編集スタッフ 小林

疲れた日にこそ、魚が食べたい。

それこそ平日夜に作れるくらい簡単で、とびきり旨くて、じんわり染みる優しい味に泣けてくるものがいい。

そんなワガママな願いを叶えるため、この特集では全4回にわたって料理家の中山智恵さんにレシピを教えていただきます。

今回教えていただいたのは、魚の調理に苦手意識がある人にもオススメな「おさかな漬け」のレシピたち。

週末に買った切り身魚を、帰宅後ただ調味料に漬けておくだけで、その週の疲れた夜もさっと一品完成。しかも冷蔵だと3日、冷凍だと3週間ほどの保存が可能です。

この第2話でご紹介するのは「さわらの中華風漬け」。旬のさわらを中華風のタレに漬けたら、あとは水を加えて火にかけるだけ。いつでも簡単に、味が染み込んだお魚の煮付けが作れるレシピです。

 

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じんわりあったか、旨味しみしみ
さわらの中華風漬け

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材料（2人分）

・さわらの切り身 …2切れ（1切れ約100g）
・塩 …少々

漬けダレ
・酒 …大さじ2
・醤油 …大さじ1
・砂糖 …大さじ1
・オイスターソース …小さじ2
・ナンプラー …小さじ1

◎魚の切り身は解凍して使うと水分が抜けてパサつく・しょっぱくなる等の可能性が。なので冷凍ではなく、ぜひ生のものを。

◎煮るときに別途、お水250ccを加えます。また今回は白髪ネギとパクチーをあしらいました。相性バッチリなので、ぜひお試しあれ。

作り方

STEP1. 魚を漬ける

魚表面の水気を軽く拭き、塩少々を両面にふる。10分ほど置いて、表面に浮いてきた水気を再度拭きとる。

漬けダレの材料を混ぜ、魚を漬けたら完成！

＜漬け時間＞
おおよそ半日程度（6時間）〜

＜保存期間のおおよその目安＞
冷蔵：3日程度
冷凍：3週間程度

魚が重ならないように、冷蔵庫もしくは冷凍庫の平らなところで漬けましょう。厚みがあるものは時々上下を返すとまんべんなく漬かります。

 

STEP2. あとは煮るだけ

漬けたら、あとはお水と煮るだけ。冷蔵でも冷凍でも、取り出してそのまますぐに使えます。

▽魚の皮目を上にして、タレも全て鍋に入れる

▽水（250cc）を加えて強火にかける

▽スタート時の煮汁量は「ひたひた」が目安。これより少ないなら水を足す

▽沸騰したらアクをとり、弱めの中火にする

▽落とし蓋をし、煮汁が全体にまわるよう6〜7分（冷凍の場合はもう少し長めに）煮る。

▽身をとりだし、煮汁を煮詰めて完成！

煮汁はお好みの濃さになるまで煮詰めてOK。さっぱりさせたければ短めに、こっくりさせたければとろっとするまで、火にかけます。

先に身をとりだしておくことで硬くならず、しっとりふんわり、柔らかな煮魚に仕上がりますよ。

ここでは魚のみを煮ていますが、アクをとった後に生姜や長ネギ、ごぼうやキノコなど、好きな具材を入れて一緒に煮ても良いそうです。

中山さん：
「この『おさかな漬け』をキレイに煮るコツは、皮目を上にし、煮汁がひたひたの状態で煮始めること。味のベースが決まっているので、仕上がりの味わいを調整できるのが、このレシピならではの良さです。その日の気分や献立のバランスで、おおらかに作ってくださいね。

他にブリや鮭、タラなどを使っても。煮汁にごま油を入れるとプリッと仕上がりますし、黒胡椒や唐辛子、シナモンや八角などのスパイスを組み合わせても美味しいですよ。ぜひ色々と試してみてください」

・・・

ひとくち食べると、心が緩んでホッとするような懐かしさ。だけど食べ進めると、いつもとはちょっと違う新鮮さ。この両方を味わえてしまう、なんとも気の利いた一皿です。

きょうも1日おつかれさまと自分をねぎらいつつ、しっぽりお酒と一緒に楽しんでも。奥行きのある旨味がしっかり染み込んだ煮魚は、疲れた日のご褒美にもいいと思います。

 

次回はお肉のように気楽に使える「カジキのカレー醤油漬け」。ボリュームたっぷりの炒め物アレンジをご紹介します。

 

photo：濱津和貴

中山 智恵（なかやま  ちえ）

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