【BRAND NOTE】コンビニから消えて気が付いた、当たり前の裏側。そこには、みんなの熱い想いがありました。
編集スタッフ 齋藤
「当たり前」だったものがなくなってから、はじめて「当たり前」ではなかったと気づく。
よくある話のはずなのに、それでもやっぱり、そのことを忘れてしまっている自分がいました。
それは2017年の春のこと。
「じゃがいも不足でポテトチップスが販売停止」そんな見出しが新聞やニュースに並んだのです。
あって当たり前、でも本当にそう?
北海道に台風が直撃したことで起こったじゃがいも不足。このニュースが記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。
そしてこの出来事を通して、改めてあることに気がついたのです。ポテトチップスはカンタンに手に入る、そう思っていたけれど、元はじゃがいも。天候など自然の事情で作れなくなってしまうのだと。
今までは常にたくさん作られているものだからか、機械的で効率重視なイメージが先行し、自然ならではの揺らぎや人の手の温もりの欠けた印象を抱いていました。
でもその裏側は、本当にイメージ通りなのでしょうか。
そんな疑問を胸に、今回のBRAND NOTEではカルビーのポテトチップスを作る、じゃがいも農家と工場のみなさんに会いに行きました。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
向かったのは、北海道の美瑛。じゃがいも農家を訪ねました。
まずわたしたちが向かったのは、北海道の美瑛町(びえいちょう)。農場に向かう道すがら、タクシーの中でこんな話を聞けました。「ここの風景は農家が作ったものなんだ。住民の約6割が農業をしているから。いまの季節は一面のじゃがいもの花がきれいだよ」と。
美瑛は起伏のある独特な地形。そこに青々とあざやかな葉を茂らせひろがるじゃがいも畑は、心を解放してくれる、雄大な美しさにあふれていました。
▲写真左・農家の佐藤さん、写真右・取材に伺ったわたし齋藤
そしてその美しい風景を作り出している畑のひとつが、カルビーのグループ会社であるカルビーポテトと協力してじゃがいもを作っている、農家の佐藤さんのもの。
カルビーポテトでは「契約農家」という仕組みで、農家と二人三脚でじゃがいも作りをしているんです。
暑さにだって負けない、じゃがいもの秘密。
わたしたちが北海道を訪れたのは、7月のおわり。着いた日の最高気温は約30度もあり、「よりによってどうしてこんな暑い日に来たの〜」と笑われてしまうほど、真夏日と呼ばれるときでした。
けれど図らずもこの気温だからこそ、「良いじゃがいも」がどういうものなのかがわかったのです。
話を聞くと、健康ではないじゃがいもは気温や天候の変化に対応できず、すぐにしおれてしまうといいます。
けれど佐藤さんの農場のじゃがいもは、猛暑にもかかわらずどれもこれもピンっとしっかりと茎を伸ばし、瑞々しいまま。
「どうしてこんなに元気なままでいられるんですか?」というわたしの疑問に、佐藤さんはこう答えました。
佐藤さん:
「それは、土が良いからだと思います。例え天候不順や病気があっても、土づくりをしっかりやっていれば、いざというときに土が助けてくれるんです」
じゃがいもが、良い土作りのために必要?
良い土がおいしいじゃがいもを作る、そのことは農業をあまり知らないわたしでもすんなりわかることでした。
でも佐藤さんの話では、じゃがいもが、良い土を作るために一役買っているといいます。
佐藤さん:
「僕たち畑作農家は、秋にまく小麦をメインに、植える作物の順番を考えていきます。
ポテトチップスに適したじゃがいも『アンドーバー』は、9月の頭に収穫するじゃがいも。なのでそのあとにすぐ小麦をまけるので、タイミングがいいんです。
こうして多様な種類を毎年順番に作付けしていく方法を『輪作(りんさく)』といいます」
佐藤さん:
「そしてこの輪作をすることで、土壌が整うんです。その理由のひとつは土壌のpH値(ペーハー値)。これは酸性やアルカリ性などの度合いを示す単位です。
作物の種類によって、適切なpH値が異なります。例えば小麦は高い方が良いけれど、じゃがいもは低い方がいい。
小麦、次は豆などと順番に育てていくと、自然とpH値が下がっていき、最後に植えるじゃがいもにとって良い土壌が整うんです。そしてじゃがいもを育てることで、今度はpH値が高くなり、じゃがいもの次に植える小麦にとって良い状態の土になる」
佐藤さん:
「どんなに技術が発展して優れた農薬ができたとしても、輪作に勝るものはないと思います。
土の中には『土壌菌(どじょうきん)』という微生物がたくさんいるんです。それがときに、病気の原因になることも。でも、農薬ではその『土壌菌』には対抗できません。
輪作をすることで『土壌菌』を緩和し、作物を守ることができるんです」
どんなに良い機械ができても、やっぱり人の手がないと。
カルビーポテトとともにじゃがいもを作り始めたのは、佐藤さんのお父さんである清一(せいいち)さん。この美瑛の地で、ずっと農家を続けてきました。
長年さまざまな農業の機械化を目の当たりにしてきたけれど、それでもやっぱり人の手がないと、と語ります。
▲じゃがいもの収穫時期は、親戚や助っ人の方も集まるそうです。
清一さん:
「むかしは手でじゃがいもを掘っていましたが、いまは機械。でも機械で掘るようになっても、収穫の時期は家族総出です」
▲わたしも収穫機の上に乗せていただきました!
清一さん:
「傷や打撲、青いものがないかなど見分けるのは人の手を使わないとできません。収穫機の上に4人か5人乗って、収穫したてのじゃがいもを一つひとつ確認するんです」
ベルトコンベアの上をどんどんと流れていくじゃがいも。「どれが良いもの?」なんて悩んでいる時間はありません。そのため一見単純なようですが、熟練の方しかできない仕事だそう。
わたしが訪れた日も、農業に携わってもう40年以上だという清一さんの奥さんや親戚の方が選別をしていました。
収穫が数日ずれただけで、じゃがいもの質や、次に育てる作物を植える時期にも影響しかねません。そのため、作業を日没以降も続けるような時もあるそう。
どれもこれも「ポテトチップスにしたときのおいしい見た目と味」を作るために、大切なことだといいます。
毎年同じということは、絶対にない。
佐藤さん:
「去年なんて4回も台風がきているし、集中豪雨もある。常に新しいことが起きるので、毎年同じ、ということは絶対にないです。
でもそれは仕方のないこと。
僕は大切なのは何時に何をするかではなく、作物に合わせて自分が動くことだと思っているんです。例えみんなが寝ている時間だとしても、作物に必要なら動きます」
ポテトチップスはいつでも手頃な値段で手に入る。どこでも売っている。
そう思っていたわたしには「案外、馬鈴薯ってね、たいへんなんだよ」という清一さんの言葉が、心に深く、沁みました。
「おいしい」は、やっぱり人にしか作れない。
つづく第2話でわたしたちが向かったのは、カルビーの工場。今度はじゃがいも収穫後の、調理の過程について追いました。
取材に行くまでは「じゃがいもをスライスして揚げるだけ、そこにこだわりなんてあるの?」と、いまいちピンときていなかったのが正直なところ。
けれど工場内で働くみなさんに会ってみると、一人ひとりが「カルビーのポテトチップスのおいしさ」について考え、真摯に向き合っている姿があったのです。
(つづく)
【information】
美瑛産じゃがいもを100%使用!新しいポテトチップスができました。
今回取材で伺った北海道美瑛町のじゃがいもだけを使った、ポテトチップスができました。その名も「ザ・ポテト」。
朝と夜の寒暖差が大きい美瑛で育ったじゃがいもは、甘みが強くおいしいのだそう。素材から製法までとことんこだわったポテトチップス。ぜひ店頭で見つけた際は、試してみてくださいね。(ザ・ポテトの詳細についてはこちら>>)
※北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島・新潟・長野・
▼ カルビーポテトチップスのこだわりは、こちらからご覧いただけます。
【写真】岩田貴樹
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