【お坊さんのお悩み相談室】第6回:最近「将来不安にならない?」とよく聞かれます。このままで大丈夫でしょうか?

家事や子育て、日々の仕事。私たちのくらしには、小さなことから大きなことまで「悩み」がつきものです。
連載「お坊さんに聞く、くらしの悩み相談室」は、日々のモヤモヤを、お坊さんに答えていただく新連載。
クラシコムのオフィスに「くらしのお悩み箱」なるものを設置し、スタッフのくらしの悩みを集めました。
お答えいただくのは、著書『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)なども人気の、浅草・湯島山緑泉寺 僧侶の青江覚峰さん。優しい笑顔が印象的な、3児の父でもあります。


今わたしは30代ひとり暮らしです。最近、友人から「将来不安に思うことはない?」と聞かれることが増えました。今まで悩んだことがなかったのですが、私は能天気すぎるでしょうか?(スタッフK)

さて、世の中には色んな人がいます。
運動が好きな人、芸術活動が好きな人、読書が好きな人、社交的な人、一人で過ごすのを好む人などなど。
例えば運動が好きな人に対して、「今日は一日家にこもって本を読むのがいい!」と押し付けるのは余計なお世話ですし、お互いに心地よくはありません。
ただ、今現在運動が好きな人も、この先本が好きになったり、アートに目覚めたりするきっかけがないとも限らない。
だから「今」「このタイミング」を充実させることが大切です。
質問者さん自身が悩みを感じていないなら、その「今」の気持ちに向き合って、楽しむのが一番です。周りと比べることほど勿体ない時間はありません。
しかし一方で、今の価値観をこの先もずっと変わらないものと思い込んでしまっては、自分にとって大切な変化が起きたときに、それを見過ごしてしまうかもしれないということも忘れたくありません。
何事も、こうと決めつけてしまう、頑なな気持ちは自分の目をくらもせてしまいます。
「諸行無常」というお釈迦様の言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは「世の中は、ずっと同じままで変わらないことなどない」という意味。
大きな岩でも山でも、長い時間をかければ形は変わり、今この瞬間も変わり続けている。ましてや、人の気持ちも変わりやすいということです。
今は将来が怖くない、このままで大丈夫だと思っていても、いずれ心配で心配で仕方ない、となるタイミングがやってこない保証はありません。その時は自分が変わったのだと、この「諸行無常」という言葉を思い出してください。
どうしても困ってしまったら、またいつでも相談してください。それまでは、今この瞬間を大切に、存分に楽しむのが一番だと思いますよ。
青江覚峰

もくじ


僧侶 青江覚峰
浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。
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