの。その場所を諦めるのではなく、家具をサイズの調整弁として使うことで解決できることもあるんですよ」
収納スペースはざっくり、でOK
▲学校のロッカーのような収納家具。
過ごしやすい空間をつくる要素として、子ども部屋でも避けて通れないのが収納です。
村上さん:
「ざっくりとした収納スペースを設けるだけで、ずいぶんすっきりしますよ。次男の場合、子どものころはおもちゃ入れにしていた収納家具を、今では教科書や参考書入れに。その上にさらに収納ボックスを置き、こまごまとしたものを収めています。それらの中まではきっちり整理していなくても、入れる習慣さえ身につけばひとまず十分です」
学校の道具を入れる収納家具が学校のロッカーのようなデザインだったり、趣味のスケートボードや部活のバスケットボールの道具は見せる収納にしたり、と楽しい工夫もいろいろ。これなら、インテリアを楽しみながら無理なく部屋が片づきそうです。
村上さん:
「学校の試験中は片づけどころではなく、いろいろなものが出しっぱなしになっています。でも、いつもきれいに片づいていなくてもいいんです。必要なときにサッと片づけができればよし、とゆるやかに考えています」
▲鍵掛けつきスイッチカバーは、デザインがいいだけでなく便利。村上家の重宝アイテムです。
主の成長とともに、伸びやかに変化していくのが子ども部屋。ときには手を貸し、ときには子どもにまかせながら、快適なスペースに育てていけたら理想的ですね。
これまで4話にわたってご紹介してきた、村上直子さんのお家。わあ素敵!と感心したり、これなら気軽にできそうと気持ちが弾む、心地いいインテリアのヒントがたくさん詰まっていました。
家の中が気持ちよければ、いつだってごきげん。インテリアについて考えたり手を動かすことで、おうち時間をもっと楽しむことができればと思います。
【写真】千葉 充
もくじ
村上直子
整理収納アドバイザー、インテリアスタイリスト。アフタヌーンティーリビング事業部でディスプレイを担当後、独立。現在はフリーランスで活動中。カタログスタイリングや装飾美術も手がける。20歳と16歳の2人の息子をもつ母でもある。Instagram:@kikiuchireset
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