【44歳のじゆう帖】大人だって毎日成長している
ビューティライターAYANA
子どもの成長は希望に満ちている
息子が春から小学生になります。
生まれてから6年で人ってこんなに成長してしまうのか、というのが正直な感想です。単純に身長や体重は増加する一方ですし、意思の疎通が難しい時代を経て、まだ何を言ってるのかよくわからない部分もありながら会話は基本的に可能ですし、感情や思考も少しずつ複雑になってきています。
子どもが成長する姿はとても眩しく希望に満ちています。
では、44歳の私に可能性は残されてないのでしょうか。息子のように1年で身長が10cm伸びるなんてことはないけれども、個人的には日々成長しているという実感があります。
そこで成長っていったいなんだろう?と改めて考えてみました。
若者が成長していくイメージって速度を伴う直線です。植物がその背を伸ばすように、輝かしい未来のようなものに向かって、一歩一歩前進していくみたいな。昨日より今日、今日より明日のほうができることが増え、知識量が増え、人に必要な要素が構築されていくような。
でも、44歳の今の成長の仕方は直線ではなく、湖に小石をぽちゃんと投げたときに生まれる波紋みたいな形をしています。
自分の核のようなものは中心にあるのだけど、世界が広がっていくような感覚。若い頃に大事にしていたこだわりがずいぶんと小さなものに見えたり、世の中を二元化していた自分に恥ずかしくなったり。色々なことがアップデートされていき、またそれは自分一人の力ではなく、関わってくださる多くの人たちや事象ありきで起こること、なのです。
できることが増えていくという感覚もあるのですが、若い頃の「なんでも吸収して参ります!」みたいな勢いのあるものとはちょっと違っていて、「少し自分の意識を変えるだけで、こんなに世界は美しく見えるんだなぁ」という、視点の広がりのようなものに感じます。
そして、若い頃はそこにあることが当然で、意識すらしなかったこと、たとえば自分と身近な人の健康などの価値をずっしりと感じるようになります。
大人の成長は複雑で滋味深いもの
若い頃は、たったひとつの崇高な真実や、隠された本質のようなものがあると思っていた気がします。そこに到達することに意義がある、というような。しかし年を重ねるごとに、世の中は実に複雑で曖昧で、だからこそ完璧なのだ、と考えるようになりました。
たとえば「正義」は、経験によって培われる価値観や、持って生まれた才能によって、抱くものの色彩が異なる代表的なものだと思います。
自分にとっての正義を持つことは大切ですが、同時に他の人が自分と異なる正義を持っていても、それはその人にとっての非常に大切なもので、自分の正義と等しく価値のあるもの。違うのはごく自然なことなんですよね。
言葉にすると当たり前のようですが、身をもって実感するためには、ある程度経験を積む必要があるのでは、と感じます。
そういった、積み重ねてきたもののおかげで見える景色に学ばせてもらう、という機会が大人は本当に多い。それによって、自分という人間がバージョンアップしている実感は、むしろ若いときよりもあるのかもしれません。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
AYANAさんに参加してもらい開発した
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メイクアップシリーズ
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