【春のお弁当計画】第1話:さて何に詰めましょう? 楽しいお弁当箱選びと「基本ののり弁」

ライター 小野民

誰かが作ってくれたお弁当は、蓋を開くのもうきうき。自分のために詰められたその様子を見るだけで、嬉しくなってしまいます。

でも、自分で作るとなると、嬉しいよりおっくうな気持ちが先に出てしまうことも。願わくば、もっと気楽に作れて、大人も嬉しい要素をお弁当に詰める方法があれば……と、お弁当のプロを訪ねてみることにしました。

今回お弁当のレシピやコツを教えてくれるのは、ケータリングチーム「Perch.」のまきあやこさん。東京・笹塚のアトリエには、お弁当、お菓子や瓶詰などが並び、お昼時には次々にお客さんが現れ、たくさんのお弁当が買われていきます。

 

楽しいを入り口に「お弁当箱」を飛び出して

まきさん:
「まずはお弁当箱を用意しなくちゃって思うかもしれないけれど、『何に詰めるか』というところから、お弁当はすごく自由なんですよ。

タッパーなどの保存容器でもいいし、かわいくてとっておいたお菓子の缶や箱を使うのも、気分が上がるしおすすめです」

▲おかずを詰める前と蓋をするときにオーブンシートを使えば、容器は汚さずに使えます

大きめな容器なら、飲み物やお菓子を一緒に入れてしまうのも楽しいアイデア。紙パックのお茶は冷やしたり凍らせたりして、保冷剤の役割を持たせることもできます。

意外な姿をしたお弁当は確かにそれだけで楽しい要素。家に眠ったかわいい缶たちで試したくなってきます。

容器が決まれば、次に知りたいのは詰め方。まずは一番大きな面積を占める「ご飯」を詰めていきます。「冷めてもおいしい」がお弁当の大事な要素。ほかほかのご飯と違って、ちゃんと塩味をきかすのがポイントだそう。

その条件を満たしているのが「のり弁」なのです。

 


隅までぬかりなく、がポイント
基本ののり弁


材料

ご飯…1人分の目安180g
かつおぶし…適量
醤油…適量
のり…ご飯の表面積よりひとまわり大きめ

作り方

1. のりを適当な大きさに切っておく

のりの大きさはお好みで。大きな一枚で仕上げるやり方もありますが、食べにくいので、少し手間はかかりますが1口大に切っておくといいそうです。

2. ご飯の上にかつおぶしを散らし、醤油をかける

お弁当は端の方から食べるものなので、かつおぶしも端までしっかりのせるのがポイント。お醤油の量は適量で。「かつおぶし+醤油」の代わりに、明太子を使ったり、いろんなバリエーションが考えられます。

ちなみに「のり弁のおいしさはかつおぶしのおいしさに左右される」とはまきさん談。Perch.で作るときには、削りたてのものを使うそうですよ。

3. はみ出すくらいのりを敷き詰める

のりは予想以上に縮んでしまうので、置くときには1cmくらいはみ出して置いておくのがきれいに仕上げるコツ。冷めて蓋を閉める頃にはきれいにぴったり収まっていました。

 

季節は「野菜」から感じられる?

まきさん:
「仕切りもお弁当用のものを用意しなくても、オーブンシートで代用したり、生で食べられる小松菜や色がきれいな紅真大根、トレビスなどもよく使います。

焼いた野菜も使い勝手がいいんです。残った野菜に塩をふってささっと焼いて入れるだけで、お弁当全体にリズムができます。

お弁当のおかずって変わりばえしなくても、全然いいと思うんです。その代わり、仕切りやあしらいに入れる野菜で旬を取り入れられればいいですね」

まずは、お気に入りの容器を使ってのり弁当を詰めてみたら、それだけでこれまでとは一味違うお弁当になった気がして嬉しくなりました。

続く第2話では、唐揚げと漬け半熟卵の作り方を紹介。「お弁当向き」に作るコツや、定番のおかずを手軽に「大人味」にアレンジする方法を教えてもらいます。

【写真】志鎌康平


もくじ

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まきあやこ

料理家 Food producer / stylist、Perch.主宰。テーマ性のあるオーダーメイドのケータリングやお弁当、イベントでのフードコーディネーションを手がける他、フードスタイリング・レシピ開発などを中心に活動中。著書に「やってみたら思ったより簡単だった!スグうま自炊生活」。

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ライター 小野民

編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。人間3人、犬猫5匹と山梨県在住。

 


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