【今日のクラシコム】失敗と成功の繰り返し。経験「ゼロ」からはじまる仕事の現場

編集スタッフ 二本柳

ただいまクラシコムでは、2019年春のスタッフ採用を行っています。

そこで、いつもオフィスの様子をお届けしてる「今日のクラシコム」も、今日はちょっとまじめに仕事のことを書いてみようと思います。

前回のカスタマーチーム編 に続いて、第2弾は編集チームです。

クラシコムの編集チームは、育児休暇中のスタッフを含め、現在17名。

主に何をやっているかというと、販売する商品をご紹介するページの制作、コラムや特集といった読みものの更新、また動画制作やラジオ、一部SNSの運用も編集チームの仕事です。

今日は、なかでも「商品の紹介ページ」をディレクションするスタッフ塩川と齋藤、そして入社1年目の糸井と栗村の4人にインタビュー。私も興味津々で話を聞いてきました!

 

カメラ経験ゼロ、編集経験ゼロからのスタート

▲左:齋藤(入社3年目)、右:栗村(入社1年目)

実は、クラシコムの編集チームは、カメラ経験も編集経験もゼロという、畑違いから転職してきたスタッフがほとんどです。

私もそのうちのひとりでしたが、一番最初に手こずったのがスタイリングと写真でした。

翌週発売の商品をポンと渡されて、まずは自分でやってみる。自信満々に見せに行くと「なんか違う」「これは共感できないかな」とのフィードバック。

最初のうちは「なんでダメなの?」が分からないものだから、納得いかない感じも顔に出ていたかもしれません(笑)それでも、粘り強く付き合ってくれる先輩スタッフにフォローを受けながらトライアンドエラーを繰り返していくと、少しずつ自分でも前後の違いがわかってくる……。

そんな、走りながら同時に学ぶようなスタイルでした。

▲左:塩川(入社4年目)、右:糸井(入社1年目)

昨年の夏に入社して、いま中心となって商品ページを制作している栗村と糸井も、同じく未経験者。まずは私も思い出深い写真について、日々どんな試行錯誤をしているのか聞いてみました。

栗村:
「ぼく、最近写真が『たのしい』と思えるようになってきたんです」

さっそく前向きな一言!それは、何かきっかけが?

栗村:
「今月、オリジナルのフラワーベースを発売したばかりなのですが、これ、実はなんども撮影しなおしたんです。

最初は、フラワーベースを素敵に見せることばかりに集中して、お花のスタイリングそのものが難しくなっていたことに気づけなかったんですね。お客様が見たときに、パッと自分の暮らしに取り入れるイメージが湧きにくいものになっていた。

それで、スタイリングから考え直して再撮しよう!ということになって……。でもこの時、自分では正直よく分からなくなっていました。何をどう撮ればいいか迷路になっちゃって」

栗村:
「でも、そのとき初めて、齋藤さんに 『自分がかわいいと思う写真を撮ればいいんだよ』って言われたんです。

それまでは、事前に構図やスタイリングをがちがちに決めて、お手本通りに撮ろうとしていて、自分が『かわいい』と思うかどうかは頭になかった。というか、そんな余裕なかった(笑)

もちろん準備は必要だけど、それだけじゃダメなんですよね。自分の視点を持つようになって、シャッターを押す心持ちに変化が生まれました」

▲フラワーベースを再撮中の栗村

齋藤:
「常に時間にもシビアに追われているので、ともすると写真が『作業』になってしまう。to doを埋めていくような感じは嫌だなと思ったんです。

作り手である私たち自身が『かわいい!』と思ってなかったら、お客様にも伝わらないはずだから」

クラシコムは未経験者も多いからこそ、「自分から湧き出るアイデア」というものをあまりあてにしません。それよりまずは、「真似ること」から。

構図やスタイリング、まずは「こう撮りたい」のイメージを見つけて、そこに近づくにはどんな小物が必要なのか?角度はどこから撮ればいいのか?光はどうあたってるか?etc…を真似しながら学んでいくイメージです。

でも、それはあくまで技術的な話。

技術の前に問われるのが「あなたはどう思ってるの?」の部分です。齋藤が栗村に教えたかったのは、それだったのかもしれません。

栗村:
「最近それが分かってきて、次は自分が『良い』と思うものを本当に信じていいのか?という問題にぶちあたってます(笑) そこに自信を持ちたいから、日常生活でも写真を積極的に撮るようになりました」

 

「正解探し」より厳しくて、たのしい

商品ページは、写真と文章で構成されていますが、その写真のイメージや見出しの並びを決めるにあたって、私たちは「インサイトシート」というものを作るところから始めます。

商品がお客様の暮らしに、どんな嬉しい効果をもたらすのか? それを見つけるために、まずお客様の暮らしや、そこに潜む「もっとこうしたい」の課題を書き出してみる。

これには糸井と栗村も「作り始めるまでに、こんなに考えるの!?」と驚いたとか。

糸井:
「入社して最初に『おお……』となったのが、『前にもやってたから』は理由にならない、ということでした。

入りたてはやっぱり、インサイトシートを作るとき『去年が〜だったから』というのに頼りがちだったんです。それがある程度正解だろうし、はじめはその正解を手本にしながら進む方がいいかなと。

でも、その『正解』が常に変わることを知って……」

塩川:
「たしかに、会社も常に変わり続けてるから、わかりやすいゴールみたいなものはないかもね」

糸井:
「毎回インサイトシートを作るたびに、自分の頭でお客様を想像して、その商品があったらどんな嬉しいことがあるだろう?と考えます。たとえば蜜蝋キャンドルは、これに火を灯すのってどんな時間だろうと。

それから写真には写らないんですけど、このキャンドルがある暮らしには、○○さんの器があって、○○の雑貨もあって……というところまで想像してスタイリングを決めていきます。

これって正解探しよりよっぽど難しいけど、すごくやり甲斐がありますよね。売れると『伝わった!』って嬉しいし」

塩川:
「分からなくなったらチームの人たちにも意見を聞いて、ものによっては何度も考え直して……。だから発売日は自信を持ってリリースできますよね」

 

あえて、失敗から学ぶ?

ディレクターの塩川と齋藤が責任をもつ商品ページは、平均にして月10本。ゆとりのあるスケジュールとはいえません。

そんな限られた時間のなかで、未経験も多いスタッフとどんなコミュニケーションを取って、アウトプットにつなげているのでしょう?

塩川:
「ある程度ページを任せられるようになったら、あえて『失敗するかもしれない』と思うことをやってもらいます。

私自身、失敗することで覚えたことが一杯あったし、その方が学ぶことも多かったんです。

赤入れも最初の頃は『指示』として細かく書きますが、徐々にその赤入れも、修正の方向性やヒントをざっくりと入れるようにしていて。

抽象的な指摘に対して、後輩スタッフがどう解釈して、どう考えてくるのかな? というのを見たいんです」

糸井:
「わ〜、私ちゃんと打ち返せてるかな?」

齋藤:
「私は、ちょっとおかしな表現かもしれないけど、スティーブ・ジョブズのプレゼンをイメージしてます。つまり、目の前に誰かがいて、その人にどう伝えたら共感や発見が生まれるかを考える。最初に封筒から商品を出すでしょ……それから……って(笑)

スタッフと話し合うときも、自分の頭にはそのイメージがあって。

文章を書くのと一緒で、作り手が、客観と主観の行き来をするのが理想だと思ってるんです」

入社1年目の糸井と栗村が、自分のなかで失敗と成功体験を繰り返しながら、未経験の仕事を「自分のもの」にしつつあること。

ディレクターの2人が、それぞれの哲学をもってスタッフとコミュニケーションをとっていること。

自分の属してる編集チームのことなのに、新しい発見ばかりだった1時間。もっと色々聞きたい〜!というところで、次のミーティングに呼ばれてしまいました。18:00退社というリミットは、なかなかに厳しいものです(笑)

さて、採用募集の締め切りは、2/22 (金)AM9:30まで

みなさまのご応募を、心からお待ちしています!

◎採用ページはこちら!>>

 

 


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