【アイロン上手になりたくて】第3話:素材別の “あるある” なお悩みを解決!
編集スタッフ 寿山
知っているようで知らないアイロンがけのコツや知識を教わる今回の特集。
第2話では、白シャツのアイロンがけについて、適切な手順やコツを教わりました。
最終回となる第3話では、スタッフが抱える素材別の “あるある” な悩みを、洗濯家の中村祐一さんに相談して、その解決方法を教わります!
スタッフ4名のアイロンにまつわる
“あるある” 悩みを解決してもらいます!
社内でアイロンの悩みをヒアリングしたところ、共通していたのが、コットンやリネン、化繊など、素材別のアイロン術や、ギャザーやプリーツなど、細かい部分のアイロン方法がわからないという悩み。
わからないまま、自己流でアイロンをかけているというスタッフがほとんどでした。
そんなスタッフたちの私物を集めて、中村さんに素材別、パーツごとのアイロン術を実演してもらいます。
コットンのブラウス
(パフスリーブ、ギャザーあり)
最近流行りのドロップショルダーのブラウスを購入したものの、ふわっと広がったパフスリーブや、襟や袖まわりのギャザーに、どうやってアイロンがけしたらいいのか悩んでいるスタッフ田中。
さっそくパフスリーブとギャザーのアイロンがけについて、詳しく教わります。
パフスリーブのアイロンがけ
[1] コットンはとてもシワになりやすい素材なので、まずは霧吹きする。
[2] 平らにできる面を探して手でならす。
[3] ここがポイント!袖山に線がつかないように、アイロン台から少し落とす。
[4] スチームを使ってアイロンをかける。
ギャザーのアイロンがけ
[1] [2] 袖口のギャザーは、ヒダの間にアイロンの先端を差し入れるように、上下に動かす。アイロンを横に動かすとギャザーが潰れるので注意。
[3] ある程度シワを伸ばしたら、カフスを揃える(カフスを揃えるとギャザーも揃う)。
[4] 揃えたカフスと袖口のギャザーを、アイロンでプレスして仕上げる。
リネンのワンピース(色が濃い)
リネン好きとしては多少のシワ感は残しつつ、アイロンをかけたいと思っているわたくし寿山。
色が濃いリネンにアイロンをかけるとテカるのではという不安もあり、いつも洗いざらしでシワシワのまま着ています。そのためカジュアルなシーンでしか着ることができないのが悩みです。
色が濃いリネンのアイロンがけ
[1] まずテカる生地かどうか、目立たない部分にアイロンを当てて確認する。光沢が出たり、白い線がつく場合はあて布を。
[2] ここがポイント!リネンの味となるシワ感を残すには、スチームを出しながら、アイロンを軽く浮かせるようにして、服の上を滑らせる。
[3] 肩わまりは、アイロンミトンもしくは丸めたタオルを入れて、軽く触れる程度にアイロンを当て、スチームで蒸らしながら形を整えると立体的に仕上がる。
[4] 紐やリボンもアイロンがけすると、よりきちんとした印象に。
化繊のワイドパンツ
(センタープリーツあり)
洗濯では取れない座りジワや無数の小ジワが気になるものの、化繊だからアイロンしたら生地が痛むのでは?との不安から、アイロンしていないと話すスタッフ岡本。
アイロンをかけないまま着ていたら、センタープリーツが消えかかってきたので、よみがえらせたいそう。
センタープリーツのアイロンがけ
[1][2] まずは目立つウエストまわりから。とくに美しく仕上げたいセンタータック部分は、つまんでヒダを整えたら、アイロンミトンもしくは丸めたタオルを中に入れて、上からなでるようにアイロンする。
[3]パンツを裏返して、両脇の縫い代を割って広げ、アイロンをかける(こうすることで着用時のシルエットがきれいになる)
[4] また表に返して、パンツ全体を中心から外側へ(青矢印を参照)流すようにアイロンする。
※化繊アイテムの注意事項
・繊維の種類によってアイロンの温度が異なるので、洗濯表示で確認する。
・アイロンの熱でテカる生地もあるので、目立たない部分で確認し、光沢が出たり、白い線がつく生地はあて布をする。
厚手のトートバッグ
おもに旅行バッグとして使っていたトートバッグは、道端や駅のホームにも気にせず置いてしまうので、汚れや黒ずみが気になって洗濯したそう。
洗ったとたんにヨレっとして、シワがたくさんついてしまったと話すスタッフ竹内。アイロンをかけたくても、どうすればいいのかわからないそう。
厚手のトートバッグのアイロンがけ
[1] 厚手の生地についた頑固なシワを、霧吹きでしっかり湿らせる。
[2] さらにスチームでも湿らせたあとに、持ち手を引っ張ると生地がほぐれてシワが伸びやすくなる。
[3] 先に持ち手とショルダーストラップをアイロンがけする。
[4]アイロン台に履かせて、スチームを出しながらシワをほぐし、アイロンの熱で水分を飛ばしながら、シワを伸ばし固める。
あんなに悩んでいたのに、方法を知ったら簡単な気がするもの
▲スタッフたちの悩みを次々と解決する中村さんの手元から、目が離せませんでした
プロの方法を実演してもらっただけで、すっかり自分もできるような気がしてくるから不思議なもの。
中村さんと同レベルには仕上がらなくても、教わったことを実行するだけで、着古した服が美しくよみがえる気がしました。
最後に、シワがつきにくい洗濯のコツがあるか伺ってみました。
中村さん:
「シワが気になるアイテムは、脱水時間を短くすることです。夏場は1分ほどの脱水でも、脱水なしでも十分に乾きます。
それから洗濯物を干すとき、1〜2回だけ振りさばくのでなく、20回ほど振りさばくとシワが伸びますよ。
全部やると大変なので、とくにシワをつけたくないアイテムだけ、試しにやってみてください」
どうすればアイロンがけが、面倒くさくなくなる?
毎日家族4人分の洗濯物にアイロンがけをしている中村さん。正直なところ、アイロンを面倒くさいなと感じる日もあるそう。
それでも、家族にシワシワの服を着て欲しくないからアイロンをかけるのだとか。どうやったら毎日続けられるのでしょうか?
中村さん:
「習慣にしてしまうと、逆にラクなんです。食事や入浴、歯磨きと同じように、毎日のルーティンに組み込むんです。
そうすれば『今日はやるぞ』という意気込みは必要ありません。意志の力だけで、続けることは難しいですから。
毎日お風呂に入るように、アイロンをかける。信じられないかもしれませんが、その方が週末にまとめてやるより、きっとラクに続けられると思います」
そんな中村さんの話を聞いて、私にも思い当たる節がありました。
私は夫と二人で暮らしていたとき、平日に洗濯するのは週2〜3回で、週末にまとめてやっていました。
その後子どもを産んで、毎日洗濯せざるをえない状況になり、今では朝に洗濯機を回すのが習慣になっています。
何も考えず、意気込むこともなく、朝メイクするのと同じように洗濯機のスイッチを押すように。中村さんの言うように、ルーティンに組み込んだら、不思議と億劫ではなくなったのです。
アイロンも同じようにルーティンにできたら、週末の家事がもっとラクになるかな?
トライしてみようと思います。
余談ですが、部屋干しの話
インタビュー中に、中村さんの洗濯事情についてお話ししていたら、なんと中村家では1年を通して浴室を使った「部屋干し」をしているそうです。
その理由を聞いたところ、天候に左右されることなく、毎日確実に洗濯物が乾くからなのだとか。それに花粉や排気ガスも気にせず干せるからといいます。
よほど広い浴室かと思いきや、賃貸マンションの1畳ほどのユニットバスに、突っ張り棒を2本渡して、4人分の洗濯物を干しているとそう。窓も開けず、換気扇を回すだけ。梅雨や寒い季節は、サーキュレーターで風を当てると教えてくれました。
それにしても、浴室干しで洗濯物が乾くとは驚きでした!
(おわり)
【写真】木村文平
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