【春のからだを労おう】後編:気持ちも身体もリセット上手に。整体師さんの習慣って?
編集スタッフ 岡本
過ごしやすい気候で気持ちも上向く、春。けれど、頭がぼんやりしたり眠気がとれなかったりと、スッキリしない日々が続いています。
そこでこの特集では、整体師の松下るなさんをお招きして、春ならではの不調と上手に付き合うコツをお伺いしています。
すでに感じている不調への対処法をご紹介した第1話に続き、第2話では、松下さんが実際に行っている体のメンテナンス習慣や腰のリセット体操をお届けします。
1日3食にこだわらず、胃腸の休息を。
松下さん:
「おいしいものを食べると、心まで元気になる。
それは事実ですが、人の体にはそれぞれの適正量があり、お腹がいっぱいになると『これくらいがちょうどいいよ』と、リミッターが働くようになっています。
ですが、気持ちの高まりを優先しすぎて限界値を超え続けると、そのリミッターが外れてしまうことがあるんです。
リミッターが外れると適正量を判断できず、自分が食べ過ぎていることに気付けないという悪循環に……。
そうなると、体はパンパンに空気が入った風船のように余白がなくなり、硬くなっていきます」
松下さん:
「立ち上がったりねじったり、人間が健やかに無理なく動くためには、ある程度の余白が必要だけど、それが一切ない状態です。
動かしにくいなか生活していると、胃腸以外の部分に影響が出てくることも。
なので、一日三食食べなくちゃと思いすぎずに、『今日のお昼はスープだけにしてみよう』など、時々胃腸を休ませるようにしています。
一度外れたリミッターも、定期的に胃腸を休めると元の敏感さを取り戻してくれますよ。
その日の自分の気持ち、ではなく、自分の体が何を食べたいか? と、意識する日をつくってみてもいいかもしれません」
胃を休めつつ、おやつも食べたい!そんなときは
仕事柄、常に身体と向きあうからこそ、あまり甘いものは食べないのかな……と思ったけれど、ドーナツやケーキも大好きなのだそう。おやつを食べるときに意識していることについて聞いてみました。
松下さん:
「おやつと聞くと食事と食事のあいだにとる『間食』というイメージがありますが、三食とりつつさらに間食を挟むと胃腸を休めるのは難しいですよね。
でもやっぱりおやつが食べたい。そんなときは、食事とセットにしてしまうのがいいですよ。
おやつも含めて一食になることで、胃が休む時間をきちんと確保できます」
習慣に「自分の好きなこと」を組み込む
▲松下さんの心がワクッとする習慣は、セルフネイルをすることなのだそう。
松下さん:
「体にいいものをいくら摂っても、マイナス思考だと体は吸収できないという側面があります。
だからこそ一日の中で少しでいいから、心からやりたいと思えること、好きなことをする時間をつくるようになりました。
楽しいことをしているときって、皆さんが想像している以上に体はポジティブな反応を起こします。
おいしいコーヒーをゆっくり淹れる、ぼんやり海を眺める、など習慣として自発的に行いたいことは人それぞれ違いますよね。
暮らし方や働き方が変わった人がたくさんいる今、このタイミングを貪欲にとらえて、自分の暮らしをどうポジティブに変換していくか考えていけたらと思っています」
疲れすぎて眠れない……。
そんな日は「体リセット体操」してみませんか?
土台である『腰』の状態が体全体の調子を左右する場合がある、というお話を第1話でご紹介しました。
なので、ふだんとは違う疲れを感じたときは、腰の体操をして、体にかかった負担をリセットするように心がけているのだそうです。
1. 右側を下にして、横に寝る。
このとき、右手を頭の下に置き、左足は前へずらしてラクな体制をとる。腰は自然なS字カーブになるよう、少し反らせて。
2. 左足首を持ち、上方向に持ち上げる。
腰に心地よい力が入る位置をキープ。つらい場合は、無理せず下ろす。この体制でも適度な負荷がかかるので、ステップ2で終わりにしてもOK。
3. 左足のつま先を、斜め後ろ方向に引き上げる。
骨盤の位置をグイッとあげるイメージで、高く上げようと無理をしない。
✔︎point
・左右交代して、1〜3を繰り返す
・太ももに力が入らないようリラックスした状態で
・体の硬さも筋肉量も個人差があるので、目安となる秒数はありません
・つらいと感じたらすぐに降ろしましょう
松下さん:
「この体操をすることで、腰のアーチが正しい位置に戻るサポートしています。
体操で適度な負荷をかけ、体が持つ『元に戻ろうとする力』を使って、硬くなってしまった部分がゆるまっていくという流れです。
疲れすぎて眠れないときなどにも効果的ですよ」
春の不調を乗り越えるためのコツを教えていただけませんか。
松下さんへの一番はじめの投げかけはそんなふうだったように思います。
そこから、体は全体が影響し合っていること、季節に順応すること、心との繋がりがあることなど、今までなんとなく知っていた気がすることを、その一歩先まで、分かりやすい言葉で伝えてくださいました。
曖昧だったこの時期ならではの不調のもとについて、ひとつひとつ納得して理解することができた今年の春。
今では、少し違う角度から自分の体と向き合えている気がします。
(おわり)
【写真】鍵岡龍門
もくじ
松下るな
2002年に井本整体に入門。門下生として修行を積み、現在、東京都・世田谷区に整体院を構える。人体美学の整体・操法により、多くの女性のこころとからだの不調を整えるサポートをしている。
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