【おたすけビーフン】第3話:ビーフンで親子丼?コツいらずの「ごはんがわり」レシピ
ライター 小野民
これまで地味な存在と思っていたけれど、実はすごく頼れる時短食材「ビーフン」について全3話でお届けしています。
あらためてビーフンに注目してみると、扱うのもコツいらずで意外に簡単、米からできた麺というヘルシーさも魅力。家に常備しておけば、日々の料理に活躍しそう。せっかくなら、とことん簡単でおいしいビーフン料理を知りたい!と企画が立ち上がりました。
レシピを担当してくれるのは、『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社)などの著書がある、料理家の近藤幸子さんです。
お米の麺だから、ご飯がわりにもなるんじゃない?という発想から……
ビーフンは米麺。ということは、「お米のかわり」もいけるのでは!?そう思い立った私たち。
たとえば子どもがお腹をすかせて待っている、でもお米はこれから炊かなくちゃ……というとき。帰宅したら冷凍ごはんのストックが切れていた!というとき。
水と一緒に5分ほど煮るだけで、あっという間に食べられるビーフンがご飯がわりになれば、とても助かります。
すると近藤さんも「親子丼や麻婆豆腐などの、とろっとしたおかずならビーフンもいけますね」と心強い一言。(逆にそぼろなどポロポロしたおかずにはあまり合わないとか)
その場合、ビーフンを煮るときに、ちょっとした味付けをするといいそうですよ。今回は親子丼を例にレシピをご紹介します。
ねぎと炒めたシンプル麺で
親子丼ビーフン
材料(2人分)
(シンプルなビーフン)
・ビーフン…100g
【A】
・塩…小さじ1/4
・ごま油…大さじ1/2
・鶏ガラスープの素…小さじ1
・水…3/4カップ
・青ねぎ…3、4本
(親子丼)
・鶏もも肉…1/2枚
・卵…2個
・玉ねぎ…1/2個
・醤油、みりん、砂糖…各大さじ1
作り方
[1] 青ねぎは小口切り、鶏もも肉は一口大、玉ねぎは1cm幅のくし形切りにする。
[2] ビーフンはAとともに鍋に入れてふたをして、5分ほど煮る。
[3] ビーフンに青ねぎを加えてざっくりと和える。
[4] 次は親子丼。鶏もも肉、玉ねぎにすべての調味料を加えて煮て、鶏肉に火が通ったら、溶き卵を流し入れて半熟に火を通す。
[4] [3] を[2] のビーフンの上にかけたら完成。
近藤さん:
「シンプルなビーフンの味付けは、今回は中華風でしたが、和洋どんなだしや味付けでもいいと思います。好みで薬味もアレンジしてみたら、さらに可能性が広がりそうです」
親子丼ビーフンは、とろっとした半熟卵とほのかにごま油が香る麺がとてもよく合います。食べ進めて残った汁気と麺をからめて食べられるのは、麺だからこそ味わえるおいしさです。
近藤さんの簡単レシピは、「がんばりすぎた」経験から
3話にわたってお届けしてきた、ビーフン活用法とレシピ。いかがでしたか?
そもそもビーフンに注目するきっかけは、簡単、おいしいを叶えてくれる食材を上手に使いたいという想いでした。近藤さんのビーフンレシピは、一貫してミニマムな手順で、ちょうどいい味付け。
そんな簡単レシピの数々は、近藤さん自身の経験から生まれたものでした。
近藤さん:
「長女が2、3歳の頃、仕事も育児もすべてがんばろうとして、何もかもうまくいかない、そんなときがあったんです。私の場合は体が悲鳴をあげたので、このままでは本当にダメになっちゃう。上手に手を抜く、あきらめる方法を探したんです。
便利な家電やシッターさんにも頼るようにして、料理の仕方も見直しました。
料理は、品数が少なくても栄養バランスが取れてればいいし、手順や調味料をそぎ落とす研究を自分なりにしたんです。そうやってたどり着いたルールもあって。
たとえばたんぱく質200gに塩加減は小さじ1/2。野菜も肉や魚もだいたいのものは中火で約8分間で火が通るんです。そこに香味野菜を加えるのが私の好きな味づくり。そういうマイルールがあると、いちいち悩まなくて済むから、ずいぶん余裕が生まれました。
真面目な人ほどがんばりすぎちゃうから、頼るものは頼って、手を抜くところは抜いて、余力を残す。そうすることで日々をごきげんに過ごせたらと思うんです」
試行錯誤しながら、自分の味方になってくれる料理のルールや頼れる存在を増やしていった近藤さん。
お話を聞いて、誰かや何かを頼ることで、自分にとって大切なことが見えたり、余分なものを削ぎ落としたりすることかもしれない、と思いました。
忙しいときも、おいしい麺が食べたいときも、ヘルシーで満足感のある料理を食べたいときも、さまざまな私たちの願いを叶えてくれる懐の深いビーフン。キッチンに常備する食材の仲間入りをさせたら、日々の料理をきっと助けてくれる頼もしい存在になってくれるはずです。
(おわり)
もくじ
近藤幸子
料理研究家。仙台の料理学校でアシスタント、講師を務めた後、料理研究家として独立。現在は料理教室『おいしい週末』を主宰し、テレビや雑誌等でも活躍。2児の母でもある。著書に『近藤幸子のしあわせ絵本レシピ』(白泉社)、『重ねて煮るからおいしいレシピ』(主婦と生活社)、『がんばりすぎないごはん』(主婦と生活社)がある。
ライター 小野民
編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫4匹と山梨県在住。
【写真】鍵岡龍門
▼近藤さんのレシピはこちら
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