【訪ねたい部屋】第4話:クローゼット収納と、暮らしを豊かにする整理術
ライター 長谷川未緒
特集「訪ねたい部屋」は、その人らしいインテリアと居心地の良さそうな空間が素敵な方のお宅を訪問し、家づくりのヒントを教えてもらう企画です。
今回、お邪魔したのはライフオーガナイザー2級の津田麻美(つだ・あさみ)さん宅。
第1話では、予算がなくて最低限で建てたという家を理想に近づけた工夫を、第2話ではリビング・ダイニングのインテリアについて、第3話では、キッチンと洗面所の工夫や収納について聞きしました。
続く第4話では、寝ることに集中できる寝室づくりと、ものの持ち方・減らし方を考えたクローゼット収納を拝見します。
整った空間といい香りで、リラックスできる寝室に
2階建て3LDKの津田さん宅では、ふたりの娘さんがそれぞれ1室ずつ使い、残ったひと部屋を夫婦の寝室にしています。
リビングやダイニングはミルキーホワイトがベースカラーでしたが、寝室はグレーに壁を塗りました。
津田さん:
「寝具も白ですし、白に統一してしまうとつまらない感じがしたんです。アクセントになる色を、と思いまして」
6畳の部屋にキングサイズのベッドを置いているのに、窮屈な感じはしません。ものが少なくすっきりしているためか、リラックスできる落ち着いた空間になっています。
津田さん:
「部屋がベッド幅ぎりぎりなのでほかのものを置けないというのもあるのですが、置かないほうがほこりもたまらないので、清潔を保ちたい寝室にはいいですね」
とはいえベッドサイドには、目ざまし時計や読みかけの本、携帯電話などちょっとしたものを置くスペースも必要です。ふつうはスツールなどを用意してしまいそうですが、津田さんは足場板を使って棚を作り、枕元に設置。
▲携帯のコードが床に落ちない工夫も。
好きな香りのエッセンシャルオイルもここに置き、香りを嗅いだり、首筋に塗ったりして、心地よい眠りに入る工夫をしているそう。
津田さん:
「肌触りのいいリネンや、いい香りは必需品です。最近、家にいる時間が長くなったことで取り入れたプロジェクターで自然の風景を壁に映し出したり、ヒーリングミュージックを聞いたりも。
目から入る情報だけでなく、嗅覚や聴覚、感触など、五感が満たされることを大切にすることで、暮らしの満足度があがる気がしています」
定量をキープして、風通しのいいクローゼットに
▲服の掛け方もグラデーションにしてスッキリ。白、黒、茶など、ベーシックなカラーが好み。
寝室のクローゼットには、夫婦の服を収納。マワハンガーで統一して、すっきりしています。
津田さん:
「コートなど丈の長いものだけ、娘のクローゼットに入れてもらっていますが、それ以外は全部ここにしまっています。スペースに合わせるしかないので、すっと服を取り出せる量にハンガーの数を決め、1枚服を増やしたら1枚減らすように。
処分を迷うこともありますが、洋服がクローゼットの中でゆれる気持ち良さというのでしょうか。風通しをよくしておくと、取り出しやすいし、カビなどが生える心配もないので」
ハンガー下の引き出し収納の上には、一時置きできるカゴを用意。すぐには洗濯しない服や、肌寒いときに羽織る上着、洗濯を終えてしまう前のものなどを入れています。
散らかりやすい場所には一時置き場を設けて、すっきり整理する、というのは津田さん宅でよく行われていて、さっそく真似できそうです。
引き出しは、奥行きのあるスペースをうまく使えるよう、クローゼットのサイズを測り、近所のホームセンターで探しました。
中は衣類が倒れないように「セリア」のケースや冷蔵庫用の仕切り板を使って、しまいやすく、取り出しやすくなっています。
津田さん:
「クローゼットは両開きの扉なので、使いやすい真ん中の2列にオンシーズン、両端にオフシーズンの服を入れています。衣替えのタイミングで引き出しを入れ替えるだけなので、ラクですよ」
自分軸でものを選び、暮らしを豊かに
リビングのパントリーもキッチン収納も、クローゼットも、スペースに入るだけとルールを決めて、ものを減らしてきました。管理の手間が省け、持っているものと持っていないものがはっきりするため、無駄遣いが減り、買い物上手になったといいます。
とはいえ、ここに至るまでにはたいへんな道のりだったそう。
津田さん:
「片付けや断捨離の本をたくさん読み、何年もかけてものを整理してきました。ものにはいろいろ染み込んでいるので、ときには泣きながら処分したこともあります。
最近になってようやく、他人軸ではなく自分軸で見極められるようになりました。たとえば自分ではもう好きじゃなくても、ひとからほめられた服や高かった服は捨てられませんでしたが、いまの自分の気持ちに従えるようになってきました。
卒業アルバムも処分してしまったんですよ」
津田さん:
「何年も開いていないですし、持っていていい気持ちになれるならば取っておきますが、見ても恥ずかしいだけなのは一生変わらないな、と。思い切って処分して、後悔はしていないですね。
暮らしとともに必要なものや好きなものは変わりますよね。
たとえば食器も、子どもがちいさかったころは割れてもまた数を揃えられる量産品ばかりが食器棚に並んでいましたが、いまは少しずつ好きな作家さんの器と交換しています」
津田さん:
「いまの自分の気持ちに正直にものを選び、インテリアを整えていくことで、大げさに聞こえるかもしれませんが、自己肯定感が高まり、日常の中に幸せを感じることも増えたように思います」
DIYで実現した理想の住まいは、自分の好きを追求し、面倒がらずに行動を起こすことでできあがっていました。
ものと真剣に向き合うことで生活が豊かになり、心が整うという津田さんからは、大いに影響を受け、さっそく使っていないものの整理をはじめました。
空いたスペースにはきっと、毎日を少し幸せにしてくれるものが入ってくるような気がしています。
【写真】MEGUMI
もくじ
津田 麻美
独学でインテリアコーディネートやDIYを学ぶ。友人宅のインテリアや整理収納を手伝ううち、趣味が高じて仕事に。ライフオーガナイザー2級。“心地よい暮らし”をテーマに日々の生活をインスタグラムなどで発信中。
Instagram: @asamiiimasa
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