【すっぴんコンディション】第2話:睡眠中もスイッチオンのままかも。ちゃんと休めるカラダを作る呼吸法

編集スタッフ 岡本

「ふだん通り」がしんどい、そんなとき。

揺らぎ知らずの自分を思い描いてはほど遠く感じて、さらにげんなりしてしまうことがあります。

バタバタな春からひと段落したこの時期。取り繕うことやごまかすことで乗り切るのではなく、“すっぴん” の自分を好きになる第一歩として、「素の状態」を整える習慣をお届けしているこちらの特集。

お話を伺うのは、モデルやエクササイズ講師として活躍する、tara(たら)さんです。

第2話では、「呼吸とカラダのふかい関係」について。呼吸なんて無意識でできちゃうけれど、その無意識こそが奥深いのだとか。

tara さんいわく、「ちゃんと座る、立つ、そして休む」のすべてに関係しているそうです。 1 日の過ごし方が変わるかもしれない、かんたん呼吸法もご紹介しますよ。

 

体の不調、もしかしたら呼吸でラクになるのかも。

体を整える方法として、呼吸について考えたことがなかったのが正直なところ。

目に見えやすい運動や食事の見直しの方が効果がありそうと思いがちですが、私たちの暮らしとどう関わっているのでしょうか。

taraさん:
「呼吸には、胸呼吸と腹式呼吸のふたつがあって、リラックスした状態のときに好ましいのは腹式呼吸と言われています。

でもストレスがかかったり、疲れすぎていると、そのふたつの呼吸がうまく切り替わらず、やる気スイッチがオンの胸呼吸のまま眠っている場合も。

忙しい現代人に増えているんだそうです。そんな日が続いてしまうと、ふんばりたいときに、ふんばれない。

ちゃんと休めるカラダでいることは、元気でいたい場面を支えてくれると思います」

生まれた瞬間、おぎゃーと「息を吐き」、最期は「息を引き取る」と表現するように、人の一生は呼吸に始まり、呼吸に終わるととらえる人もいるそう。

体が心地よいと感じる呼吸の仕方に意識を配ってみると、感じていた不調が和らぐかもしれません。

 

でも……腹式呼吸ってどうやるの?

でも腹式呼吸って、じっさいどういう状態のことを指すのか、いまいち分かりません。

お腹が膨らんでいれば腹式呼吸なのでしょうか。

taraさん:
「文字から連想するとお腹に空気を入れるような気がしますが、あくまで空気が入るのは肺です。

じっさいは、息を吸うための筋肉である横隔膜が上下することで内臓が押されて、お腹が膨らんだように見えるだけ。

吸ったときに横隔膜が下がってお腹が出る、吐くと横隔膜が上がり内臓が元の位置に戻るので、お腹が引っ込む、の繰り返しです。

座った状態で壁に背中をつけて試すと、できているかどうかわかりやすいと思います」

\腹式呼吸のポイント/
・おへその少し下あたりを意識
・風船が入っているイメージで
・吸う=お腹が膨らむ、吐く=お腹がへこむ

テレビや雑誌で見かけると、その場では真似してみるけれど、なかなか習慣として根付きにくいもの。せめて眠るときだけでも腹式呼吸に切り替えたいと相談すると、ぴったりな方法を教えてくれました。

taraさん:
「ベッドに入る前に5分だけ、平らな場所に寝ころんで腹式呼吸をしてみてください。

腹式呼吸でいると、リラックス状態の合図である副交感神経が優位に立ちます。体がゆるんで、すうーっと眠りに入れますよ。

ベッドの中でもいいけれど、ふかふかしていると体が曲がってしまうので、背中がまっすぐになっているかチェックしてみてくださいね」

 

「ちゃんと立つ、ちゃんと座る」って、実はむずかしい。

さらにtaraさんはすっきり目覚めるために、呼吸と姿勢を整えるかんたん運動を毎朝続けているそうです。へとへとに疲れた翌日でも、この数分を終える頃にはふだんの自分を取り戻しているのだとか。

taraさん:
「呼吸とセットで整えたいのが、姿勢です。このふたつはリンクしているので、整った呼吸は正しい姿勢を助けてくれます。

もし体のどこにも変な力が入らず、負荷がかからない立ち方、座り方ができていたら、明確な原因のない腰痛や肩こりは起こらないはずなんですよね。

でもちゃんと立つことも座ることも、無意識だとむずかしくて。

まずは意識する時間を作ることが大事かなと思います」

\姿勢がよくなる、すきま時間エクササイズ/
1:足を軽く開いて座る
2:お尻の骨2点(座骨)が椅子に当たる位置を見つける ※猫背だったり反り腰だと骨が当たらないので注意
3:背骨が一本の棒になったようなイメージですっと背を伸ばす

 

4:息を吐きながら前に倒す(背中が曲がらないように)

5:息を吸いながら右後ろに向かって円を描く
6:八の字を描くイメージで元の位置に戻る。再度、息を吐きながら前へ倒す

7:今度は息を吸いながら左後ろに向かって円を描く
8:1〜7の繰り返しを、3分ほど続ける

 

速度は心地よいスピードで、もう少し続けたいと思ったときは長めに行うなど、むりをしないのがポイント。

「フィギュアエイト」というこの運動を続けると、自分の中心軸が見つかり、正しい立ち方・座り方が体に根付くのだそうです。

円を描く動きがサポートしてくれるおかげで自然と腹式呼吸に。姿勢と呼吸がいっぺんに整うから一石二鳥ですね。

1日のうちの数分で、“ちゃんと休む準備、むりのない立ち座り” の手助けができるなら、ほど遠いと思っていた揺らぎにくい自分は意外と近くにいるのかもと前向きになれました。

つづく第3話では、揺らぎ知らずの素の自分でいるためにtaraさんが続けている3つの習慣をご紹介します。おたのしみに。

(つづく)

【写真】砂原文
【衣装提供】Sa-Rah


もくじ

  モデル・tara

 東京出身。5歳から始めたバレエのために14歳で単身渡米。クロアチア国立劇場などに所属し世界の舞台で活躍した。帰国後はモデル業のみならず、食事法やエクササイズについて勉強。ヨガ・ダンス。水泳などの動きをひとつにした運動『ジャイロキネシス』のトレーニング指導の資格を持ち、世界文化社のカルチャー教室にて講師を務めている。


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