【あんこ三昧】第1話:ミルクパンでつくる。食べきり「粒あんこ」
編集スタッフ 寿山
むかしむかし、おばあちゃんがくれるおやつには、必ずあんこが入っていたものです。
子どもながらに「あんこに日本茶」という渋めの組み合わせが大好きで、ケーキの特別感とはまた違った、ほっこりと気持ちを和ませてくれるあんこに夢中でした。
いつか自分であんこを作ってみたいと憧れはあっても「大変そう」「どうやって消費したらいいかわからない」など、ハードルを感じてしまって……。
そこで今回は、おうちにある小ぶりなお鍋で気軽に作る、食べきる量のあんこ作りを、吉祥寺で「季節の和菓子 omatsu」を営む松立直子(まつたて なおこ)さんに教わります。
ミルクパンで気軽に作る
食べきり「粒あんこ」
材料(粒あんこ300g分)
・小豆……100g
・グラニュー糖……100g
・塩……ひとつまみ
下準備
・鍋の重さを計っておく(工程3.の仕上がりが300〜320gになるまで餡を練り上げる過程で、鍋ごと重さを計るため)
1.小豆の渋切りをする
小豆を水でさっと洗い、水を切り鍋に入れ、100g水を入れて中強火にかける。
沸騰したら差し水50gを入れて、再び沸騰したら2分程ふつふつと火を通し、一度ザルに小豆をあけてさっと水で洗う。
水を切った小豆を鍋に戻し、100gの水を入れて再び火にかける。沸騰したら強めの中火で7〜10分煮る。
▲火は弱めずに、沸騰したら差し水を各50gずつ3〜5回ほど加える。差し水をすることでアクが出て煮汁が写真のように赤くなる
豆のシワがピンとし、きれいに丸くなったら火を止め、ザルに小豆をあけて水でさっと洗う。
▲豆のシワがピンとなったところ
2.小豆を煮る
▲紙蓋はクッキングペーパーを鍋の大きさに合わせて切り、蒸気孔をあけたもの。アルミホイルで作っても◎
小豆を鍋に戻し、150gの水を入れて火にかける。
沸騰したら弱火にし、豆が踊らないよう紙蓋をして40〜50分ほど煮る。このとき、豆が湯から頭を出さない程度に差し水をする。豆の皮が十分に柔らかくなったら火を止めて20分ほど蓋をして蒸らす。
蒸らした小豆の煮汁を、鍋を傾けて切る。
3.砂糖を加える
用意したグラニュー糖の半量を鍋に入れ、火にかける。先に入れた砂糖が溶けたら残っているグラニュー糖を入れる。
中火で火を通しながら、時々ヘラで優しく返す。途中で鍋ごと重さを計りながら、仕上がりが300〜320gになるまで餡を練り、塩をひとつまみ加え火を止める。
▲鍋ごと重さを計るのは、総量から鍋の重さを引くことで、練り上がりの餡の重さを把握するため
出来上がった餡をボウルかバットに移し、餡にラップを密着させるようにかけて、熱を取る。
松立さん:
「渋切りを2回することで、小豆の風味がよくなり淡白な味わいの餡になります。好みで回数を調整しても◎。少しかために茹でた小豆を白米に混ぜて炊くと、豆がつぶれず、おいしい小豆ごはんができます」
出来たてあんこの楽しみ方
おうちで作ったあんこは、よくトーストにのせて楽しむという松立さん。トーストした食パンに、粒あん、バターを載せたら、ひとつまみのお塩(おすすめはゲランドの塩)をふりかけると、餡の甘みとコントラストを生んで美味しいのだとか。
さらにヨーグルトとの相性もいいそう。ジャムやはちみつなど甘みの替わりに、粒あんこを入れて食べるのもおすすめと教えてくれました。
さて、次回は今日つくった粒あんこを楽しむのに、ぴったりのおやつレシピを教わります。
【写真】濱津和貴
もくじ
松立直子
和菓子研究家の金塚晴子に師事したのち、吉祥寺に「季節の和菓子 omatsu」を開く。7月より吉祥寺に和菓子教室を開講予定。教室と今後の和菓子販売の詳細はInstagram(@omatsu_wagashi)にて更新中
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