【ドライフラワーを愉しむ】第3話:飾り方いろいろ!インテリアに合わせてたのしもう
編集スタッフ 田中
置く、吊るす、生花よりも自由なドライフラワーの飾りかた
ドライフラワーの作り方を、花生師の岡本典子さんに教わり全3話でお届けしています。
最終話は、ただそのまま置いてみたり、吊るしたりと、生花じゃできない飾り方で楽しむドライフラワーの魅力に迫ります。リビングだけでなく、玄関や壁などいろいろな場所で自由に楽しめるんです。
取材当日の帰り道に花屋へ寄ったほど、わくわくが高まるインテリアだった岡本さんのご自宅。吊るすくらいしか飾り方を思いつかなかった私に、楽しい刺激をくれました。
ドライフラワーを飾るのに、便利な道具たち
最初に岡本さんに聞いてみたのは、「何をつかって飾りつけしていますか?」ということ。あると便利な道具たちを教わりましたよ。
(左から順に)
・輪ゴム
・虫ピン
・ダルマピン
・画鋲
・麻ひも
岡本さん:
「輪ゴムと麻ひもは、ユーカリやミモザのお話のときに出てきたとおり、飾るときも必須ですね。あとは壁に固定するときのピン類。
ピンや画鋲類は壁にかけたいときに便利です。虫ピンは軽いものを留めたり、吊るすのにぴったりで、穴が小さくて済むんです。ドライフラワーを固定するのにも良い道具ですよ。
どれもホームセンターや文房具屋さんで手にはいると思います」
そうして、飾られたドライフラワーたちが次のとおり。家の至るところにあって、鮮やかな発色をしたものもあれば、枯れた様子が静謐な空気を生んでいる空間もあって、ぐるぐる見渡してしまいました。
ドライフラワーをたのしむ方法
SCENE 01.
束をいくつか並べて吊るす
▲リビングの照明横に飾ってありました。
いちばんシンプルに楽しめるのが、吊るす方法ですよね。
リビングの照明横のレールに吊るすときに使っていたのは、ライティングレール 吊りフック。照明に近すぎるのはあまりよくないようですが、この吊りフックがあれば、麻ひもの輪を通せばいいので気軽だそうです。
次の写真は玄関。ここではワイヤーに吊るしてありました。
花は、麻ひもで結んだところでワイヤーに渡してあるというラフさ。
このラフさから生まれるいい佇まいがなんともよくて……帰ってきたとき見上げたら、花々が迎えてくれるなんていいなあと思いました。
ちなみにワイヤーの端は「うちは購入した家なので、先がまるく輪になった洋灯吊り金具を両端の壁に打ち付けて、ワイヤーを固定しています」という岡本さん。
もし賃貸住宅なら、刺した跡が目立たない石膏ボード用の釘フックがいいかもしれませんね。
SCENE 02.
一輪ずつ、壁にディスプレイ
キッチンに入るサイドの壁にあったディスプレイがこちら。
紫陽花、枝もの、あとは小さなリースが2つ。ぽんぽんと、ピンで固定されていました。こんなふうにシンプルに一輪だけを飾るのもいいですよね。
岡本さん:
「小さなリースは、子供たちが2年ほど前のクリスマスに作ったものです。小さいからこうして何かと組み合わせてもいいなあと。
記録代わりにもなるし、娘が昨年12月に一人で作ったリースの出来栄えと見比べて成長したなあと思いました」
SCENE 03.
花瓶にそのままポンといける
▲赤い実のものはペッパーベリー、ほかにスカビオサ ステンクーゲルなど。
すてきなガラスのキャビネットの上に、そっと置かれていたのが花瓶にいけてあったドライフラワー。
生花のときに水をぬいてドライにできるものもあるけれど、できたら吊るしてドライフラワーにしたほうがいいと岡本さんはおっしゃいます。
岡本さん:
「生花のまま、ドライにしていくと頭や葉がくたんと下を向いてしまうんですよ。
もし花瓶にさしたままドライにしたければ、茎が固くて頭と葉もしっかりついている構造の花を選ぶといいですね。そして、しっかり水を吸わせたあとで水をぬいて花瓶にいけましょう」
SCENE 04.
ただ、ただ置いてみる
とっても魅力的だったのは、リビングの一角、木箱のなかに置かれたドライフラワーたちでした。
実をつけたドライフラワーは、1種類ごとに束になって置かれていました。この「ただ、ただ置いてみる」という飾り方は本当に手軽にできる方法ですよ。
次の写真で全体像がわかりますね。同じ花をまとめて、3種類くらい置くと、おしゃれな雰囲気になりますね!
▲ガラスケースの上にも、置いて飾るドライフラワーが。
意外な愉しみ方?「観察」がおすすめ
今回、お家で撮影場所を探していくなかで「これは今どんなドライになるか観察してる」と、岡本さんが “観察” という言葉をよく口にしていることに気づきました。
岡本さん:
「本当にお花オタクというか、仕事でもあるけれど、どうなるのか実験するのが大好きなんです。いまはほら、これを観察中。チューリップの球根をドライにしたらどうなるかと思って!
ドライフラワーとして完成するまで、完成した後、退色の具合や、葉の萎み方、どんな形になってもいとおしく、観察ばかりしています」
▲観察中のチューリップの球根
岡本さんのお宅で、こんなにドライフラワーってすてきなんだ!と発見の連続でした。
わたしにとっては輪ゴムの使い方と麻ひもの結び方が初めての体験で、さっそくユーカリを買って試したんです。こんな小さなことで全然違う、ユーカリがぴしっときれいに束ねられて嬉しくて!やっぱり基本を教わるっていいなと感じました。
ドライフラワーの基本から応用まで、どれか一つでもご自宅で楽しめるものがあったら嬉しいです。
(おわり)
【写真】松元絵里子
もくじ
岡本 典子(花生師)
Tiny N 主宰。花生師(はないけし)。TV・雑誌・広告・展示会・店舗の空間スタイリングなどを手がける。大学では園芸学部に進み、寮生活のなかで花の世界に夢中となり、短大卒業後にイギリスへ留学する。花屋で働きながら、国家技能レベルの資格を取得し、帰国。現在は世田谷にアトリエを構え、撮影やワークショップ、展示や生け込み等の仕事を一人で行う。HP:http://www.tinynflower.com/ インスタグラム:@hanaikeshi
▽岡本さんの著書
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