【暮らしのみずうみ – 松本便り】第14話:北欧のひとたちが毎日欠かさないこと。
ライター 桒原さやか
スウェーデン人の夫といっしょに暮らして10年以上。今さらカルチャーショックな出来事はあまりないのですが、やっぱりちょっと違うな……と思うことはたまにあります。
そのひとつが、多くの時間を外で過ごしたがること。
ちょっとでも天気が良い日はいてもたってもいられないようで、外のデッキに出て、椅子に腰掛けて多くの時間を過ごしています。本を読むのも、外。ごはんを食べるのも、外。マンションに住んでいたときも、引っ越してから真っ先にベランダ用の椅子を購入していました。風邪を引いているときでさえ、ブランケットにくるまり、外のベンチに座っている姿を見たときは、えー! そこまで!?とさすがにびっくりしたことも。
でも、外で過ごすのが好きなのは、どうやら夫だけではないようです。北欧に行くと、カフェやレストランのテラス席はいつもほぼ満席。また、夏の白夜の時期になると、夜の9時でも外は明るいので、キャンドルを灯しながら夜遅くまで庭で過ごしています。また、ストックホルムなどの都心部でもすぐ近くに自然があって、休日になると森の中を散歩し、ソーセージなど簡単な食事を外でとるのも定番の過ごし方なのです。
▲北欧の子どもたちがみんな着ているつなぎのレインコート。この上からジャケットを羽織れば、どんな雨の日でも走り回って遊べます。
北欧は寒くて暗い冬が長く、それとは反対に、気持ちいい夏の季節が短いというのも大きな理由のよう。でも、外で過ごすことが好きなのは、なにも天気がいい日だけじゃありません。
雨の日でも北欧の子どもたちは防水・防寒のレインコートを着て、長靴をはき、雨の中でも楽しそうに走り回っています。また、マイナス10度になる真冬でも洋服を重ねてしっかりと着込み、散歩に出かけるのが好きなのです。
北欧ではこんな言葉があります。
「悪い天気の日はない、あるのは悪い服装だけだ」
つまり、適切な服装さえあれば、どんな日でも外で過ごせると考えているのです。
私がノルウェーに住んでいたとき、こんなことがありました。冬は暗くて寒く、気持ちまでギュッと縮こまっていたとき、ふとまわりを見渡すと、みんなあたりまえのようにスキーをしたり、散歩をしたり、ランニングをしたりして、外で体を動かしていたのです。それを見て私も、あたたかい服を着込んで、とにかく自然の中を歩くようにしていました。すると、出かけるまでは億劫でも、歩いているうちに身体も気持ちも少しずつゆるんできて、家に帰る頃にはだいぶスッキリしているのです。
自然がすべてを解決してくれる。
もしかしたら、北欧のひとたちはそんなふうに考えているのかもしれません。
北欧のように森の中を歩くとまでいかなくても、ちょっとベランダに出て外の空気をスーッと吸い込んで、新鮮な空気を感じるだけで気持ちがスッとします。ちょっとしたことで気持ちが切り替えられることを、北欧のひとたちから学んだような気がしています。
ライター・エッセイスト。岐阜県出身。『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていたスタッフ。退職後、ノルウェーにある北極圏の街、トロムソに住んでいた。現在は長野県松本市でスウェーデン人の夫と2歳と4歳の子どもの4人暮らし。
著書は2023年4月に発売の「北欧の日常、自分の暮らし- 居心地のいい場所は自分でつくる -」(ワニブックス)。その他、「北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし」(ワニブックス)、「家族が笑顔になる北欧流の暮らし方」(オレンジページ)がある。
instagram:@kuwabarasayaka
撮影:清水美由紀
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