【特集|花屋のまかない】第3話:買ったお花と長く付き合おう。
socuka
皆さんはお花をお家に持ち帰った後、そのお花をどうされていますか?
前回、お花屋さんでのお花の選び方についてご紹介しましたが、せっかく楽しく選んで買ったお花・・・出来るだけ長く楽しみたいですよね。
もしかしたら、読者の皆さんのなかにも、お花はとっても好きだし、お家に飾りたいのだけれど、すぐ駄目にしちゃうから抵抗が・・・という方もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんな、お家に持って帰った後の扱いについてご紹介したいと思います。
買ってきた切花、どう扱う?
お花屋さんでお花を買うと、たいていは、切り口に保水の処理をして包んでくれますよね。
プレゼントでもらった場合には、ゼリー状のもので保水されていることが多いし、近所のお店だと、保水はせずに簡単に包むだけの場合もあるかもしれません。
では、ここで皆さんに質問です!
買ったお花が皆さんの手に渡ってからは、どうされてますか?
◎そのままの状態で飾っている。
◎ラッピングだけはずしてお水につける。
◎切り口を切ってお水につける。
いろいろな答えがあると思います。
お水が吸えないと、お花はだんだんしおれてしまいますよね。お花屋さんがしてくれる保水処理は一時的なもの。
なので、お家に持って帰ったらまずは切り口を少しカットしてお水を吸い上げやすくし、土に生えている時となるべく近い状態にしてあげましょう。
土から水分や養分をぐんぐん吸い上げているような・・・そんなイメージにぜひ買ってきたお花の状態をもう一度近づけてあげてほしいのです。
その方法は次のコーナーでご紹介しますよ♪
ぜひ知っておいてほしい、水揚げと水切りのこと。
お花が枯れる原因は、
・保水
・温度
の2つに大きく左右されます。
以前、市場で仕入れた花を水揚げする場面をご紹介しましたが、水揚げとは眠っていたお花にお水を吸わせて目覚めさせるような感覚でしょうか。
お花の種類によって吸い上げ方も様々で、切り口を熱湯につけたり、焼いたりもするのですが、基本的にはハサミで切ってお水につける。
お花屋さんではすでにこの状態で売られていますので、お家に帰ったらその状態をキープすれば良いのです。
ここで、ちょっと理科のお話になってしまうのですが…
お花の茎の中にはお水をめぐらせる管があります。
そこに空気が入ると切り口が塞がり、お水の吸い上げが悪くなってしまいます。
また切り口が空気に触れても、雑菌が入りやすくなって、鮮度を落とす原因になってしまうのです。そこで、「水切り」。
水切りとは、切り口を水につけた状態でカットすることです。こうすれば無駄に空気が入らず、お水が吸い上げやすくなるんです!
下の写真が、その水切りをしているところです。
ここではタライを使っていますが、料理に使うボウルでも、バケツでも、水を張れるものなら何でもOKです!
肝心なのは、茎の部分をお水につけた状態で、お水のなかで茎をカットすること。だから、道具は何でも気軽に使って試してみてください。
とはいえ、「いちいち水を汲んで切るのはちょっと面倒くさい・・・」それもとてもよく分かります。
私も毎回水切り出来ているわけではないので。
これはあくまで最善策。
もちろん普通にカットしても構いません。そのかわり、すぐにお水につけてあげること。そしてカットと水替えをこまめに継続すること。
カットをしても、そのまま放っておくと水がにごり、吸い上げが悪くなります。
ポイントはとにかくマメに!手間をかければその分ちゃんと応えてくれます。
見てください!ある程度の手間をかけてあげたお花はこんなに生き生きとしてくれます。
お花のよい状態をキープするには?
お花は皮膚呼吸のように、葉っぱや花びらでも呼吸をしています。そのため、涼しい環境を好みます。
夏場はどうしてもお花がもたないし、茎もドロっと腐りやすいですよね。
これは雑菌のせいです。少しでも雑菌の繁殖を防ぐため、こまめにお水を替える必要があるのです。
また、腐ってしまった部分からはより雑菌が繁殖しやすいので、水切りをする際に、そこを取り除くようにカットしましょう。
お水は毎日取り替えて茎もカットするのが理想ですが、毎日出来ない場合もありますよね。
そんなときは、延命剤を使うのも1つの手です。これは水の吸い上げを促進するのと、雑菌の繁殖を抑えるためのもの。
お花屋さんで試供品をくれる場合もあるし、市販のものもありますので、機会があればこちらもぜひ試してみてください。
それから、夏場はお水を替えてもすぐに温まってしまうので、氷を入れるのも多少効果があります。
氷は、アレンジなどに足し水をする場合、2~3コ置いておくと勝手に溶けてくれるので便利ですよ。
とにかく切花は、こまめにお水を替えて切り口を新鮮に保ってあげること。
しつこいですが、それさえ出来れば、意外と長く楽しめます♪♪
もしも、枯れてきてしまったらどうする?
どんなにこまめにお世話をしても、残念ながらお花は枯れてしまうときが来ます。
儚いですよね、そこがまた良いのだけれど。
お花は茎が長ければ、それだけ吸い上げる力が必要なので、適度な長さで楽しみましょう!
茎が長い状態で活けていたお花も、短くカットして別のアレンジで飾るのも、また楽しいものです。
そして、茎がちょっと柔らかくくたっとしてしまった場合は、次の方法をぜひ試してみてください。
1.頭を逆さまに(真っ直ぐになるように)して、新聞などで巻きます。(お花の首が垂れないように新聞紙で巻いて固定してあげるようなイメージ)
2.その状態で水切りをして深めのお水に1時間ほどつけておきます。
3.すると、くたっとしてしまったお花もわりと復活しますよ!
でもこれは再度水揚げをしているということなので、繰り返してもいずれは効果がなくなります。これもお花が生き物であることの証拠。
そんな場合は、ドライフラワーにしてしまうとまた別の形で楽しめますよ。
このドライフラワーについては、次回のテーマ、「紫陽花の季節ですね」の中でもふれて行きたいと思いますので、今日のところはこの辺で。
今回の内容、いかがでしたか??
いつもよりちょっぴり固い内容だったところもあるかもしれないのですが、選んだお花と長く付き合うって、とっても楽しいことなので、そのための参考となれば本当に嬉しいなって思いながら書きました。
それではまた来週をどうぞお楽しみに!
もくじ
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