【週末30分あれば】後編:気になっていたうっすら汚れをスッキリ! 壁掃除をしたら爽快感が格別でした

編集スタッフ 岡本

床やコンロ周りに比べて、習慣にしにくい窓と壁の掃除。よく目に入るので気にはなるものの、適した掃除方法が分からず、長いことそのままにしてきました。

「いつかやらなくちゃ」という後ろめたい気持ちも、うっすらとついた汚れも、そろそろスッキリさせたいところ。

そこでこの特集では、長年積み重ねてきた見て見ぬフリと気負わずに向き合うきっかけとなる、「窓と壁」の掃除についてお届けしています。

お話を伺ったのは、家事アドバイザーの河野真希さんです。前編では、一度拭きでぴかぴかになる窓掃除のコツを教えていただきました。

続く後編では、見落としがちな壁の掃除についてご紹介します。

前編から読む

 

気になるホコリを発見。壁って掃除するべき?

あるとき気付いた天井近くのホコリの存在。壁は面積が広い分、ここが汚れているなら他の場所もそうなのかも……と、ずっと気になっていたんです。

手が届かないところなのに、なぜ汚れるのでしょうか。

河野さん:
「空気と一緒に、実はホコリも部屋全体を巡っていて、それが壁や天井の角に当たることでホコリが付着します。

エアコンの風を受けやすい場所や、換気口の近くなどは空気が滞留するので、より汚れが目立ちやすい場所。

でも基本的に壁のホコリは、軽く乾拭きすればすぐに落ちるものです。気になるところだけでもきれいにしてみると、断然気分が違いますよ。

より心地よく過ごせる部屋に近付くのではないでしょうか」

 

壁掃除のアイテム


「ホコリ・食べ物・落書き」
汚れの種類ごとに考える

【道具リスト】(左から順に)
・床用ドライシート
・アルコールスプレー
・中性洗剤(食器用洗剤など)
・サランラップ
・塩素系漂白剤
・フロアワイパー
・ゴム手袋
・スプレーボトル
・セスキ炭酸ソーダ
・バケツ

河野さん:
「壁の汚れと言っても、その原因はいろいろ。今回は、3つの種類の汚れに効く掃除をお伝えしますね。

ご紹介する掃除方法は、家庭に多くみられるビニールクロス素材の壁を想定しています。漆喰や紙などの天然素材の場合はシミになりやすいため、乾拭きのみのお手入れがおすすめです」

 


鉄則は、濡らさないこと!
「ホコリ汚れのステップ」


 

01:ドライシートをつけたフロアワイパーで、天井に近い場所から拭く
02:部屋全体の壁のホコリを落としたら、最後に掃除機をかける

河野さん:
「ホコリ汚れの掃除は、濡らさないのが鉄則です。濡れた雑巾などを使うと、ふわふわとしたホコリが水を含み、落としにくくなるだけでなく汚れを塗り広げてしまうからです。

低い場所は人が通るときに空気が動くことでホコリがつくことはあまりないので、天井近くの壁だけを拭ければ十分でしょう。ついでに天井側もサッと拭けばばっちりですね」

 


定着汚れには、薄めた洗剤が効く
「手垢や食べ物汚れのステップ」


 

基本_01:アルコールスプレーを拭きつけ、マイクロファイバークロスで拭く

 

応用_01:なかなか落ちないがんこな汚れには……? 中性洗剤を溶かした水にマイクロファイバークロスを浸す

 

応用_02:水気を絞って拭く。汚れが落ちたら水で仕上げ拭きをする

河野さん:
「キッチン周りの壁に多いのが、料理を運ぶときなどについた食べ物の汚れ。基本的には、ステップ1で落ちるはずですが、時間が経っているものだと汚れが定着してしまい、落ちないこともあります。

そんなときは、食器用洗剤に頼るのがおすすめです。洗剤は拭いた後そのままにしておくとベタついたり、白残りしたりするので、最後は必ず水拭きしてくださいね」

 


1本あると便利! マルチなセスキスプレーで落とす
「落書き汚れのステップ」


 

01:セスキスプレーを拭きつけ、マイクロファイバークロスで拭く
02:汚れが落ちたら水で仕上げ拭きをする

河野さん:
「アルカリ性のセスキ炭酸ソーダは、油などの汚れに効果を発揮します。鉛筆の芯には油が使われているため、セスキとの相性がいいんです。

自宅でセスキスプレーを作るときは、500mlの水にセスキ小さじ1を入れればOK。使うときにはよく振ってくださいね。

他にも、コンロ周りの油汚れや血液の汚れなどとも相性がいいので、一度作っておくと色々な場面で役立ってくれるはず。

またボールペンや油性ペンの汚れは、無水アルコールかクレンジングオイルで落ちる場合があります。ただ、強くこすると壁を傷める可能性があるので、必ず目立たないところで試してからにしてくださいね」

 


なるべく放置したくない
「カビ汚れのステップ」


 

01:カビ汚れに塩素系漂白剤を吹きつける

 

02:ラップをして10分ほどおく
03:水で絞った雑巾で仕上げ拭きをする

河野さん:
「窓の近くに多い、カビの汚れ。湿気の多い季節には特に注意して見てみてください。塩素系漂白剤は強力な成分を含んでいるので、必ず手袋をつけてくださいね。

まだカビは生えていないけれど、早めに予防がしたい!ということであれば、アルコールスプレーとマイクロファイバークロスの乾拭きで対策することができます」

 

「やらなくちゃ」から解放されたのが嬉しくて

取材が終わったあと、この際だからと家中の壁をさーっと拭いて回りました。ものの5分ほどで終わり、気持ちもスッキリ。この方法なら家族で役割分担をしても乗り気でやってくれる気がします。

今週末は、子ども部屋の掃き出し窓に手をつけてみようかな。

スッキリした壁や窓を見て、清々しい気持ちになれたのはもちろん、こんなふうに今までできていなかった掃除に前向きになれたことが、一番の嬉しい変化だと感じています。

(おわり)

【写真】メグミ

 

もくじ

 

河野 真希

自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰。


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