【冬のコンディション術】後編:免疫力をあげる!おいしい「エルダーベリーのシロップ」の簡単な作り方
編集スタッフ 田中
身近な精油やハーブを活用して、冬を健やかに過ごすためのコンディション術をお届けしています。
前編は、英国メディカルハーバリストの石丸沙織さんに「ティーツリーの精油」を活用して風邪を予防するアイデアを伺いました。
後編では、ヨーロッパでは昔から家庭の民間薬として親しまれる「エルダーベリーシロップ」の作り方を教わります。
おいしくて、体にもいい「家庭の常備薬」
石丸さん:
「エルダーベリーは、インフルエンザの予防や症状の緩和にも効果があるハーブ。私が留学していたイギリスやヨーロッパでは古くから『万能の薬箱』として親しまれ、エルダーベリー のシロップを作って常備する家庭が多くありました。
それにハーブティーやジュース、ジャムの他、サプリメントも身近で、みんなが上手に暮らしに取り入れている民間療法なんです」
日本では、オーガニック・自然食品店、またはハーブを取り扱うお店でエルダーベリーのドライタイプが手に入ります。
良薬口に苦しと言いますが、エルダーベリーはシロップや飴、ハーブティーにするなどして美味しくいただけるのも嬉しいところ。今回はこのハーブを使ったシロップの作り方をご紹介します。
免疫力がアップする!「エルダーベリーシロップ」の作り方
材料
ドライのエルダーベリー 10g
(Sambucus nigra)
シナモン 3g(1本)
クローブ 2g
生姜スライス 2枚程
水 800cc
砂糖 200g
作り方
(1) 砂糖以外の材料を鍋にいれて、弱火にかける
エルダーベリー、シナモン、クローブ、生姜スライス、水を鍋にいれて弱火にかける。じっくりと水分を飛ばす。
(2)ざるで濾す
鍋の中の液量がおよそ1/3〜1/4になったところで火を止め、ざるで濾して、抽出した液のみ、小鍋に戻す。
(3)砂糖を加え、弱火でとかして完成
砂糖を加えたら、再び鍋を火にかけて、溶けるまで5分程かき混ぜれば完成。
石丸さん:
「煮沸した瓶などにつめて保管しましょう。透明の空き瓶か遮光の瓶で4〜5ヶ月程度保存可能。
日が当たり、高温になる場所に置くと傷みやすいので避けてください」
石丸さん:
「シナモンやクローブなどのスパイスは好みで変えてもOK。カルダモンもよく合います。砂糖は黒砂糖を使いました。精製していないので、ミネラルなども豊富に含まれていておすすめ。
レシピには砂糖200gと書きましたが、煮詰めたあとの液量と同じ量の砂糖をいれてください。今回は200ml残ったので、200gの砂糖を加えています」
砂糖代わりに、紅茶やヨーグルトにいれて楽しんで
▲教室でいただいたタルト・タタン。エルダーベリーのシロップを添えて。
石丸さん:
「そのまま口にいれても良いですし、ハーブティーや紅茶に砂糖代わりにいれたり、ヨーグルトに垂らしたり。日常に取り入れやすいと思います。
冬は寒さで血行が悪くなり、体がぎゅっと縮まってしまうと、肩こりや首こり、胃の働きが鈍くなるなどの症状が現れることも。
一緒にいれたシナモンやクローブ、生姜には温める作用のほかに胃腸を整える作用もあるので、免疫力があがって体調を崩しにくくなります」
毎日元気でいられるのは、ハーブのおかげ
▲ヘンリエッタ・クレス著、石丸沙織翻訳「ヘンリエッタの実践ハーブ療法」(フレグランスジャーナル社)
石丸さん:
「咳が少し出てきた時、のどが痛い時などに、風邪をこじらせることなく過ごせているのはハーブのおかげ。ハーバリストという仕事柄、健康でいることは一番の仕事でもあります。
この教室やハーバリストとしての活動は、家庭薬の1つとして、より多くの人にハーブを暮らしに取り入れてもらえたらと思っているから。キッチンや家にある身近なものと組み合わせて使える方法を紹介しています」
長田さん:
「石丸さんはイギリスを中心に海外で本格的に学ばれたこともあり、知識がとっても深いんです。翻訳された著書(上の本写真)には食品としての利用法なども詳しく載っていて、お菓子づくりにも参考になりました。
私にとって仕事にも暮らしにも精油やハーブは身近ですが、あくまで自己流。だから今回、石丸さんから改めてお話を伺うことができ、これからのハーブへの向き合い方がより気軽に、そしてとっても楽しみになりました」
▲試作、納品用のお菓子をつくる長田さんのアトリエ。
不調を食い止めたいとき、頼もしい味方が見つかりました
風邪をひいたら、睡眠と水分補給をして体を休めるのがいいとよく聞きます。けれど具合が悪くなるちょっと前が、一番対処に迷っていました。
そんなときに限って予定がつまっていて、体調が坂道を転げ落ちるように悪くなって、寝込む羽目に。
今回伺ったコンディション術は、風邪予防や初期症状の緩和など、自分の体調の段階にあわせて選べるので、薬に頼るほどではないときの選択肢のひとつになりそうです。
取材後にさっそくティートリーの精油を購入し、オフィスや自宅で使っています。うがいを試してみたら喉の奥がすっきり、1日の疲れがほどけていくような癒される香りもいい。この冬は続けてみようと思います。
(おわり)
【写真】上原未嗣
(左)石丸沙織・(右)長田佳子
石丸沙織。英国メディカルハーバリスト、アロマセラピスト。イギリスでハーブ医学を学んだのち、東京、香港を経て、2011年より奄美大島在住。薬剤師として働きながら、地域に根ざしたハーバリストとして、身近なハーブを暮らしに取り入れたケアを広めている。奄美大島以外でも、東京などでハーブケア教室やセッションを不定期で開催。www.herbshaven.com
長田佳子。菓子研究家。「foodremedies」主宰。レストラン、パティスリーなどで修行を積み、ファッションブランド「YAECA」のプレーンベーカリーでスイーツの開発・製造担当を経て、現在は店舗を構えず「foodremedies」(フードレメディ)という屋号で、お菓子教室や出張形式での喫茶イベントなどを開催。石丸沙織さんとのハーブケア教室も共催。http://foodremedies.jp/
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