【おたすけビーフン】第2話:ビーフンだから、ずぼらができる!重ねて煮るだけの麺レシピ

ライター 小野民

これまで地味な存在と思っていたけれど、実はすごく頼れる時短食材「ビーフン」について全3話でお届けしています。

あらためてビーフンに注目してみると、扱うのもコツいらずで意外に簡単、米からできた麺というヘルシーさも魅力。家に常備しておけば、日々の料理に活躍しそう。

せっかくなら、とことん簡単でおいしいビーフン料理を知りたい!と企画が立ち上がりました。

レシピを担当してくれるのは、『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社)などの著書がある、料理家の近藤幸子さんです。

 

ビーフンだからできる。麺・具材・調味料を重ねるだけの、ずぼらレシピ

ビーフンは、パスタやうどんのように、水を沸騰させて茹でて……という手間がいりません。その手軽さも、私たちが注目したビーフンの魅力のひとつでした。

近藤さんが教えてくれたのは、そんなビーフンの特性をいかした、かんたん調理法。

麺も、具材も、調味料も、すべて重ねてフライパンにのせたら、あとは蓋をして待つだけ!という驚くほどの手軽さ。なのに、とってもおいしく仕上がります。

ここでは、あっさり中華味の「定番あさり麺」と、パスタのかわりにビーフンを使った「ナポリタン」の2つをご紹介します。

 


具材をのせたら蒸し煮で5分
中華風の定番あさり麺


材料(2人分)

・ビーフン…100g
・豚こま切れ肉…100g
・あさり(砂抜き)…200g
・白菜…3枚
・にら…1/4束
・とりガラスープの素…小さじ1
・酒…大さじ3
・ごま油…大さじ1/2
・砂糖…小さじ1
・塩…小さじ1/4
・水…3/4カップ

作り方

[1] 豚肉は一口大、白菜は1cm幅の5cm長さ、にらは3cm長さに切っておく。あさりは流水で殻をこすり洗いして水気を切る。

[2] ビーフンは水でさっと洗って水気を切ってフライパンに入れ、にら以外(※)のすべての材料も入れる。

※にらなどの香味野菜は、最後に加えると香りが良くておすすめ。

[3] ふたをして強めの中火にかけ5分ほど煮る。最後に、にらを入れて全体を混ぜながら炒め、にらに火が通ったらできあがり。

近藤さん:
「ビーフン自体がしっかり戻るのにかかるのは、5分ほど。その時間に合わせて具材も火が通りやすいものを選びました。人参などを使う場合は、小さめにして薄く切るなど、火が通りやすいようにしましょう」

ビーフン料理の定番塩炒めも、少量の水で蒸し煮にすることでしっとりした仕上がりに。野菜もたっぷり採れる一品です。

 


一度食べたらハマりそう
ビーフンで作る懐かし味のナポリンタン


材料(2人分)

・ビーフン…100g
・ソーセージ…4本
・玉ねぎ…1/2個
・マッシュルーム…4個
・ピーマン…2個
・にんにく…1/2片
・白ワイン(または酒)…大さじ3
・トマトケチャップ…大さじ3
・醤油…小さじ1
・バター…10g
・水…3/4カップ

(仕上げ用)
・粉チーズ…適量
・好みで、あればタバスコ(または唐辛子)少々

作り方

[1] 玉ねぎは1cm幅のくし切り、マッシュルームは薄切り、ピーマンは縦半分に切って7〜8mm幅の斜め切り、にんにくは薄切り、ソーセージは斜め薄切りにする。

[2]ビーフンは水でさっと洗って水気を切ってフライパンに入れ、ほかの材料もすべて入れる。

[3] ふたをして強めの中火にかけ、約3分煮る。ふたをとって全体をまぜ、再びふたをして約3分煮る。仕上げに粉チーズをふり、好みでタバスコをかけてできあがり。

近藤さん:
「ソーセージとマッシュルームがだし代わり。野菜は大きめに切ると食べ応えもありますよ。ビーフンは炒めすぎるとベタベタしちゃうから、混ぜるときは手早くするのがポイントです」

中華のイメージが強かったビーフンですが、食べてみたら正真正銘のナポリタン。油分は少量のバターだけなのでさっぱり食べられました。

取材スタッフのなかでは、「パスタのナポリタンより好きかも」という声も挙がるほど。パスタの茹で時間もいらないので、ナポリタン好きにこそ試してほしいレシピです。

 

麺料理の、もうひとつの選択肢に。

これまでイメージになかった洋食×ビーフンの組み合わせのナポリタンが大成功。ということは、そのほかの定番麺料理をビーフンに置き換えてみたら、調理時間は短縮しつつ、新しいおいしさに出合えるのかも。

たとえば、定番パスタ料理が好きな子ども向けに、カルボナーラやたらこスパゲティもビーフンで置き換えてみてもよさそう。どうしても小麦の麺ばかりに偏ることが少し気になっていたので、米の麺が選択肢に加わるのは、ありがたいことです。

ビーフンらしい中華風の麺も、これまではパスタが常識だったナポリタンも、フライパンひとつで仕上がることでビーフン自体が味を吸ってくれる。時短を目指したつもりが、おいしさもアップするというのは、なんとも嬉しい発見でした。

3話目では、「ご飯代わり」としてのビーフンの活用法を。お米からできた麺だからこそ、ふだんの丼ものやご飯のおともにもビーフンは使える存在になってくれそうですよ。

(つづく)


もくじ


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近藤幸子

料理研究家。仙台の料理学校でアシスタント、講師を務めた後、料理研究家として独立。現在は料理教室『おいしい週末』を主宰し、テレビや雑誌等でも活躍。2児の母でもある。著書に『近藤幸子のしあわせ絵本レシピ』(白泉社)、『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社)、『がんばりすぎないごはん』(主婦と生活社)がある。

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ライター 小野民

編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫4匹と山梨県在住。

 

【写真】鍵岡龍門

▼近藤さんのレシピはこちら


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