【ポタージュ好きなもので。】第2話:一番好きで、一番おいしい。じゃがいものポタージュ
ライター 片田理恵
旬の野菜のおいしさを存分に味わう
フード&デザインユニット・オカズデザインと一緒に、ポタージュスープの魅力を探っていく全3話の特集です。第1話は『ポタージュをもっと楽しむための支度、いろいろ』と題し、ポタージュの特徴や、あわせるスプーンやボウルについて伺いました。
ここからはいよいよ、オカズデザインのおふたりに習ったレシピをご紹介。第2話では今の季節にぴったり、ホクホクのじゃがいもをたっぷり使った定番中の定番ポタージュをお届けします。寒い日に食べたくなる、心と体に沁み渡るおいしさです。
みんな大好き!
じゃがいものポタージュのレシピ
材料(3~4人前)
じゃがいも…中3個(360g)
長ねぎ…1本
かぶ…1個(120g)
バター…15g
昆布水…500〜600ml
生クリームまたは牛乳(なくてもOK)…少々
白胡椒…少々
※れんこんやカリフラワーを混ぜてもよい
※かぶは茎も使うのでとっておく
※昆布水は昆布5センチ角3枚を冷蔵庫で一晩水出ししたもの
(1)野菜を切る
じゃがいもは皮をむいて半分にし、薄く切って水にさらしてからざるに上げて水気を切ります。かぶは薄切り、長ねぎは緑のところはそのまま、白いところは粗みじん切りに。
知子さん:
「どの野菜を使う場合でも、火が入りやすい薄さ・大きさに切るというのはポタージュ作りの基本です。薄く切るのは火が通りやすいようにするため。水にさらすのはじゃがいもからでんぷん質が出てくっついてしまうのをさらりとはがしつつ、変色を防ぐためです」
(2)野菜を炒めて、煮こむ
鍋を中弱火にかけてバターを溶かし、長ねぎを炒めます。しんなりしたら、かぶ、じゃがいも、昆布をとりのぞいた昆布水を加えて強火にかけ、沸騰したら弱火にして、長ねぎの青いところとかぶの葉茎を入れて静かに煮ましょう。あくが出たらとり、水分が足りなくなったら水を少々足してください。
(3)具とスープに分けて撹拌
じゃがいもがやわらかくなったら、火をとめて粗熱をとり、かぶの葉茎と長ねぎの青いところを取り出し、具とスープに分けます。具をフードプロセッサーに入れてスープで少しずつのばし、なめらかに撹拌します(ハンドブレンダーでも可)。
(4)味をととのえる
鍋に戻して温め、塩小さじ1/2程度(分量外)を慎重に少しずつ加えて味をととのえて、火をとめます。お好みで生クリームや牛乳を少量入れてもOK。
(5)器によそって粗く刻んだ白胡椒をふる
トーストした食パンを添えて食卓へ。セレクトした美しい曲線を描くだえん形のスープボウルは岡田直人さん、空気のように軽やかに手と口になじむスプーンは坂野友紀さんによるもの。じゃがいものポタージュの食卓、完成です。
知子さん:
「白い器×白いポタージュがベーシックな感じでいいかなと思って、セレクトしました。胡椒も白、パンも白の“白い世界”です。やさしい味わいに仕上がったので、レシピに入れた生クリームや牛乳は今回は使いませんでした」
シンプルな料理だからこそ「甘み×うまみ」でおいしくなる
材料と作る手順を伺って、驚いたことがふたつあります。ひとつは長ねぎとかぶを入れること。ベースのじゃがいも以外で野菜を使うとすれば玉ねぎだと思い込んでいたので意外でした。そしてもうひとつは、昆布水を使うことです。洋食のイメージが強いポタージュに和風出汁?と、こちらもびっくりしました。
知子さん:
「うまみと甘みの組み合わせをどう作るかがポイントなんです。玉ねぎや長ねぎ、セロリはうまみが強い野菜なので、私はどれかひとつはかならず入れますね。
じゃがいも、カボチャ、カリフラワー、かぶなどが今の時季の甘み担当。これは複数を合わせてもおいしいです。
使う素材の数=要素が増えると、失敗しないんですよ。特別なことをしなくても勝手においしくなってくれる。じゃがいもと水だけで作ってくださいといわれる方がよほど困ります(笑)。
昆布水を使うのも同じ理由。レイヤーを重ねることで味にうまみと深みが出るからです。ただし、昆布をお湯に入れて本格的に出汁をとってしまうと、あまりにも和風になってしまうからダメ。『一晩水出し』くらいがちょうどいいと思います」
大切な人に作ってあげたいおいしさ
試食させてもらったポタージュのおいしさは、もう、言葉にするのが難しいほど。そうそう、これがポタージュだよね!と思わせてくれる、スタンダードな味わいでした。香ばしくトーストした食パンをかじりつつスプーンを動かす時間はまさに至福。この味を大切な人に作ってあげられることは、これから台所に立つ大きな喜びになりそうです。
次回3話でも、引き続きオカズデザインのポタージュレシピをご紹介。じゃがいものポタージュとはまったく違う、いまだかつて味わったことのない新しいポタージュの扉が開くかもしれませんよ。
(つづく)
【写真】原田教正
もくじ
オカズデザイン(吉岡秀治・知子)
「時間がおいしくしてくれるもの」をテーマに活動する、料理とデザインのチーム。器と料理の店・カモシカを不定期でオープンし、さまざまな作家の器の展示、季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催している。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』では、料理指導を担当。
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
感想を送る
本日の編集部recommends!
エイジングケア、どうしてる?
50代の柿崎こうこさんと始める、髪や頭皮の年齢対策 [SPONSORED]
お買い物をしてくださった方全員に「クラシ手帳2025」をプレゼント!
今年のデザインは、鮮やかなグリーンカラー。ささやかに元気をくれるカモミールを描きました。
【発売記念の送料無料・お得なセットも】当店初の基礎スキンケアシリーズが誕生です!
肌も心も暮らしも「ゆらいでいい」と思えるように。私たちが自信を持ってお届けする、化粧水と美容乳液
【動画】ゆらいだって、大丈夫。日常に訪れる「自分のためだけの時間」
オリジナルスキンケアアイテムの感想を伺ってみました(フォトグラファー/写真家・髙田久美子さん)