【パン屋のまかない】第2話:スタッフが、客席でお昼をとるわけは?(うぐいすと穀雨)

編集スタッフ 奥村 編集スタッフ 奥村

あのパン屋さんの「まかない」を、のぞいてみたい。

いつ行っても、おいしいパンが揃い、気持ちのよいサービスがある。

そんな居心地がいいパン屋さんの秘訣は、スタッフさんの日々のごはんにあるのでは?

この連載では、わたし奥村が、気になるパン屋さんのふだんの「まかない」現場におじゃまします。

 

静かな時間が流れる、「うぐいすと穀雨」

今回訪れたのは、東京・雑司が谷にある「うぐいすと穀雨(こくう)」。独特の店名から「パン屋さんなの?」と思われた方もいるかもしれません。

「うぐいす」は、春の到来を告げるといわれる鳥。「穀雨」は、旧暦で、春から夏へ移り変わる頃を表す言葉。

四季の移ろいとともに変わってゆく1日1日を大切にしながら、パンを焼きたい、という思いをこめて、店主の鈴木菜々(すずき なな)さんが名付けました。

お店に並ぶのは、懐かしさを感じさせる佇まいの、あんパンやコーンのパン。それから、ちょっぴり特別感のある、キッシュやシナモンロールも。

どれも大きすぎない手のひらサイズだから、女性にも食べやすくて、2つ、3つと選びたくなります。

内装やパンの佇まい、隅々にまで、女性にやさしい工夫を感じるお店。今回は、ここのまかないにおじゃましました。

 

今日のまかない、見せてください!

お店の営業は週4日。日替わりで1人ずつ、全4名のスタッフさんと一緒にお店を切り盛りしている鈴木さん。

まかないはいつも、営業の合間に、その日出勤しているスタッフさんへふるまうのだとか。

今日のまかないは、パンとの相性ばつぐんの「ラタトゥイユ」。実はこのメニュー、まかないにぴったりの理由があるんです。

鈴木さん:
「お店にはイートインスペースがあるので、パンに合う料理やドリンクもお出ししています。

でも、厨房にあるのは2口のコンロ。忙しい時には、火の元が足りなくなってしまいがちで……ラタトゥイユなら、パン用のオーブンで仕込みができるから便利なんです」

パプリカやナス、玉ねぎなど旬の野菜をオーブンに入れ、じっくりとロースト。他の作業の合間に準備ができるうえ、野菜の甘みが引き出されて、一石二鳥なのだとか。

普段は、お店で提供しているキャロットラペやサラダを、まかないとしてふるまうことが多いという鈴木さん。

このラタトゥイユは、ケータリングなどのイベント時だけに提供する、いわば裏メニュー。ちょっぴり特別なまかないなのだそうです。

 

パンは温め直し、盛り付けにも気配りを。「まかない」にも手をかけて

▲スタッフさんのお気に入りは、ハーブ入りのフランスパンに、たっぷりのせて頬張ること

お店の忙しさには、波があります。静かな時間が流れていると思えば、次々にお客さまが訪れ、あっという間に満席になることも。

だから、落ち着いたタイミングを見計らってささっとまかないを食べるのが、スタッフさんのいつもの昼食風景です。

ラタトゥイユは、付け合わせにグリーンサラダを添えて。まかないに合わせるパンは、厨房のトースターで温め直し、焼きたての味に近づけるそう。

忙しい合間のお昼でも、ちゃんとおいしく食べてもらいたい。

ともに働くスタッフのために。盛り付けの器選びから手をかけて、まかないを準備する鈴木さんの姿が印象的でした。

 

お客さまと、同じ目線になる時間

お店のスタッフさんはみな、食べるのが大好き。何でも「おいしい」と言って食べてくれるので、作りがいがあると言います。

でも、まかないを出す背景には、もうひとつの大事なわけがありました。

鈴木さん:
「お店が落ち着いている時には、スタッフに、空いている好きな席に座ってまかないを食べてもらっています。

『ここに座るとどんな気分になるかな?』とお客さまの気持ちを想像しながら食事をするのは、とっても大事な機会だと思うんです」

カウンターや、二人掛けのテーブル席。陽の光が差し込む窓際と、ちょうど厨房が見える向きの席。

それぞれの位置で感じる居心地は違うはずだから。お客さまと同じ目線にならなければキャッチできないような、ささやかな感覚に気づくためにも、まかないの時間は大切なものになっているようです。

 

まかない現場におじゃまして

取材中にも、1人、また1人と、お店を訪れる女性客の姿が。

壁際のカウンターに腰掛けて本を読んだり、コーヒーを飲みながら物思いにふけったり、思い思いの時間を過ごされていました。

1人でも行きやすいお店。それは、気のおけない開放感があって、かといって放っておかれているわけでもない、店主さんのちょうど良い気遣いがあるから叶うものなのだと思います。

▲お店の看板商品でもある食パンは、日々飽きずに食べられるようにとの思いから「まいにち」という名に

1人きりでお店を立ち上げた鈴木さん。だからこそ、お客さまや一緒に働くスタッフ、周囲への感謝を忘れずに。

そんな鈴木さんの気遣いは、自然とお店の隅々にまで、行き届いているように感じました。

また、ふらりと立ち寄りたくなるお店。ここはきっと、たくさんの人の拠り所になっているのでしょう。

(つづく)

 

うぐいすと穀雨
住所:東京都豊島区雑司が谷3-8-1 木村ビル2F
TEL:03-3982-9223
定休日:月火水
営業時間:(木〜土)11:00~18:00(L.O.17:00)/(日)11:00~16:00(L.O.15:00)

【写真】平本泰淳


もくじ

第1話(9月11日)
毎日頑張るスタッフへ、「ありがとう」の気持ちを込めて(チクテベーカリー)

第2話(9月27日)
スタッフが、客席でお昼をとるわけは?(うぐいすと穀雨)

第3話(10月2日)
パン作りと同様に、緊張感をもって向き合う食事(イトキト)

第4話(10月30日)
おいしいものへの好奇心で、尽きないレシピ(ヨシダベーカリー)

第5話(1月26日)
今日も楽しく働けるように。スタッフの気持ちを繋ぐごはん(マツパン)

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