【5グラムへの情熱】フルタさんに聞く、「無理」を乗り越えられた理由
バイヤー 山根
フルタさんから聞いたことがない話
これまでの人生で2度、うれし泣きをしたことがあります。
それは2度とも、僕がリーダーとなって作ったバンドにメンバーが参加してくれたときです。
僕はチームワークが大好きです。どんなチームが良いチームかな?とか、このチームのリーダーはどんな働きをしてるかな?とか、日頃からついつい考えてしまうんです。
だからジャム工房のスタッフとして働いているときも、自然とチームのことを考えていました。
そのときからずっと気になっていたことがあります。ジャム工房スタッフを率いるフルタさんは、このチームのことをどう考えているんだろう?
フルタさんの料理やジャムへのこだわりを聞くことはあっても、チームについての思いを聞く機会はなかなかありませんでした。
そこで今回の「5グラムへの情熱」では、KURASHI&Tripsのプロデューサーであるフルタヨウコさんにインタビューしてみます。
もともとお一人でジャム作りをされていたフルタさん、チームを新たにつくる中にはいろんな挑戦や苦悩があったんじゃないだろうか。そんな疑問をフルタさんにお聞きしました。
フルタさん、お話を聞かせてください。
―スタッフを抱えるようになって、ずばり大変だったことはありますか?
フルタ「まずジャム作りを教えるのがむずかしかったです。これまで経験豊富なアシスタントに手伝ってもらうことはあったけど、新しく入ったスタッフは販売用のジャム作りは未経験だったから。
ジャムの煮上がり加減だったり、果物の切り方だったり、自分にはその感覚が身についています。でもそれをいざ言葉にして伝えようとすると説明ができなくて。
そもそも果物ってひとつひとつ、毎日、毎年違うから一様に説明できないものですしね。大変でした」
―ジャム作りの感覚の共有が課題だったんですね。
フルタ「そうです。だけどその感覚を身につけて、ジャムをおいしく作れるようになればスタッフみんなも楽しいだろうって思っていたから、教えるのは辛くはなかったです。
それに教えているうちに、今まで感覚でやってた作業が言語化されてきて、『自分はこういうことを大切にしてたんだ』とか『あれ、この作業は省けるじゃん』と改めてわかったりして。
反対に自分の方も気付かされたことも多かったです」
「もともとは無理なんじゃないかなって思っていました」
フルタ「みんなが同じ感覚を身につけてもらうため、作業は全員まんべんなく担当してもらうよう工夫しています。だから『鍋だけ見る人』とか『果物切るだけの人』はいないですね。
それから果物の試食も毎日してもらいます。毎日少しずつ変わる果物の状態を、体で覚えてもらえるように。そんな工夫はたくさんあります」
―それらはやっぱり、「スタッフを育てたい」という意識からなんでしょうか?
フルタ「育てる、ともちょっと違うかな。これがもし料理教室だったら作り方やコツを教えておしまいになるんだけど、ジャム工房はそれだけじゃあいけないですよね。私が試作したものと同じ味をスタッフみんなで作り続けていかなきゃいけないから。
実はもともと、スタッフ抱えてのジャム作りは到底無理なんじゃないかなって思っていました。
私が何年も一人で作ってきたものと同じ味を、私がいないときでも果たして作れるのか、って。それだけ私は感覚的にジャムを作っていたんです」
―そうだったんですか!
フルタ「でも今はこのスタッフでできるようになっているんです。
みんな勘がするどくて、私が試作している様子を見て同じように作ってくれて。気づいたことがあったらお互いにアドバイスして、協力し合いながら。
それに作業だけじゃなくって、スタッフがおもしろいジャムを見つけて買ってきてくれたり、家でジャムを作ってくれたり。みんな私のように日々ジャムのことを考えてくれているみたいでありがたいです」
―当初はこんな状況になるとは思ってもいなかったんですね。
「無理だと思った」ってかなり強い不安だと思うんですが、そんな不安がありながらもKURASHI&Tripsをスタートできたのはどうしてなんですか?
フルタ「共同出資者のクラシコム青木さんから『ジャム作りに専念してもらえば、他のことはこっちでサポートするから』という言葉をいただいて。その言葉で直感的に安心できたんです。だから始められました。
今だってKURASHI&Tripsがジャムを作ったあとは、試食して感想を伝えてくれて、写真を撮って商品ページを作ってくれて。お客様に届けるところまでクラシコムのみんながしてくれる。ひとりじゃあここまではできないんです。
今のジャム作りは、みんながいるからこそできる。みんなで作っている。そう思います」
チームがあるって、ありがたい
フルタさんへのインタビューを終え、KURASHI&Tripsというチームにいた頃を振り返ってみました。当時僕もジャム作りに対してのびのびと、かつ集中できていた気がします。
そういう風に働ける環境は、実はフルタさんのチームに対する意識のおかげだったんだなと初めて気が付きました。
インタビューの最後、フルタさんに今のKURASHI&Tripsの状況についてどう思うか尋ねてみました。
「ありがたいです。こんな恵まれた状況はなかなかないんじゃないかな」
その言葉を聞いて、僕は自分がうれし泣きしたときのことを思い出しました。あのとき涙が止まらなかったのは、仲間がいるありがたさを感じていたからにほかなりません。
ひとつの目標に向け、みんなで協力し合うこと。それがチームワークの醍醐味だと思います。これからも僕は、KURASHI&Tripsのチームワークをサポートすることに情熱を燃やしていきます。
今週お届けするジャムはラ・フランス!
熱いチームワークで今日も働くジャム工房より、今週もジャムが届きました。山形県産のラ・フランスを使った、「洋なしジャム カラメル風味」です!
一番の特徴はコクのある甘み。カラメルの風味と、ほんのりラム酒の香りが相まって、充実感たっぷりの甘みが口に広がります。
ハードな食感のパンに合わせても、しっかりとマッチしますよ。
そのまますくって食べてみると、ラ・フランスならではのシャクシャクっとした食感。そして香りが際立ちます。
そんな梨のさわやかさが加わることで、「もう一口」「もう一口」と食べ進みたくなる味に仕上がっているんですね。
ジャム工房スタッフも自信を持ってお届けするジャムです。ぜひみなさまも味わってみてください!
人気の「ブルーベリーとバナナのジャム」は残りわずか。こちらも合わせてどうぞ。
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