【好きが拡がる家づくり】02:洗濯家事が苦手だから。散らかり知らずの洋服収納と、水回りの紆余曲折ばなし
編集スタッフ 糸井
家をいちから作るなら、ありったけの好きやこだわりを形にしてみたいと夢見つつ、上手くできるかな? と想像することがあります。
そんな不安も、自分の好きが拡がるステップとして、軽やかに楽しんでみるのも面白いのかもしれません。
今回訪ねたのは、フローリストであり、東京・世田谷区にある花と緑のアトリエ「malta」店主の布山瞳(ふやま ひとみ)さんです。
第1話では、家づくりの過程や紆余曲折、リビングまわりのインテリアについてお話しいただきました。
第2話では、クローゼットや水回りについて詳しく伺っていきます。
2階は、唯一のお籠りエリアなんです
1階・3階の開放的で白い基調とはうって変わり、2階はトーンダウンされた空間。この階には、寝室やクローゼット、子供部屋に、洗面所やバスルームがあるそうです。
布山さん:
「一般的な家と比べて、2階の天井が低く、木の基調も暗めで、どの部屋の窓も小さいんです。他の階が開放的な分、この階は、籠もった場所になっています。
最初はその差に驚いたんですけど、明るさの違いが階によって切り替わるのも、たしかによくて。寝室に本を読みに行くと秘密基地感があって落ち着くし、リビングに上がると明るく、気分が晴れるんです」
洗濯家事が苦手。だからクローゼットに工夫を詰め込みました
▲3階リビングも、この部屋のカーテンも『kakapo』にオーダーしたもの。
ドアを開けてまず目に入るのは、通路の両側が白いカーテンで閉じられた空間です。
布山さん:
「ここはクローゼットなんです。左は私、右は夫と息子のスペースで、上下に2本ずつパイプがあり、それぞれ一年分を洋服を掛けています。
家づくりの希望は色々とありましたが、クローゼットにも譲れないことが2つありました。家族が自室に服を収納するのではなく、同じ場所に集約してほしかったのと、それを部屋の通路に面してほしかったんです」
布山さん:
「私、家事のなかでも、洗濯物を干して畳んで片付けるという一連の作業が本当に苦手で……。歴代の家では物干しにかけっぱなしにしたり、取り込んだまま山盛りにしていたりをし続けて。でも、このつくりになってからは本当に片付けられるようになりました。
隣の部屋に設けたランドリールームで干して、乾いた物はそのままここに掛けています」
▲扉の裏には全身鏡をつけてもらったそう。空間を最大限に活かす工夫があちこちに。
布山さん:
「はじめはカーテンではなく扉の予定でしたが、思ったより通路が狭くなるので変更しました。予算的にも嬉しいし、開閉も手軽に。普段は開けっ放しで風通しよく、来客時などの閉めたい時だけ閉めています」
通路の奥には寝室と子供部屋があり、朝起きてリビングに行く前、各々がここで導線よく着替えられるそうです。
見た目も、掃除のしやすさも諦めたくないから
続いて、隣の扉を開けたところにあるバスルームと洗面所を見せてもらいました。
布山さん:
「お風呂のつくり方も、何度も話し合った箇所でした。
先方には、メンテナンスが楽なハーフユニットバスを勧められていました。でも、折角家をつくるなら、憧れのタイル張りがいいなと譲れなかったんです」
▲水栓周りは、前の家で使っていたものを使い回すことに。
そんなタイル選びはどうやって進めたのでしょう?
布山さん:
「建築家の方には『タイルメーカーだけでもかなりの数になるから、全部を見比べてたら決まらないですよ』と言われていたので、色調など好みのタイルのイメージを画像で伝えて、それに近しいものを何個か選んでもらいました。
はじめは海外のSNSで見かけるような小さいサイズのタイルを提案されていたんです。確かに可愛いな……と惹かれたんですが、目地の掃除もできるだけ楽にしたくて。最近の目地はカビがつきにくいそうなのですが、ここはこだわりたくて。なるべく大きなタイルでとお願いしました」
バスルームの横には、グリーンが飾られていました。
布山さん:
「本当は外に出られる寛ぎスペースを作りたかったのですが、お風呂場が狭くなるので、その分バスルーム内を広くすることに。グリーンを飾ったり、洗濯物を干したりできるので、お気に入りの場所です」
混み合ってもへっちゃらな、洗面所
布山さん:
「洗面台も何度も検討した箇所で。置き型タイプの洗面ボウルがいいなと思っていたのですが、掃除のしやすさを優先して埋め込み型にしました。
家族3人、朝の身支度で場所を取り合いがちだったのもなんとかしたくて。洗面台を2つに分けるのは厳しかったので、1つでも十分に大きく、横幅のあるものにしました」
▲タオルフックは、デンマークのブランド『MOEBE』のものを。
布山さん:
「設計上、洗面所の天井あたりに太い梁が出るかもしれないと言われていたので、真ん中に1枚大きなミラーを置くのは難しく、2枚に分けることに。松蔭神社にある『This__』の個展で見つけた吉川和人さんのミラーに一目惚れして、迎えました。
鏡が2枚に分かれていると、家族と横並びになっても意外とスペース取りに便利でした」
▲ダストボックスに、アクセントカラーのゴールドで。洗える素材なので便利なのだそう。
こうして、できることと、できないことを見分けながら、自分の諦められないものはしなやかに実現していく布山さんのお家づくり。続く第3話では、キッチンと寝室まわりのインテリアについてお話を伺います。
(つづく)
【写真】メグミ
もくじ
布山瞳(ふやま ひとみ)
フローリスト。花と緑のアトリエ『malta』店主。撮影、店舗装飾、ウェディング装飾なども手掛ける。季節感や色彩、素材の調和を大切に、暮らしを豊かにする提案をしている。Instagram:@maisonmalta
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