【家と仕事ともうひとつ】vol.2:考えることをやめて「体を動かす」時間。テクノロジーグループ遠藤編
ライター 片田理恵
「家」と「仕事」と同じように大切で、けれどそのどちらとも違う、あなたにとっての「もうひとつ」を教えてください。そうお願いをして、クラシコムスタッフの皆さんとおしゃべりをさせてもらうことになりました。集まって座談会をするのではなく、おひとりずつと、じっくりと。
たとえば、私たちの暮らしが織物だとしたら。世界にたった一枚しかないその織物を構成するのは、仕事という縦糸と、家という横糸というふうに考えられないでしょうか。そのうえで「もうひとつ」が何かといえば、それは「模様」であり、「色合い」であり、「触り心地」のようなものではないかと私は考えています。
前回登場してくださったデザイナー・佐藤さんからの推薦で、今回おしゃべりをご一緒するのは、テクノロジーグループの遠藤さん。クラシコムへの入社は2年目で、現在は「北欧、暮らしの道具店」公式アプリの開発に携わっているといいます。
取材はパソコンの画面を通じたオンライン会議システムを利用。驚いたのは、遠藤さんの「もうひとつ」の定義づけが非常にシンプル、かつ明白だったことです。彼女は「もうひとつ」を「家と職場以外の時間の過ごし方」と考えたそう。頭を使って、気持ちを込めて、自分の役割を全うする以外の時間ーー出した答えは「体を動かす」ことでした。
“
もともとは理詰めで物事を進めたいタイプなんですが、若い頃はそれで失敗ばかり。ようやく少しずつ、自分の気持ちにフタをすることや、他人を思い通りに動かすことには無理があるんだと気づきました。だから30代に入った頃から意識的にやり方を変えたんです。迷ったら考えずに、まず体を動かそうって。
今継続してやっているのは、スケートボード。小学生の甥っ子と一緒に遊ぶために思い切って始めたら、私の方が夢中になりました。難しい、怖い、失敗する、恥ずかしい。そういう思いはひとまず横において、とにかくやってみようと思って。
だけど意外と大人の練習場所がないんですよ。だから休日にひとりボードをかついで、電車に乗って、初心者歓迎でかつ幅広い年齢の人がプレイしているスケートパークまで行って、一日中滑っています。小さな子どもたちが横でスイスイ滑っているのは気にしない。すごいなぁと感動はしますけどね。
自分なりに、動ける体を作るための日々のケアもしています。毎日プロテインを飲むこと、筋トレを欠かさないこと、そしてスケボーをして「ただ気持ちがいい」という時間を持つこと。それだけやったらあとは自然にまかせる、というのが私の今のスタイルですね
”
すぱっと潔くそう言いきれるのは、かつて大いに悩み、苦しみ、迷った経験があるから。何か問題に直面した時こそがんばることをやめ、考えることをやめ、自分の意見を主張するのをやめることで、状況の方が変わっていくと気づいたといいます。そして遠藤さんにとって、それらをやめるための最良の自分との向き合い方が「体を動かす」ことだったそう。
家でも仕事でもない「もうひとつ」を通して見えてくる、その人らしさ。それはまるで遠藤さんだけが持っている、特別に美しい「色合い」のようでした。もしも「私、趣味でスケボーをやってるんです!」というふうに話を聞いたとしたら、同じ内容でも印象は全く違っていたはず。
家と、仕事と、もうひとつ。次回は遠藤さんの推薦で、また別なスタッフさんとのおしゃべりをお届けします。
Photo:神ノ川智早
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things.」「天然生活」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
テクノロジーグループ 遠藤
クラシコムに入社して2年目。33歳。北欧、暮らしの道具店のWEBサイトとアプリのUIUXデザインのほか、アプリのマーケティングも担当。もともと色んな事に好奇心旺盛な性格だが、30代になってからは積極的に体を動かす事に挑戦中。
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