【きほんの観葉植物】水やり・日当たり・風通し編:素敵な姿をキープする。動画で学ぶ、プロのコツ

編集スタッフ 糸井

育て方はこれで合っているのかな……ここに植物があったら素敵なのだけど、枯らしてしまったことがあるし……。観葉植物を部屋に置くことを思うと、つい小声になる気持ちを思い出します。

でも、これを見直せば大丈夫。そんな気持ちがやってくるコンテンツを、植物のプロであるフラワー&グリーンスタイリストのさとうゆみこさんと一緒に作りました。

今回は、動画と読み物を一緒にお届けすることに。

たとえば、水やりのベストは? 置く場所の日差しはどのくらい? など、知っているようで自信のない微妙な塩梅を、動画でより分かりやすく。そして、忘れたときに見返しやすいよう、読み物を用意しましたよ。

さとうさん:
「きほんのお手入れで押さえるポイントは、『水やり・日当たり&風通し』だけ。お手入れといっても、『大きく育てるために』というより『綺麗な姿をキープするために』という目的感でチャレンジしてみてもらえると、少し気楽に取り組めるかなと思うのでおすすめです」

まずはぜひ、動画を。もしくはこちらの記事にお手入れのポイントをまとめていますので、おさらいや予習がてらご活用ください。

 

Point 1


水やりは、これで完璧


▲土の上に水がたまる空間をウォータースペースといいます

さとうさん:
「植物にお水をあげる時には、『一度にたっぷり上げる』ということを意識してください。

水を毎日少しずつ足していくのではなく、たっぷりあげて、それぞれ鉢によって日にちをあけるというのが、いい水やりの方法。土の中に水がパンパンになる状態を一回作ってあげます」

水の量
1.ウォータースペースいっぱいに、水をたっぷりとあげる

2.一箇所に注ぎ込むのではなく、ふちに沿ってまんべんなくかける。コーヒーをドリップするときのようなイメージで。ウォータースペースに一度水がたまるようなら、そこにためてから沈んでいく形でも◎
3.根腐れ防止のため、受け皿に溜まった水は捨てる(ただし、溜まった水がすぐに鉢に吸収されるようであればそれを待ったほうがいいです)

タイミング
・土の表面が乾いていて、土の中はまだ湿っている状態(サボテンなどは別)

さとうさん:
「なぜ日にちをあけるかというと、根は水を吸うだけでなく、呼吸することも必要だからです。

図解で説明すると……たっぷり水やりをした後、根と土のあいだは一旦水で埋め尽くされてしまいますが、根が水を吸収することで、そこに小さな空気のつぶ(スペース)が生まれてきます。

健康な土壌環境は、根がその空気で呼吸をすることが大切で。次の水やりでその空気は底穴へ水とともに押し出され、また新しい空気が土の中に生まれる。このサイクルを繰り返してあげることが、理想の水やりなんです」

▲Air(空気)、Root(根)、Soil(土)。こちらも動画に登場しています

また、もともとの土のブレンドやその植物の貯水力(貯水力の高いものから並べると、サボテン>多肉質のもの>アイビーなど>シダ類となります)で微妙に変わってくるもの。まずは土の表面の乾き具合から判断してくださいね。

土の乾きの見分けかた

▲1日前に水をあげたもの。触ると指にすこし土がつくように、表面まで湿り気が残っている

▲左は3日前に水やりしたもの。表面は乾き、土中はまだ少し湿っている状態で、ここがあげどき。右は中までカラカラに乾いている状態。サボテンならこれでOK

 

Point 2


日当たりは
置き場所のローテーションで解決!


▲植物はもともと外で生きるもの。外に置くと、風で揺れることで根が強く張り、程よい湿度があるおかげで丈夫な株に育つそう。ベランダに出すのが難しい場合は、無理に外に出さず、部屋のなかで一番いい場所をつくり、そこを筆頭にローテーションを組んであげればOK!

さとうさん:
「部屋のなかにグリーンを配置したい場所がいくつかあると思います。できればすべて適度に日当たりの良い場所がベストですが、なかには暗い場所もあるでしょう。

こんなときは、場所をローテーションで変えていきます。たとえば1週間室内に置いていたら、次の1週間は明るいところに移動するように。

ここをしっかり意識すれば、たとえば日中暗いキッチン横に置く日が続いても大丈夫。そのあとは明るいところに移動してあげてくださいね」

 

植物と暮らすための心づもり

さとうさん:
植物をはじめて育てるときや、久しぶりに置くというときは、暮らしに水やりの習慣がない状態からのスタートなので、1つだけ置くのでなく、気に入ったものがあれば5つくらい置いてみるのもいいですね。少なすぎると、お世話することをうっかり忘れちゃうものですから」

本来、外で育つべき「植物」を、インドアで育てるのは難しいもの。枯らしてしまうことは誰にでもある、と思っておくのも大切な心づもりかもしれませんと、さとうさん。

まずは見えやすい、好きなところに置いて、気にかけてあげることが第一歩。たとえば肌の不調に気がつくように、毎日見てあげることが大事なのですね。

後編では、元気がないときのレスキュー方法についてたくさん伺いました。

もっと詳しいお手入れシーンを、動画でご紹介しています。ぜひこちらもお楽しみください!

【写真・動画撮影】上原朋也


もくじ

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さとうゆみこ

フラワー&グリーンスタイリスト。「green & knot」を主宰。フラワーショップやインテリアショップ、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコーディネイトやグリーンアドバイザーのほか、植物にまつわるあらゆるジャンルで活躍している。自宅で行なっているフラワーレッスンも人気。Instagramは@yumikosatoooから。


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