【秋の夜長につくるジャム】前編:思い立ったらすぐできる!ちょっと大人な、いちじくのジャム

編集スタッフ 栗村

きらきらした、宝石みたいなジャムがつくりたい

いつもだったら疲れてすぐ寝てしまうはずなのに、今日はなんだか気持ちがそわそわして眠れない。

そんな風に思っていた数年前、夜な夜なジャムを作り始めたことがありました。きっかけはとっても単純で、きらきらとした宝石みたいなジャムのレシピを見つけてしまったから。きっとこのジャムを作れば、今まで味わったことのない感動が待っていて、そわそわした気持ちが晴れるんじゃないかと思ったんです。

秋の夜長、家の中でできる幸せな気晴らしとして、またジャムを作りたい。この特集では、思いついたらすぐできるぐらい簡単で、でもまだ味わったことのない、ちょっと大人なジャムのレシピと、アレンジのアイデアをご紹介します。

 

お菓子研究家の福田里香さんに教わりました

今回ジャムのレシピを伺ったのは、お菓子研究家の福田里香さん。

季節の果物と思いもよらない素材を組み合わせた、レシピをたくさんご紹介されている福田さんならではのアイデアがいっぱい。

今の季節に手に入りやすく、簡単で、とびきりおいしい。いちじくのジャムを教えてもらいました。

 


思い立ったらすぐできる
いちじくとカルダモンのジャム


 

材料(いちじく1パック程度でできる量・ジャム約250ml分)

・いちじく…3~4個(300g)
・甜菜グラニュー糖…150g
・レモン果汁…1/2個分
・カルダモンの実…3個(パウダーの場合…小さじ1/2)

※甜菜グラニュー糖は、手に入りやすい上白糖や、きび砂糖に変えても良いです。

 

作り方

STEP.1 いちじくを切って、鍋に入れる

▲レモンは搾った後、果実を入れても良いです。

いちじくをさっと洗い、ヘタを取ります(皮はむかないで良いです)。傷んだところがあればナイフで取り除き、縦半分に切ります。

直径18cm程度の鍋に、切ったいちじく、砂糖、レモン果汁を入れます。

 

STEP.2 いちじくをつぶす

木べらで、いちじくをよくつぶして水分を出します。

 

STEP.3 カルダモンを鍋に入れ、強火にかける

▲いちじくはアクがあまり出ません。アクが出てきても、気にせず混ぜて大丈夫です。

カルダモンを鍋に入れ、強火にかけます。軽く木べらでつぶしながら加熱し、沸騰したら中火に。焦げ付かないように木べらで、鍋底からゆっくり大きく混ぜながら、とろりとするまで12〜15分程度水分を飛ばします。

全体に透き通って表面に艶が出てきたら火からおろします。冷めるともう1段階とろみがつくので、少しゆるいかなという程度が目安です。

ジャムが熱いうちに、清潔な空き瓶に、スプーンなどで詰めます。日持ちは冷蔵庫で10日間ほどです。

福田さん:
「完成したか不安な場合は、早めに火を止めて、木べらですくい上げて冷ましてみるとわかりやすいです。もしまだ加熱が必要そうな場合は、もう1度火を入れてください。

また、使用する鍋の素材は、ホウロウやステンレス、銅がおすすめです。アルミは果物の酸で溶けるので使わないようにしてください。

鍋の大きさは、材料全て入れた時に鍋の半分以下に収まっていれば大丈夫。鍋いっぱいだと、吹きこぼれしまうため大き目がおすすめです」

福田さん:
「いちじく1パック分、ジャム瓶に詰めると1~2瓶分ほどの量になります。もし食べきれなさそうでしたら、冷凍保存がおすすめです。ジャムは冷凍してもカチカチにならず、スプーンですくうことができます」

 

おすそ分けのラッピング、jam jar cover

福田さん:
「せっかく作ったジャムを誰かにおすそ分けしたいこともありますよね。空き瓶に詰めたときに案外気になるのがフタの色やデザイン。文字が入っていたり、別の商品名が入っていたり。そんなときは、端切れ布を使ったジャムジャーカバーがおすすめです。

好みの布をフタより2まわりほど大きい四角に切って、四隅をねじってキュッと結び目(止め結び)をつくるだけ。端は切りっぱなしで大丈夫。フタにかぶせれば出来上がりです。プレゼントやおすそ分けにぴったりですよ」

福田さんの「いちじくとカルダモンのジャム」いかがでしたか。ジャムのレシピに良くあるような、果物から水分を出すための待ち時間や、皮を丁寧にむく作業もいらない、驚くほど手軽で簡単なレシピでした。

ジャムを炊いているときのグツグツとなる音、そしてキッチンに広がる甘くてフレッシュな香り。秋の夜、思いついたらすぐできる、最高の気晴らしになりそうです。

後編では、いちじくとカルダモンのジャムをもっとおいしく食べるアレンジレシピをご紹介します。

 

(つづく)

 

【スタイリング】福田里香
【写真】清水奈緒

 


もくじ

 

福田里香

福岡県生まれのお菓子研究家。武蔵野美術大学卒。老舗フルーツ専門店・新宿高野に勤務後、独立。雑誌や書籍を中心に活躍。季節のフルーツを使ったレシピに定評がある。著書に「季節の果物でジャムを炊く」(立東舎)「いちじく好きのためのレシピ」(文化出版局)、エッセイ&レシピ集に「まんがキッチン」「まんがキッチン おかわり」などがある。


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