【おせちは大晦日から】第2話:家族が喜び、見た目も華やか。仕込みいらずの「八幡巻き」レシピ
編集スタッフ 奥村
家族にも好評な「おせち」が作りたい
今回は料理家・ワタナベマキさんに手軽な「おせち作り」のアイデアを伺っています。
定番のおせちほど、子供の箸が進まない……当店スタッフの間からは、そんな声がちらほら上がっていました。中学1年生の息子さんをもつワタナベさんにも、そんな経験はあるといいます。
ワタナベさん:
「家族の好きなおせちってそれぞれ違いますよね。息子は、肉系のボリュームのあるおかずに真っ先に手が伸びます。
煮豚や松風焼きなど、お正月向けの肉料理というと少し手間のかかるイメージですが、今回は仕込みがいらない、とりわけ手軽なレシピをご紹介します。『紅白なます』も同時に作れて、一石二鳥ですよ」
一度に2品作れる!
彩り野菜の「八幡巻き」
材料
にんじん…約1/2本(80g)
大根…約1/4本(200g)
小松菜…2束
牛肉(すきやき用などの薄切り肉)…12枚
薄力粉…適量
A
みりん…大さじ2
しょうゆ…大さじ1と1/2
作り方
1.野菜を塩もみし、水気を絞る
にんじん、大根は皮をむいて千切りにし、小松菜は3等分のざく切りにする。塩小さじ1/4(分量外)をそれぞれに揉み込み、しんなりするまで5分おいたら、出てきた水気をよく絞る。
2.牛肉で野菜を巻く
牛肉を広げ、片面に薄力粉を薄くはたき、1の野菜を適量のせ、端からくるくると巻きつける。それぞれ4本ずつ作る。
3.巻き終わりを下にして焼く
フライパンにごま油小さじ2をひいて中火で熱し、巻き終わりを下にして2を並べ、焼く。
4.Aを加えて煮詰めれば完成
全体に焼き目がついたら、Aを加えて汁気がなくなるまで焼き付ければできあがり。切り分ける前に、粗熱がとれるまで冷ます。
調理の合間にもう1品。「紅白なます」も
肉巻きを冷ましている間の数分で、もう1品できますよ、とワタナベさん。多めに作っておいた塩もみ大根とにんじんをさっと和えます。
ワタナベさん:
「にんじんと大根の塩もみは、たとえば倍量用意しておくと、『紅白なます』が作れます。
水気を絞って、ゆずの果汁と、皮の千切り適量を加えて和えればできあがり。箸休めにもぴったりですよ」
盛り付けのひと工夫で、特別な見た目に
ワタナベさん:
「八幡巻きの粗熱がとれたら、切り分けます。
きれいに盛り付けるポイントは、両端を切り落として二等分すること。高さを揃えてお皿に並べると、より見栄えよくなります。
ちょっと華やかな絵付けのお皿を選んだり、お正月らしい植物の葉を飾り付けるのもおすすめです。今回は南天の葉を飾りました」
ワタナベさん:
「八幡巻きというと本来はごぼうを巻くのが定番ですが、下ゆでの手間がかかるので、今回は火通りが早くて彩りもきれいな塩もみ野菜を巻きました。
野菜は塩もみしておくとかさが減るので、一度にたくさん巻けて、シャキシャキした食感も楽しめます。
下味がしっかりついているので、冷めたままでもおいしくいただけて、おせちにぴったりです」
▲大人向けには、山椒をふっても
ワタナベさん:
「今回はちょっと薄めの味付けに仕上げているので、好みでアレンジしてみるのもおすすめ。大人が食べるなら、好みで七味唐辛子や山椒をふりかけるとアクセントになります」
きんとん、八幡巻き、なますの3品があっという間にできあがり。次回はこれらを市販のおかずと組み合わせて、お重がなくてもできる「盛り付け」のコツを教わります。
(つづく)
【写真】佐々木孝憲
もくじ
ワタナベ マキ
料理家。雑誌、広告などで旬の食材を使用した季節感ある料理を提案している。今の時代にも作りやすく、やさしい味付けの家庭料理が人気。インスタグラムは@maki_watanabe。
▼ワタナベさんの近著はこちらから
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