【春の養生法】第1話:眠りを深める。リラックスする。頭をクリアにする3つの体操
新生活が始まる春は、期待に胸がふくらむいっぽう、精神面でも体調面でも大きな変化にゆらぎがち。
ちょっと沈んだり、調子を崩したりすることもあるのではないでしょうか。
かくいう私も、眠りが浅くなったり、花粉症に悩まされたり。
そこで、整体指導者として活動する川﨑智子さんに、家事や仕事のあいまにできる春を健やかに暮らすヒントとなるようなお手当て法を教わりました。第1話では、不安を解消して眠りを深くしたり、ふっと息抜きできたりする体操を3つご紹介します。
整体に出会って、不調から回復しました
川﨑さんが整体をはじめて受けたのは、30歳のとき。体を壊してしまったことがきっかけでした。
川﨑さん:
「私は絵を描いて20代を過ごしていたのですが、病院に行くほどではないけれど、あんまり元気ではないという状態を放置していたら、ある日動けなくなってしまって。
それで野口整体と出会い、すごく体が変化したんですね。ひとつはとても冷えていたことに気がつきました。
野口整体は、100年くらい前に野口晴哉さんという方が考案した整体法です。戦前の薬も何もない中で始まりましたから、生活の中で、不調を自分で手当てしていきましょうというシンプルな考え方を持っています。
そんなところも自分に合っていたのでいろいろな方から学ぶようになり、35歳のときに整体指導者として独立しました」
健康であるためには、体の声を大切にしたいけれど……
▲川﨑さんのご著書『日々のぽかん体操』(雷鳥社)。
整体に出会い、自分の体が心地よいか不快か、いま感じていることを大切にしたら、元気になり、機嫌もよくなったという川﨑さん。
川﨑さん:
「自分の体が感じていることと言動を一致させていくといいのですよね。
たとえば、春のお日さまが暖かくて気持ちがいい日に、自分の体はどこにいたいかな、あそこに行きたいなと思ったとしても、これから予定があるからと体の声を封じ込めてしまう。
なかなか子どものときのように自分のタイミングで出かけたり休んだりできない。自分のリズムで動けないことが続くと、調子を崩してしまうきっかけになるのかなと思います。
春は特に、新しい環境でみんながせわしないですし、合わせなければならないことも多く、マイペースではいられません」
▲川﨑さんのご著書の編集担当者・甲斐菜摘さん。自身、1年以上に渡り実践し、体調が良くなったのを感じているそう。今回、整体体操のモデルもしてくれました。
川﨑さん:
「また、湿度が急激に出てくるのに汗がかけず、それで不調な方が多いですね。
汗って皮膚が緩まないと出てこないんですけど、冬の寒さで体は縮こまっていますし、空調のおかげで一年中気温が一定になってきているので、皮膚がゆるんで汗をばーっとかくタイミングがなかなかない。
そのせいで、体の不調が出やすかったり、気持ちが沈んだりするんです。ですから自分の弱さのせいではなく、春というのは体も心も落ち着かない季節なんだと知っておくと、あんまり心配しすぎなくて済むのではないでしょうか」
この時期特有のゆらぎなのだとわかると、自分の身に起きている不調も、納得して対処できる気がします。
そんな春の体におすすめの整体法を3つ教えてもらいました。自分の体が必要だと思うものをぜひ試してみてください。
春の体を健やかに保つ
3つのお手当て
よく眠れる体操
新しい環境で不安が起きやすい春は、睡眠も浅くなりがちに。下半身に適度な刺激を与えて、肋骨をゆるめるこの体操をすることで、ほっと気持ちがほどけて呼吸が深まり、よく眠れるようになります。
1.ひざを叩く
椅子に腰掛け、足が膝の真下にくるようにし、肩幅程度に開く。手を軽く握り、膝頭の上あたりをトントントントンと打楽器を演奏するようにリズミカルに叩く。このとき、かかとに響くような感じがすると良い。目を閉じると、かかとに響いていることがよりわかりやすい。
2.肋骨に手を当てる。
好きなだけ1を行ったら、左の肋骨をくるむように両手を当て、温める。ふーっと息が深くなるのを感じるまで行う。寝て行っても良い。
息抜き体操
緊張して肩に力が入っているときは、この体操を。「はぁ」とため息を吐くのもいいけれど、「ふーっ」と目一杯息を吐くことで、肩の力が抜けていきます。
1.体を左右に揺らす
椅子に腰掛け、足が膝の真下にくるようにし、手のひらを上に向けて膝の上に置く。体をゆらゆらと左右に気持ちよく揺らす。
2.息を吐く
肩や腰のこわばりがゆるむまで(1)を行ったら、口から息を細く、長く、吐く。「うー」と声が出るようにすると、よりゆるむ。何度かくり返して、おなかが空いてきたように感じたら、体の力が抜けた証拠。
頭がすっきりする体操
覚えなければならないことや、やらなければならないことが多い春は、頭の中がいっぱいになりがち。この体操は、頭がすっきりして視界もクリアになる体操です。
1.ゆっくり腰を落として、ゆっくり立つ
足を肩幅に開き、親指を意識してしっかり立つ。ゆっくりと腰を落としていき、足がぷるぷるするところで数秒キープ。しゃがんだ倍の時間をかけて、ゆっくり元に戻る。2、3回行う。
2.深呼吸をする
しっかりと地面に立っていることを感じながら、おなかに手を当てて、吐く息を意識しながら、落ち着くまで深い呼吸をする。
今回、教えてもらった体操は、日常の動作からできているので簡単にできて、少し実践しただけで体がぽかぽかしてきます。ふわっと体が軽くなるのも感じたので、続けてみたいと思いました。
ちょっとした不調は、自分でお手当てして労わることができるとわかっていると安心できますし、心も体もすっきりできそうです。
続く2話では、まだまだ気になる花粉症対策なども伺っています。
【写真】ニシウラエイコ
もくじ

川﨑智子
1970年5月5日宮崎県生まれ。2歳より絵を描き始め、20代まで画家として過ごす。33歳で「野口整体」に出会う。自己観察と活元運動によって不調が回復し、元気になる。35歳で気を独学後、整体指導者として整体活動を開始する。現在「と整体」を主宰し、主に高尾で整体指導を行っている。パートナーと茶トラ猫との3人家族。主な著書に『日々のぽかん体操』(雷鳥社)、『整体対話読本 ある』(共著)など。
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