【朝の過ごしかた】どんな日も元気に「いってらっしゃい!」家族の元気を支える、母の習慣(石木文さん)
編集スタッフ 二本柳
子どもとともに規則正しく。石木文さんの朝時間。
リレー形式でお届けしている連載 「朝の過ごし方」。
前回ご登場いただいた木全俊吾さん、由紀子さんご夫妻からバトンを渡されたのは、陶芸家の石木文 (いしき ふみ) さんです。
結婚を機に生まれ育った福岡県を離れ、夫の実家がある千葉県へ移り住んだ石木さん。
築180~200年の江戸のかおりを残す、土間と木戸のある緑に囲まれたご自宅に暮らしながら作陶にはげんでいます。その愛らしい器の数々は、整理券を配布してもすぐに売り切れてしまうほどの人気ぶりだとか。
「母親になってからは、子どもの成長に合わせて、自分の時間の過ごし方も変わるようになりました」
そう話す石木さんは、小学5年生の長男を育てるお母さん。
現在は 「息子を小学校に送り出す!」 というのが大切なミッションで、そのおかげで規則正しく朝を過ごせているのだとか。
そんな石木さんの朝の時間割や習慣をお聞きしました。
朝の時間割
5:45 起床
6:00 洗濯機のスイッチをつけて朝ごはんとお弁当の支度
6:40 家族で朝ごはん
7:10 夫と息子を送り出し、土間を掃く
7:20 朝ごはんの片付け
7:40 洗濯物を干す
7:50 ウサギのお世話
8:00 部屋の掃除
8:30 コーヒーかお茶で一息
9:00 仕事開始
06:00
冷凍した鮭を常備。10分の早業弁当づくり
石木さん:
「夫のお弁当を用意するのと一緒に、毎朝、自分の分も作るのが習慣です。
朝起きて、まずは洗濯機のスイッチをON。そのあと朝食の準備と同時進行で、お弁当に取りかかります。
塩鮭はほぼ毎日いれるので、小さく切ってラップに包んで冷凍したものを常備。寝ぼけたまま一番に焼いています」
石木さん:
「その他は、ほとんど夕食の余りを詰めるだけ。夜の献立は、お弁当を作ることを前提に考えます。
この時期はお鍋が多いので、お肉や野菜をお弁当用に少し残して1、2品こしらえておく…… というような具合ですね。
毎日のことなので10〜15分で作る早業弁当ですが、『よし!できた!』 という達成感や、お弁当を詰める楽しみもあるから、こうして続けられているのかもしれません。
それにお昼に食べるお弁当って、残り物でもとびきり美味しく感じられるんです」
06:40
お米が主役の朝ごはん
この日の食卓は、ご両親が自宅で作っているという石木米 (七分つき) とお味噌汁、お漬け物、温泉卵、そして茶畑で育った石木茶が並びました。
平日はいつも、このメニューが基本。卵料理とお味噌汁の具材を変えることでバラエティを出すのだとか。
石木さん:
「お米は毎朝4合炊いて、朝ごはんとお弁当に。炊きたてを曲げわっぱに入れると、冷めても十分においしいです。
七分づきのものに、五穀米や赤米を混ぜることもあります。
お漬物は畑でとれた白菜の半分を自分で塩漬けに。採れたてはとっても甘いんです」
▲おすすめの松山あげ。お漬物は道の駅でまとめ買いしているそう。
石木さん:
「お味噌汁は昆布と鰹だし (鰹節は夫が削っています) で。味噌は、石木米を使って麹屋さんで作ってもらったものと、福岡の食べなれた米長商店の甘い麦みそを常備しています。
具材の油揚げは、愛媛の 『松山あげ』 をたっぷり入れるのが好きです。おすすめですよ!
卵は毎日同じだと飽きてしまうので、今日のように温泉卵だったり、家族のリクエストでベーコンエッグやスクランブルエッグなど、いろいろです」
07:10
どんな日も、元気よく「いってらっしゃい!」
石木さん:
「今日1日、家族が元気に頑張れるように…… と、どんな日でも見送りは元気よく。
『気をつけていってらっしゃい!』 と笑顔で送り出します。
子どもが機嫌悪く家を出た日や、私が怒りながら送り出してしまった日は、やっぱり後悔するし1日心配してしまう。
早起きが苦手でバタバタと慌ただしい朝ですが、なるべく見送りだけは、と心がけているんです」
家族の元気を支える、母の小さな心がけ。
▲こちらの器は「花咲く森」という愛らしい名前。
一目見るだけで、優しい母の表情が浮かんできそうな柔らかな作風。
その作り主である石木文さんもまた、家族の元気を支える、おおらかな女性でした。
「私が朝から元気であれば、夫や息子も1日を楽しくスタートできるんじゃないかと思って」 そう話す石木さん。
妻だって、母だって、機嫌のいい朝もあれば悪い朝もある。それでも食事と見送りだけは、気持ちよく。
そんな石木さんの心がけから、大好きな家族に向けた愛情が伝わってきました。
さて、次回石木さんからバトンを受け取るのはどんな方でしょうか? どうぞお楽しみに!
(つづく)
こちらの特集も合わせてご覧ください。
【写真】石木文
石木文
陶芸家。結婚を機に移り住んだ、千葉県の自宅で作陶にはげむ。やわらかくのびやかな土に手を触れながら形を作り、窯に入れて焼く。その工程は、土に種をまいた種が花を咲かせ、実になる過程のようでもあると語る。使いやすい器、というよりも、喜怒哀楽の日々のものがたりに寄り添うものを目指しているそう。今年は4月に福岡県で個展を、6月は千葉県で開催されるにわのわ、夏にも千葉県で個展を予定している。http://ishikifumi.com/
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