【BRAND NOTE・世界のKitchenから】第2話:世界の家庭で見つけた!「台所の知恵」って?
ポタージュなどのホットドリンクにも挑戦し、人気商品を生んできたキリン・世界のKitchenから。ひとつの味を作るため実際に世界の家庭のキッチンを訪れてインスピレーションを受けてきました。今回は、ホットの葡萄ジュースを開発するため向かったクリスマス後のドイツやデンマークで見つけた暮らしの発見をお聞きしました。
編集スタッフ 二本柳
BRAND NOTE(ブランドノート)「世界のKitchenから」編をお届けしています。
世界の家庭から得たヒントに “ひと手間” を加え、日本に暮らす私たちに新たな発見やおいしい出合いを届けてくれる「世界のKitchenから」。
第2話は、商品づくりの肝となる「家庭料理の取材」に注目です!
昨日の座談会にも登場いただいたキリンビバレッジ株式会社の寺島さん、図子さんにデンマークとドイツの取材について話を伺いました。
「世界のKitchenから」は、1つの商品につき約1週間の取材へ出かけます。
そのスケジュールはというと約4〜5軒の家庭を訪問するほか、市場やスーパーマーケット、メーカーなどの企業にも足を運びます。
今回は、なかでも「家庭」からどんなワクワクや驚きを感じ、どんな知恵やワザを学んできたのか?寺島さんと図子さんが持ち帰ってきた世界のインスピレーションを聞いてみました。
寺島さんの取材ノート。1度の取材につき1冊分のノートがびっしりと埋まるそうです。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
もくじ
過去のあの商品は、どう生まれたの?
煮りんごにミルクをかけてみたら…
photo/Yoko Takahashi
きっかけは、一児の母でもあった当時の開発チームメンバーの気づき。
その方のふとした発言、「子どもと一緒に飲めるものってあまり無いんだよね」という一言から「世界のKitchenから」の新たな旅がまたひとつ始まりました。
それは何かというと、2010年に発売された「やさしい煮りんごのアップルモーア」です。素朴でおいしい、あの味を覚えているでしょうか?
その時に開発チームが目をつけたのは、日本でも赤ちゃんの頃からすり潰して食べさせたりと馴染みのある “りんご” でした。
この身近な果物を使って何かできないか?と寺島さんたちが北欧・デンマークへ向かいます。
photo/Yoko Takahashi
「デンマークって実はりんご大国なんです。取材中も学校や街中、一般家庭のお庭など、いたるところでりんごの樹を見かけました。
だからもちろん家庭にも深くまで浸透していて、どのお家でも『エーブルグロッド』という伝統料理に出合いました。直訳すると『りんごのお粥』ですね。これがとっても美味しくて」
りんごのお粥・・・?その正体は何かというと、「煮りんご」のことだそうです。
皮をむいたりんごをザクザクと切ったら、少量の水と砂糖、バニラビーンズと一緒に10分ほど煮ます。それを食感が残るくらいに砕いたら冷蔵庫で冷やして完成。私たちも真似できそうなくらいシンプルな料理ですね。
デンマークの家庭では、ここにミルクをかけて食べるそう。
自宅のキッチンで再現(写真提供:寺島さん)
「それが素朴で、優しくて、忘れられない味になりました。りんごを煮ると素材の滋味が引き出されて、まあるく優しい味になるんです。
そして何といっても『りんごとミルク』ってこんなに良い関係だったんだ!と。
子どもと一緒に飲めるものを、ということで始まったデンマーク取材では、そんな美味しい組み合せを発見することができました」
スパイスは心もポカポカにする?
photo/Yoko Takahashi
変わって次はドイツ・ベルリンのキッチンから。
冬は気温がマイナスになり、日中もどんよりとした曇天に包まれることが多いドイツ。でも寒さの分だけ家庭の中には「幸せの知恵」が詰まっていました。
2015年に初めてのホットドリンクとして誕生した「甘く香り立つスパイスの薫るホット葡萄」は、ここからヒントを得て作られました。
厳しい季節にドイツの人たちが楽しみにしているという、ある知恵を学ぶべく、図子さんと寺島さんが取材へ出かけます。
photo/Yoko Takahashi
photo/Yoko Takahashi
「1年のうち8ヶ月は冬、というくらい暗い気候の多いドイツには『プンシュ』という特別な飲み物がありました。
家庭によって作り方はまちまちなのですが、オレンジやレモン、りんごなどのジュースにシナモンやクローブ、ジンジャーなどのスパイスを加えて鍋で煮たものを言います。そこにお酒が入っているものが『プンシュ』、入っていないものが『キンダープンシュ』です」
photo/Yoko Takahashi
「体の芯まで凍えそうな外の空気に触れたあと、家のなかで温かいプンシュを飲む。するとものすごーく幸せな気持ちになるんです」
「そして、この幸せな気持ちの背景にあったのが “スパイス” でした。
というのもドイツでりんごジュースを温めただけのドリンクも飲んでみたのですが、それでは何かが物足りなかった。温かいだけではダメだったんです。
そこでドイツの家庭を見てみると、彼らにとって “スパイスの香り” とは “幸せな思い出” を呼び起こすものでもあったんです。スパイスの香りをかぐと、クリスマスなどの楽しい家族イベントを一緒に思い出すようで」
photo/Yoko Takahashi
photo/Yoko Takahashi
「家庭によってレシピは全然ちがうのに、スパイスが幸せの記憶とリンクしている、という部分は共通して根付いていた。それがこの取材の発見でした。
そして不思議と、その文化を知らない私たち日本人も同じように幸せな気持ちになりました。
『甘い香りで心までポカポカにする』。それってすごく素敵なことだなと、あの感覚を日本の皆さんにも届けたいと思いましたね」
キッチンを中心に生まれる、家族団欒。
photo/Yoko Takahashi
あらゆる国の、あらゆる家庭の「キッチン」を訪れて来た寺島さんと図子さん。世界中のキッチンをのぞけるなんて、なんだか羨ましくもありますよね。
お二人はどんな印象を抱いてきたのでしょうか?
最後に気になる世界のキッチン事情を聞いてみようと思います。
「インテリアや並んでいる道具は家庭によって様々でしたが、ひとつだけ共通していることがありました。
それは何かというと、キッチンと食卓の距離が近いこと。
どの家庭にお邪魔しても驚くほど家族が仲良しで、どうして?と疑問だったのですが、もしかするとキッチンと食卓が同じ空間にあることもひとつ影響しているのではないかと思っていて」
「そうそう。たとえばデンマークで伺った家庭では、旦那さんがずーっと奥さんの側から離れないんです。微笑ましいくらい。
奥さんが料理をしているときも、食卓がすぐ隣だから自ずと手を貸したりして、常に会話をしているんですよね」
photo/Yoko Takahashi
「それから例えば、子どもたちは学校から帰って来ると一目散に食卓に向かいます。今日はどんなことがあった?学校で何をしたの?お母さんはキッチンで夕飯の支度をしながら、子どもは食卓で一息つきながら、そんな会話が生まれていました。
キッチンが孤立していないから家族も『手伝ってあげる』という感じではなかったですね。もっと自然にみんなで食事の支度をしたり、お鍋をかき混ぜたりしていたのが印象的でした」
photo/Yoko Takahashi
photo/Yoko Takahashi
そして、この気づきに1番影響を受けたのが、つい数ヶ月前に引っ越しをしたばかりという図子さんです。
キッチンを中心に会話が生まれるあの感じに近づけたくて、対面型のキッチンだけは譲れない!と、物件探しの際に最後までねばり続けたのだとか。
新居の様子(写真提供:図子さん)
「日本だとキッチンはまだ “お母さんのもの” というイメージが強いけれど、私たちが訪れた家庭ではその縛りを感じなかった。
“コミュニケーションの場” というか。みんながキッチンを中心にワイワイ楽しそうに過ごす感じがとても素敵でした。
私も今は2人暮らしですが、今後家族が増えたら、キッチンがそんな存在になったら良いなって思います」
「世界のKitchenから」のものづくりから、本日は「家庭料理の取材」について話を伺いました。
今回話を聞くまで、寺島さんたちが取材から持ち帰ってくるものは具体的なレシピなのかと想像していました。
でもお二人の話にあがってきたのは、それよりもっと根本的な「日本の皆に伝えたい “真ん中”」の部分。開発チームの方たちが個人の感覚でワクワクしたり、心が温まった “真ん中” を、私たちは知らず知らずに受け取っていたのかもしれませんね。
次週の第3話では、取材から帰国した後の「味づくり」の部分をお届けします。
(つづく)
「旅するキッチン」が期間限定でオープン!
「世界のKitchenから」を体験できるスペース「旅するキッチン」が期間限定でオープンします!
塩とフルーツの組み合わせを70通りから選べる生ジュースバーや、「ソルティライチ」の発想のもと、タイの家庭の知恵がうんと詰まった夏のデザート「ローイゲーオ」のブースなど。
素材のからくりを学ぶワークショップも随時開催しているそうです。
夏休みのお出かけに、ぜひ足を運んでみてくださいね♪
旅するキッチン
日程: 2016年7月30日(土)〜8月21日(日)
時間: 10:00-20:00
会場: 表参道「SO-CAL LINK GALLERY」
→詳細はこちらから★
【写真】
3、18枚目:木村文平
1〜2、4、7〜16枚目:高橋ヨーコ
▼1年のなかで、ほんのちょっとの時期しか採れないベリーを上手に保存する知恵があるそうです。
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