【訪ねたい部屋】第1話:予算がなくても。住みながら「好きな家」にアップデートしていく工夫

ライター 長谷川未緒

自分らしくいられて、居心地がよくて、インテリアが素敵で掃除がラクで。そういう家が理想で、日々、試行錯誤しているのですが、実現までにはなかなかハードルの高さを感じています。

そこで、特集「訪ねたい部屋」は、自分にフィットするインテリアを楽しんでいる方に、家づくりのヒントを伺う企画です。

今回、お邪魔したのはライフオーガナイザー2級の津田麻美(つだ・あさみ)さん宅。

津田さんのことを知ったのは、私・ライター長谷川がよく遊びに行く友人宅がきっかけ。数ヶ月の間にみるみる住みやすそうに変貌を遂げていて、どうしたわけか聞いたところ、津田さんに収納などをお手伝いしてもらっているというのです。

「麻美さんの家はすごいんだよ〜」という友人の言葉に誘われてさっそく伺ったところ、センスと工夫に溢れていて、ほんとうに素敵。

第1話では、予算がなくて最低限で建てたという家を理想に近づけた工夫を中心にお聞きします。

 

子育てしやすい環境を求めて、郊外に建てた家

津田さん宅があるのは、東京から1時間ほどの郊外の住宅地。築20年で、およそ80平米の2階建て3LDKに、夫と高校生と大学生の娘ふたりと4人暮らしです。

玄関に足を踏み入れた瞬間、ほのかにいい香りが漂ってきて、深呼吸したいような、すがすがしい空気に包まれました。

リビングに進むと、ヨーロッパの古い家のような落ち着いた雰囲気です。

上の娘さんの妊娠を機に、実家近くの子育てしやすい環境で暮らしたいと、この家を建てたそう。

注文住宅と聞き、だから好きに建てられて素敵なのね、と思ったのですが、当時は25歳とまだ若かったこともあり、予算がかなり限られていて諦めたことも多かったのだとか。

津田さん:
「譲らなかったのは、立地と間取りくらいですね。子どもが学校から帰ってきて、まっすぐ2階の自分の部屋に上がらないようにリビング内に階段を設けることだけ、こだわりました。あとはその都度自分でやればいいかな、と」

 

理想の実現は、壁の漆喰塗りから

入居してまずはじめたのが、壁の漆喰塗りでした。

津田さん:
「20年前は、壁を漆喰にしたいといったらこだわりが強い人だとけむたがられるくらい、あんまりやっているところがなかったんです。

そのせいか見積もりが何百万と跳ね上がってしまい、それなら自分でやろうと思いました」

子どもが寝たあとに、玄関の壁からはじめて、洗面所、リビング、ダイニングと、夜な夜な少しずつ。

津田さん:
「クロスの上に下地を塗り、それから作った漆喰を塗りました。夫や友人に手伝ってもらえば1日で終わったかもしれませんが、何人かでやるとタッチが変わるから、ひとりで塗りたくて。

実作業は数日だと思いますが、疲れたり、自分の中で漆喰ブームが去ったりして中断し、またスイッチが入って再開、というのをくり返したので、完成まではけっこうかかりました。全部塗り終わったときの達成感といったら、もう言葉にできないくらいうれしかったです」

新築の家の壁を自分で塗るなんて、考えただけですごいし諦めても良さそうなものですが、前に住んでいた賃貸住宅でDIYをしていた経験があったからできたといいます。

津田さん:
「新婚当時に暮らしていたマンションが古かったこともあり、内装を自由に変えてもいいよ、という物件でした。

好きな色のペンキを買ってきては、キッチンの壁や戸棚を塗り替えたりして工夫していたんです。とはいえ知識はないので、あこがれの洋書や雑誌を真似して。

自分の思い描いたことを形にできるんだ、とわかったことで、もっとやってみようと思いました」

DIY熱が高まる中、後押ししてくれる出会いもあったといいます。

 

好きを形にすることで、理想の家に近づける

津田さん:
「ライフクリエーターの青柳啓子さん主宰のワークショップに参加したことがあったんです。まだちいさかった子どもを預けてまで出かけたので、すごくよく覚えています。

その方も、洋書を見て、自分でDIYしたり工夫したりしていると聞いて、自分ももっとやってみようと思いました」

津田さんが家づくりに励みはじめた20年前は、いまのようにインターネット検索もできず、DIY情報も少なかったため、情報収集はもっぱら洋書から。

こんなインテリアにしたいな、という憧れに、ひとつずつチャレンジしてきました。

津田さん:
「結婚した当初は、アジアンテイストが好きだったんですが、新居に越してきてから好みが変わってきて、ヨーロッパのアンティーク風が落ち着くようになりました。

でも家具を買い替えるには費用もかかりますから、すぐにはできず。そこでそれまで持っていたアジアンなダークブラウンの家具を、表面をやすりで削って白くペイントしたりしました」

津田さん宅のベースカラーは、ふんわりとしたやさしいミルキーホワイト。真っ白だとクールになりすぎるし、きなりだと暗くなるので選んだ色だといいます。ホームセンターに通って、好みに合う色を探しました。

津田さん:
「色が変わるだけで印象がまったく違ってくるので、気になるところがあったら色を変えてみるのは、理想の家に近づく第一歩になると思います。

最初はうまくできなくても、経験を積むことが糧になると感じています」

 

家具は高さのないものを選び、広く見せる工夫を

実際以上に広く感じるリビング・ダイニングですが、よく見ると意外に家具が多いことに気がつきます。

津田さん:
「全体的に高さがない家具を選ぶようにしています。木材やガラスなど、自然素材でできた家具は、圧迫感もないし、落ち着きますね」

家具を選ぶときにはかなり慎重で、ぴったり好みのものに出会えるまで根気よく探すそう。

津田さん:
「たとえばダイニングテーブルのそばに置いている食器棚は、椅子の邪魔にならない浅い奥行きで、窓と窓のあいだにぴったりおさまる横幅の、背の低いものを探しに探して、最近になってようやく見つけました」

津田さん:
「扉がガラスなので、お気に入りの器が眺められて、よいお買い物ができたと大満足しています」

津田さん宅には好きなテイストの変化に合わせて迎え入れた家具や照明など、素敵なものがまだまだたくさん。こんなことまでできるの!?と驚くDIYも。

続く第2話ではリビング・ダイニングのインテリアの中心となる家具や、DIY、収納など、たっぷり伺います。

 

【写真】MEGUMI

 

もくじ

 

津田 麻美

独学でインテリアコーディネートやDIYを学ぶ。友人宅のインテリアや整理収納を手伝ううち、趣味が高じて仕事に。ライフオーガナイザー2級。“心地よい暮らし”をテーマに日々の生活をインスタグラムなどで発信中。
Instagram: @asamiiimasa

 


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