【なつかしい洋食】ふわふわだと、こんなにも美味しい。今こそ知りたい王道「ハンバーグ」のレシピ
編集スタッフ 小林
肉汁がジュワッとあふれるハンバーグに、とろとろのオムライス。サクサクでぷりぷり、揚げたてのエビフライ。
小さな頃からずっと、大人になった今も大好きな「洋食」。けれど正直なところ、いざ自分で作るとなると美味しくできる自信がなくって、尻込みしがち。
とはいえ「おうち洋食」ならではの、ほっとする美味しさ。何故かわからないけれど懐かしい気持ちにさせる特別な味わいは、他には替え難いもの。
だから本当は、いつか自分できちんと美味しく作れるようになりたいと、ずっと心の中で思っていたんです。
そこで今回、我が家の定番にしたくなる「洋食レシピ」を教えてもらうべく、料理研究家の大庭英子(おおば えいこ)さんのもとを訪れました。
きっかけは、大庭さんの著作「忙しい人のための きほんの料理」(KADOKAWA)との出会い。
20年以上、料理界の第一線で活躍し続けている大庭さんならではの、シンプルで抜群に美味しいレシピや、深い知恵に心をつかまれ、ぜひ「一生もの」になる洋食レシピを教えていただきたいと思ったのです。
こうして全3話にわたってお届けする「なつかしい洋食」特集。この第1話では洋食の王様と言っても過言ではないメニュー、「ハンバーグ」のレシピをご紹介します。
大庭さんのハンバーグは身近な材料を使いながらも、こんなの食べたことない!と絶句するほど、ふわふわで、ジューシーな仕上がり。
玉ねぎはわざわざ炒めずにレンジで加熱するなど、真似したいコツもたくさん。プロの技を詳しく教えていただきました。
ちょっとしたコツで極上の味に
ふわふわジューシーな「王道ハンバーグ」
材料(2人分)
<ハンバーグ(生地)>
合びき肉…250g
玉ねぎ…小1/2個(約60g)
バター…小さじ1
生パン粉…1/2カップ(牛乳大さじ3でしめらせる)
卵…小1個
塩…小さじ1/3
こしょう、ナツメグ…少々
油…少々
<ソース>
赤ワイン…大さじ2
水…大さじ3〜4
トマトケチャップ…大さじ2
ウスターソース…大さじ1
塩、こしょう…少々
バター…大さじ1
<付け合わせ>
にんじん…1/2本(ピーラーなどでリボン状に切る)
クレソン…1束
今回はとにかく手軽にできるよう、付け合わせには、火を使わない生野菜を添えてみました。ぜひお好みで、季節のお野菜を使うなど、ご自身でアレンジしてみてくださいね。
作り方
1.玉ねぎとバターをレンジで加熱する
玉ねぎはみじん切りにし、耐熱の器へ。上にバター小さじ1をのせ、600wの電子レンジで1分ほど加熱し、冷ましておきます。
玉ねぎは、わざわざ炒めなくてOK。十分美味しくできますし、この方が楽チンです。
2.ハンバーグ生地を「手早く」混ぜる
ボウルにひき肉、レンジで加熱した玉ねぎ、牛乳でしめらせたパン粉、卵、塩、こしょう、ナツメグを一度に入れます。
生地に粘りが出るまで、手でよく混ぜます。
このとき、とにかく手早くかき混ぜるようにし、肉タネに体温がうつらないように。
大庭さん:
「押しつけるようにこねたり、混ぜる時間が長引いたりすると、ひき肉が温まって油分が出てきてしまい、ジューシーさが減ってしまうので注意。
わたしは手の形を泡立て器のように、指を立てた状態にしてグルグル回しています。ここはしっかり混ぜますが、短時間を心がけて」
3.小判型に形を整える
できた生地を2等分にし、小判型にかたちづくります。このとき、空気を抜く・真ん中をへこませる、などは特に意識せずとも大丈夫。
その代わり、ひび割れないよう表面は滑らかに。とにかく手早く、ささっと作業していきましょう。
大庭さん:
「ハンバーグを作る時に真ん中をへこませるのは、焼き上がったときの厚みを均一にするため。
なのでもちろん好みでへこませてもいいのですが、特に気にせずとも、ちゃんと美味しくできます。
この後すぐに焼かない場合は、一旦冷蔵庫へ入れておき、ハンバーグ生地からお肉の油分が出るのを防ぎましょう」
4.ハンバーグを「なるべく触らずに」焼く
フライパンに油を少々ひき、ハンバーグを中火で2〜3分ほど焼きます。
焼きはじめたら、極力触らないでじっと我慢するのが一番のコツ。
タイマーをかけておけば、何度も触らずとも、きちんと焼き上がるタイミングがわかるので安心です。
▲横からみたときにこのくらい火が入っていればOK
表面に焼き目がついたら、裏に返します。
現場で見ていたところ、ハンバーグの上部分はまだフルフルしている状態でしたが、大庭さんは気にせず裏返していました。
裏返してからはそのまま触らず、先ほどと同様に焼きます。このように、まず最初に表面だけを焼くことで、旨味を中に閉じ込めていきます。
▲裏返して、このくらい火が通ったら蒸し焼きに
両面に焼き色がついたら、蓋をして、蒸し焼きにします。
火加減を弱火に調整し、4〜5分ほど待ちましょう。
このときも、何度も開けたりせず、じっと我慢すること。蒸気がまわれば、きちんと中まで火が通ります。
時間になったら蓋をあけ、焼き上がりを確認し、お皿へ取り出します。
大庭さん:
「このとき、火加減も時間もレシピ通りに焼いているのであれば、別に竹串は刺さなくても大丈夫です。
竹串を何回も刺すことで、肉汁が流れ出てしまうのが気になっていた……という方はぜひ。
ただし火力や条件は人それぞれなので、もし心配だったら竹串を刺し、肉汁が透明になっているかを確認してくださいね」
5.同じフライパンでソースを作る
ハンバーグを取り出したら、同じフライパンで、そのままソースを作ります。
そうすることでハンバーグを焼くときに出た旨味も、ぜんぶ残さずソースに移すことができます。
一番最初に赤ワインを加え、アルコールを飛ばしつつ、水、トマトケチャップ、ウスターソースを加えていきます。
少し煮詰めたら塩・こしょうをして、とろりとするまで煮詰め、最後にバターを加えて火を止めます。
器にハンバーグを盛り、ソースをかけ、付け合わせのにんじん、クレソンを添えたら完成です。
基本的な材料を使っているのに、完成したハンバーグはお肉が弾むのが目に見えるほど、ぷりんぷりん。ジュワーっとした肉汁に、にやけ顔も止まりません。
ハンバーグって柔らかくできると、こんなに美味しくなるんだ!と、初めての体験に心底驚きました。
撮影中に大庭さんが一貫しておっしゃっていたのは「余計なことをしない」が、一番のコツだということ。
ちゃんとしなきゃと思うが故に、手間がかかりそう、というのがこれまでネックだったのですが、むしろ手を出し過ぎないことで美味しくなるなんて。
皆さんにもぜひ、この驚きを体験していただけたら。きっと何度も作りたくなるレシピになると思います。
・・・
次回は大好きだけれど、うまく包める自信がない。でもいつか絶対成功させたい……! そんなメニュー、「オムライス」のレシピを教えていただきます。
見た目の美しさもさることながら、心とろけるような味わいのオムライス。こちらもまた至福の味わいでしたよ。どうぞお楽しみに。
【photo:濱津和貴】
もくじ
大庭 英子(おおば えいこ)
料理研究家。身近な食材を使い、シンプルで、日常に寄り添うレシピを数多く提案。普段の料理もぐっと美味しくなる、ポイントをしっかりおさえたレシピに定評がある。20年以上、テレビや雑誌などの第一線で活躍し続け、幅広いレパートリーを持つ。著書は「忙しい人のための きほんの料理」(KADOKAWA)など、多数。
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