【お茶の間会議】もし26歳の自分に出会ったら、何と声をかけますか?

編集スタッフ 松浦


お茶の間会議のテーマ
「26歳の自分に出会ったら何と声をかけますか?」


 

数ヶ月前に26歳になったわたし。まだまだ若い! と思いつつ、社会人も4年目。SNSで目にする同世代の活躍をみては、私も早く何かかたちにしなくては、早く一人前にならなくては……と、バタバタしている自分がいます。「20代は必死でいい」そう誰かに言われたことがありますが、ちゃんと前に進めているのかはやっぱり気になってしまいます。

今回のお茶の間会議は、そんな悩める26歳がテーマ。「もし26歳の自分に出会ったら何と声をかけますか?」というお題のもと、スタッフ3人に話を聞きました。

 

本日の参加者はこちらです。

今回の参加者はこちら。左から順にご紹介します。

【編集チーム 二本柳】
入社5年目、30歳。メーカーでの営業職を経て、25歳のときクラシコムに転職。夫とふたり暮らし。

【編集チーム 田中】
入社7年目、36歳。印刷会社など3社を経て、クラシコムに転職。3姉妹の長女。

【デザイナー 鈴木】
入社3年目、32歳。広告制作会社を経て、クラシコムに転職。夫とふたり暮らし。

 

26歳に戻ったら… つべこべ言わず、目の前の仕事をします

田中:
「26歳というと、ちょうど今から10年前。当時の自分に会ったら、『つべこべ文句言わず、目の前のことに集中!』と真っ先に言いたいですね」

鈴木:
「文句ばかりの田中さんって、今からは想像できないですね……」

田中:
「残念ながら、そういうときもありました……(笑)当時は転職をして1年が経過したころ。デザインの仕事をしたくて独学で勉強し、チラシデザインやDMハガキの仕事にも携われると聞き、あるメーカーに転職したのですが、実際は私が思っていたよりその業務が少なめだったんです。正直、『どうして私がやらなきゃいけないんだろう』と心の中でぶつぶつ文句ばかりいっていました。そんな中途半端な気持ちが原因で、凡ミスもたくさんしました。

なんというか、何者かに早くならなくては!世の中に爪痕を残さねば!と意気込んでいたんです。今思えば、26歳なんてまだ何も形になってなくて当然。何になるかわからなくても、とにかく目の前のことを、精一杯自分なりに面白がって、エラーも恐れずにいたら、もっと早く成長できたのかなと思います」

二本柳:
「わかります。26歳って、つべこべ言いたくなっちゃう歳だったかもしれません。私も言ってたな……」

田中:
「当時は、できるだけ最短距離で生きたかったんですよねきっと」

 

転職するか、そのまま働き続けるか……

鈴木:
「私は『そのままでいいよ〜』と声をかけるかな。こうすればよかったというより、こうだったから今があるって思っているからなのかもしれません。

といいつつ、それは今だから言えること……。当時はとにかくモヤモヤしていました。一浪してるので、26歳の時は社会人3年目。とにかく仕事が忙しく、毎日いっぱいいっぱいでした。『もっといい環境があるんじゃないか?』と、お昼休みに転職サイトを眺めることもありました

田中:
「私もですが、26歳で転職する人多いですもんね」

鈴木:
「そうなんです。周りでそうやって動いている人がいると、自分も何か動かなきゃって思っていました。それに、私より先に辞めていった人たちからは『転職すれば、視野が広がるよ』とアドバイスされたり。なんだか自分だけが止まっている気がして焦っていました。

でも結局その会社で7年働いて、転職したのは30歳のときなんです」

二本柳:
そうなんですね!踏みとどまった理由は何だったんですか?」

鈴木:
「環境を変えたいと、真剣に転職先を探すうちに、改めて自分が働いている会社の面白さに気がついたんです。確かにものすごく忙しかったけど、仕事は楽しかったし、この人から学びたいと思える人もいた。だから、『今以上に心から働きたいと思える会社に出会うまでは、今いる場所で頑張ってみよう』と思ったんです。

周りの友人は転職して新たな経験を積んでいるかもしれないけれど、ひとつの会社に長く勤めることで得られるものも色々あるんだよなと今なら思えます。それに、あの時がむしゃらに働いていたおかげで、『やるだけやった』という自信がついた気がします

 

人生を逆算して焦ってました

二本柳:
「私は、ちょうど25歳のときにクラシコムに転職しました。当時の自分としては大きめな決断だったのですが、本当によかったなと思ってます。

だから26歳の自分に出会ったら、鈴木さんと一緒で『そのままでいいよ〜』って言うかな。でも同時に、もうちょっと『自分の時間の流れ』というものに目を向けられたらよかったとも思います。

当時まわりの人たちから『転職は35歳までが勝負』という話をたくさん聞いていて、『なるほどそうか、それが常識なのだ』と鵜呑みにしていたし、どこかで『○歳までには母になっていて……』という固定概念も持っていて、なんだか人生を逆算して焦ってばかりいました。

友人にも逆算説を唱えていたので、もしかしたら周りの人たちを焦らせてしまったかもしれません(笑)」

田中:
「私も友人にそんなことを言われて、まさにその焦っていた人です(笑)」

二本柳:
「田中さん、なんだかすみません!多分そこはかとなく常識とか世間とかに影響を受けていて、今より若いときの方が『自分の時間』じゃなく『世間の時間』を生きていたように思います」

 

「自分の時間」を生きていた彼女たちは、ずっとかっこよかった


二本柳:
「後悔はないにせよ、そうやって『世間の時間』を生きていた自分は格好悪かったなって思うこともあるんです。

友人たちの話なのですが、20代の頃、看護師になりたくて学費を貯めるためずっとアルバイトをしていた子が、30歳で看護学校に合格しました。20代半ばに地元のレストランで地道に修行していた子は、30歳を目前に創作デザートを提供する素敵なお店をオープンしました。

彼女たちも、もしかしたら26歳のころ、人知れず焦っていたかもしれないと思います。でも周囲に流されずに『自分の時間』を自分のペースで一生懸命生きてきた。

今も当時も、彼女たちはずっとかっこよかったんだということに最近になって気が付いたんです」

 

何歳になっても、きっと焦ってる

田中:
「26歳の自分を振り返って、当時は本当にモヤモヤしてたな〜って思いました。でも改めて考えると、今もまた違うモヤモヤがあったりしますよね」

二本柳:
「確かに、それは常に言えることなのかもしれない。今の私は今の私で、どこか焦ってるんです。『もう30歳なのに、どうしてもっと深いことを言えないんだろう』とか『もう社会人8年目なのに判断力がなくてダサい』とか、26歳のときとは違う意味でやっぱり焦ってる」

鈴木:
「きっと10年後の自分が今の自分に出会っても『焦っていていいんだよ〜』と、同じように声をかけている気がしますね」

「いくつになってもダサくていい、かっこ悪くていい、焦っていていい」

26歳の自分たちにかけた言葉は、過去だけではなく今の自分たちにもつながるものでした。それは26歳の私にとって希望でもあり、今の自分を受け入れるきっかけになった気がしました。

(おわり)

お茶の間会議のテーマも、引き続き募集しております

▼思いつきから始まった「お茶の間」プロローグ
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