雨に、恋して

2017年6月15日(木)

【雨に恋して】第2話:あなたはどれが好きですか?愛しい雨の名前たち。

編集スタッフ 齋藤 編集スタッフ 齋藤

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先週、雨が降ったのは覚えている。でも「それはどんな雨だった?」と聞かれたら、わたしはたぶん、こたえることができません。

自然は好きなはずなのに、忙しい毎日で気づけば日々は過ぎ去って、どれもこれも同じに見えてしまう。

でもむかしの日本人たちは、どうやら雨の違いを文化にまでしてしまったらしいのです。

 

きのうの雨と今日の雨は、どう違う?

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みなさんも「夕立」や「霧雨」なら聞いたことがあるのではないでしょうか。でも例えば「万物生(ばんぶつしょう)」や「七夕流し(たなばたながし)」なんていうものはご存知ですか?

聞くと、雨には400以上もの名前が存在するのだとか。

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第1話に引き続き、今回も「雨の名前」(小学館)の著者である詩人の高橋順子(たかはしじゅんこ)さんにお話を伺いました。

高橋さん:
「雨の名前は歳時記に載っているものの他、漢和辞典や方言事典なども調べて集めました」

気にも留めずすれ違っていた誰かのことも、名前を知った途端に親しい気持ちが芽生えるもの。雨も名前を知るだけで、あなたにとって特別なものになるかもしれません。

日常の見方が変わり、何気ない毎日をきっと潤してくれる雨の名前たち。

今回はわたしが思わずときめいたものをいくつかのテーマに分け、6つご紹介します。

 


あなたが好きな雨は、どれですか?


 

情景にうっとり。花に降る雨たち。

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いよいよ桜が満開になり、お花見をしようとそわそわしていたら雨が降ってしまった、なんて経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。このふたつは、そんな花が咲いた頃に降る雨の名前。

花時の雨(はなどきのあめ)
咲きそろった桜の花に降りかかる無常の雨のこと。

山茶花ちらし(さざんかちらし)
厳冬、白や淡紅色に咲く山茶花の花に降りかかり、散らしてしまう無常の雨。

雨が降ったら宴会はもちろんできません。でも雨粒をまとい輝く木々も、地面を染め上げる繊細な花びらも、それはそれで尊く美しい情景。わたしたちの暮らしにまた違った楽しみをくれるように思います。

 

一体どんな?動物の名前が入った雨。

02

晴れているのに雨が降る「狐雨(きつねあめ)」なんかは有名ですが、実はまだまだ動物の名前が入った雨があるんです。中でもわたしがご紹介したいなと思ったのがこのふたつ。

蛙目隠(かえるめかくし)
新潟県東蒲原郡(ひがしかんばらぐん)に伝わる言葉。春になって農作業がはじまるころに降る雨。

猫毛雨(ねこんけあめ)
こまやかな雨を猫のやわらかな毛にたとえたもの。

カエルとネコだなんて、まるで絵本の中のよう。とてもチャーミングです。猫の毛のようなかわいらしい雨だったら、濡れても「ま、いいか」と思えるかもしれません。

 

思わずときめく、愛らしい雨の名前。

03

雄々しく固い印象のものも多い雨の名前。ですがその中から思わず女心にキュンときたものを選んでみました。

しぽしぽ雨
新潟県で、しっとり降る雨。佐渡には「しょぼしょぼ雨」、群馬県吾妻郡(あがつまぐん)には「しぶしぶ雨」という表現がある。

甘雨(かんう)
草木にやわらかく降りそそぐ、けむるような春の雨。農家の穀物や野の草花に頃よくそそぎ、その成長を助ける。

雨は湿気もありジメジメしたイメージでしたが、植物にとっては甘やかな存在のようです。女性にとっての「シュークリーム」のようなものかしらと、なんだか愛らしく感じました。

 

わたしたちの心も語る、雨という存在。

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雨の名前ではありませんが、本には「雨」がつく表現として「涙の雨」なんてものも紹介されています。これは雨のように流れる涙のこと。

現代詩でも俳句でも短歌でも、自分の心情を雨にたとえた様々な表現が見つかります。それほど雨というものは、わたしたちの心に深く染み入る存在でもあるのかもしれません。

 

最終話となる3話目では、雨の音の表現に焦点を当てました。ぱっと思い浮かぶのは例えば「ぽたぽた」「しとしと」「ザーザー」など。

でも雨の音の表現は、聞いた人の主観によって無限にひろがっていくものです。詩人はそれらを、一体どのように言葉に置き換えたのでしょう。

ぜひ次回もお楽しみに。

(つづく)

【写真】岩田貴樹(2,3枚目)、クラシコム(1,4〜7枚目)


 

もくじ

 

第1話(6月14日)
日本人の中に生きつづける、美しき雨の世界。

第2話(6月15日)
あなたはどれが好きですか?愛しい雨の名前たち。

第3話(6月16日)
暮らしがちょっぴり楽しくなる。詩の中の雨の音。

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高橋順子

詩人。出版社勤務を経て、法政大学日本文学科非常勤講師も務める。詩集『幸福な葉っぱ』(現代詩花椿賞受賞・書肆山田)『時の雨』(読売文学賞受賞・青土社)『貧乏な椅子』(丸山豊記念現代詩賞・花神社)『川から来た人』(ふらんす堂)、エッセイ集『博奕好き』(新潮社)『けったいな連れ合い』(PHP研究所)、評論『連句のたのしみ』(新潮社)など。夫は小説家・故車谷長吉。

▽高橋さんの書籍はこちらから

【出典】
・『雨の名前』著者:高橋順子


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