【わが家のびん詰めvol.1 辛いはおいしい】第1話:家で作れる本格調味料。藤原奈緒さんの新しいびん詰め「しょうが花椒オイル」

ライター 片田理恵

びん詰めの数だけ、わが家のおいしさが増えていく

調味料にジャム、オイル漬け、酢漬け、砂糖漬け、水煮。とりどりの味わいがぎゅっと詰まった「びん詰め」に、最近、とっても心惹かれています。開けるだけでそのまま食べられるもの、野菜にかけるもしくは和えるだけで味が決まるもの、パンやチーズに乗せて楽しむものなど、びん詰めの数だけ我が家のおいしさが増えていくみたい。

キッチンにお気に入りの瓶詰めがあるだけで、自信が持てなかった自炊をおもしろく感じたり、友達を呼んで食事をする機会が増えたりと、料理の楽しみまで増していく。びん詰めってそんな心強い存在だと思います。

 

「あたらしい日常料理ふじわら」の“辛いはおいしい”に魅せられて

市販のびん詰めは数あれど、最初に私たちが夢中になったのは東京・東小金井に店舗を構える「あたらしい日常料理ふじわら」のものでした。料理家・藤原奈緒さんが作るびん詰めは、家庭のごはんを手軽においしくしてくれる調味料。サラダにかけたり、味噌汁に入れたり、薬味に加えたりと、いつもの料理に少しプラスするだけなのでとびきり使いやすく、味の加減がしやすいのが特徴です。

今回、私たちは藤原さんに「びん詰めを自分で作ってみたいです」とご相談しました。お願いしたのは「辛い調味料」。暑くなるこれからの季節、台所で火の前に立つ時間は短縮させたいけれど、食欲をそそるおいしいものをしっかり食べたい。そんなふたつの気持ちを叶えてくれる「ウマ辛」な調味料があれば、しかもそれが自分で作ったものとなれば、来たる夏がもっと楽しみになるのでは? そう思ったからです。

そして藤原さんが開発してくださったのが「しょうがと花椒のオイル」でした。香ばしくて華やかな香り、さまざまな食材と料理に合う汎用性の高い味わいが、なんとも絶品。非売品ですから、この夏にこれを食べ続けたいとなればもう、作るよりほかありません。全3話の本特集では、びん詰めの作り方とそのおいしい使い方をたっぷりご紹介していきます。

 

まずはびんを用意。家にある空きびんの有効活用を

藤原さん:
「びん詰め作りにはびんが必要。とはいえ、びんは必ずしも買う必要はありません。ぜひ自宅にある空きびんを上手に活用してみてください。

容量や口の大きさなど、さまざまな大きさのびんがありますが、手作りびん詰めで注意したいのは『中身が空気に触れること』です。酸化して味が落ちたり傷んだりするのを避けるため、空気に触れる面積の少ない、小さめの口径のものを選ぶと使いやすいですよ」

 

(STEP1)
空きびんをフタと容器に分けて、煮沸消毒する

▲煮沸時間はおおよそ10分

 

(STEP2)
引きあげてよく水を切る

 


小鍋ひとつあれば15分で完成

しょうがと花椒のオイル


▲右が通常のもの、左は唐辛子を加えたもの

カリカリのしょうがの食感が楽しい、香り豊かなオイル。花椒のしびれウマい辛さがたまりません。

材料(140cc瓶・約1本分)

・しょうが…30g
・花椒…大さじ2
・オリーブオイル(ピュア)…100㏄
・シナモンスティック…1/2本

 

(STEP1)
しょうがを皮付きのまま、長い千切りにする

▲しょうがは実と皮の間においしさと香りが詰まっているそう。皮ごと使用するのがおすすめです。

 

(STEP2)
材料を小鍋に入れ中火にかける

 

(STEP3)
ふつふつしたら弱火でじっくり、6~9分ほど熱する。鍋や火力の環境によって加熱時間が異なるので、出来上がりの写真を参考に。

 

(STEP4)
しょうががきつね色になり、カリカリしてきたら火から下ろす

 

(STEP5)
余熱が入るので色づく少し手前であげて、熱々のまますぐ瓶にうつすのがポイント。鍋に入れたままだと余熱で火が入り、焦げやすくなるので注意する。常温で1か月ほど保存できる

*より辛くしたい場合は、最初に唐辛子(切らずに丸ごと)を1本足す
*このレシピで辛すぎると感じる場合は花椒を半分にするとよい
*加熱調理をする場合のオリーブオイルは「エクストラバージン」ではなく「ピュアオイル」でOK(米油などでも可)

 

スパイス使いに慣れない方へ。失敗しないためのコツと注意点

藤原さん:
「いざ作ろうという時、聞きなれないのが『花椒』だと思います。読み方は『ホアジャオ』で、日本語読みでは『カショウ』。中華料理に多く使われるスパイスで、私は中華に限らず、よく料理に使っています。

実はこの花椒、ほとんどのスーパーのスパイス売り場で入手できる手近なもの。最もよく見かけるタイプの18g入り小瓶をひとつ用意すれば、今回のレシピを2回分作ることができます。

シナモンスティックも同様に、スーパーでの購入が可能。注意点としては粉末でなくスティックタイプを選ぶようにしてください。この調味料のシナモンの役割は、辛さの中にほのかな甘い香りが加わることで味の構造に深みを与えること。粉末だとシナモンの香りや味わいが強く出すぎてしまいますから」

藤原さんの「しょうがと花椒のオイル」、いかがでしたか。びん詰めを自分で作るってちょっと大変そう……という気持ちが、私たちにも最初はもちろんありました。でも思っていたよりもずっと簡単で驚いてしまったくらい。「これを自分で作ったんだ」という満足感も高いので、たくさん作ったら家族や友達にプレゼントするのもいいかもしれません。

次回第2話では、「しょうがと花椒のオイル」を使ったおいしいレシピをご紹介。暑い季節にぴったりのウマ辛麺を藤原さんに教えていただきます。

(つづく)

【写真】佐々木孝憲

 


もくじ

 


藤原奈緒

料理家。JR東小金井駅の高架下〈アトリエテンポ〉で、「あたらしい日常料理ふじわら」を営む。家庭の食事をより美味しく、より手軽にをテーマに、独自に作り上げた「ふじわらのおいしいびん詰め」も人気。nichijyoryori.com

 

ライター 片田理恵

編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。

 


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