【わたしと本棚】読書家ではないわたしが、自分のペースで楽しめる本(雑貨店「hal」後藤由紀子さん)
編集スタッフ 奥村
本と人との関係は十人十色。好きな本やそれが並ぶ本棚は、その人の生き方や気持ちともリンクしているかもしれません。
連載「わたしと本棚」は、さまざまな分野で活躍する方に、自宅の本棚とそこにおさまる愛読書を紹介していただく特集。
思い入れのある本にまつわるエピソードから、その人となりを紐解きます。
雑貨店「hal」店主、後藤由紀子さんの本棚は?
今回ご登場いただくのは、静岡・沼津で人気雑貨店「hal」を営む後藤由紀子(ごとう ゆきこ)さん。
ご自身が暮らしの中からセレクトした雑貨や衣服を紹介しながら、暮らしにまつわるエッセイの執筆など、多方面で活躍されています。
そんな後藤さんに、お気に入りの本が並ぶ自宅の本棚を見せていただきました。
後藤さん:
「好きな本のジャンルは、エッセイやドキュメンタリー。衣食住の中でいちばん『食』に重きを置いているので、本棚にも自然と食の本が多く集まっています。怖い話は苦手なので、ミステリーやホラーは読みません。
特に昭和の古き良き時代に活躍されていた作家さんの本が多くて、池波正太郎さん、向田邦子さん、伊丹十三さん、沢村貞子さんなどは昔から読んでいます。
並べ方は特に意識していないのですが、居間で読書をすることが多いので、一番よく読む本を居間の本棚に置いています。写真の一角は、繰り返し手に取っている本が詰まったスペースです」
今回はそんな中から、特にお気に入りの2冊をご紹介いただきました。
家事の合間や1日の終わりに。気分転換に読みたい2冊
「MUSIC 100+20」(藤原ヒロシ / 宝島社)
後藤さん:
「音楽プロデューサーの藤原ヒロシさんが、10代の頃から今まで聴き続けている音楽120作品を紹介したセレクト本です。
藤原さんの音楽が昔から好きで、若い頃はDJイベントにもよく行っていたので、彼がどんな音楽をセレクトするのか興味が湧いて手に取りました。
実は音楽が大好きで、ライナーノーツ(CDなどに付属している冊子で、アーティストが音楽の解説を書いているもの)もつい読み込んでしまうタイプなんです。藤原さん独特の切り口でいろいろな音楽を解釈されていて興味深い1冊でした。
昔集めていたお気に入りのレコードも紹介されていたりして、懐かしい気持ちになります」
「大衆食堂へ行こう」(安西水丸 / 朝日文庫)
後藤さん:
「イラストレーターの安西水丸さんが、東京都内55軒のレトロな大衆食堂を食べ歩いたイラストエッセイ。
いつか巡ってみたい気になる食堂がたくさん出てきますし、安西さんのゆるいタッチのイラストは、眺めているだけで楽しい気分になります。
そういえばこの本は、本好きの友人から『由紀ちゃん、この本好きそうだから』とプレゼントしてもらったものでした。以来、わたしも誰かへの贈り物にこの本を選ぶことがあります」
「読書」は後藤さんにとってどんなものですか?
後藤さん:
「本の取材をご依頼いただくことも多いのですが、実はわたし、あまり読書家ではないんです。
たくさんの作家さんの本に触れているわけでもないですし、常に本を読んでいるタイプでもありません。
なのでまとまった時間をとる読書より、すきまの時間にできる読書が好きです。
家事の合間に少し読んだり、電車の中や、お友達との待ち合わせで待っている間など(わたしは30分前行動派なので、だいたい待つ側なのです)に、気軽に楽しめる本を選んでいます。
なにか新しいことを教えてもらうのが好きなので、今回選んだ2冊のようなセレクト本は好きですね。友人がいま読んでいる本を聞いて、試しに読んでみることも。新しい考え方や感覚は、本を通して学ぶことが多いかもしれません」
***
次回は料理家の内田真美さんに、思い入れのある料理本など愛読書を伺います。
(つづく)
後藤 由紀子(ごとう・ゆきこ)
静岡・沼津の路地裏に構える雑貨店「hal」オーナー。庭師の夫、子どもと暮らす。家族との時間を大切にするスタンスや暮らしぶり、ファッションなどが注目されている。近著に『気持ちを伝える贈りもの』(大和書房)
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