【ベランダ日和】第1話:家にあるものを並べてもこんなに楽しい。もう一つの部屋みたいにベランダでくつろぐヒント
編集スタッフ 藤波
すっきりと澄んだ秋晴れの日には、思わず空を見上げて深呼吸したくなります。
そんな一年の中でも貴重な気持ちのいい日を、今年こそ存分に味わいたい。アウトドアも憧れるけど、休日はできれば家でゆっくり過ごしたいな。
そこまで考えて、「そうだ、ベランダに出てみよう」と思い当たりました。
とはいえ、これまで洗濯物干しでしか活用できていなかったベランダ。何から取り掛かればいいんだろう? 居心地よく整えるには? 分からないことだらけです。
そこで今回は、整理収納アドバイザー / インテリアスタイリストの村上直子(むらかみ なおこ)さんに相談に乗っていただき、すぐに楽しめるベランダインテリアを教えてもらいました。
最初の一歩。ベランダでどう過ごしたい?
村上さん:
「これからの季節はベランダで過ごすのが気持ちよさそうですね。
とはいえ、いちからアイテムを揃えようと思うと費用がかさむし保管場所もネックに。雨ざらしになる場合は、お手入れ問題も気になるところです。
まずはどんなふうにベランダで過ごしたいのかを考えてみると、必要なアイテムが見えてくると思います」
ベランダでしたいこと……ご飯を食べたり、本を読んだり、ぼーっとしたり。リラックスできると嬉しいので、外からの視線を遮れたら落ち着きそうです。
村上さん:
「なるほど、こぢんまりとしたスペースがあれば良さそうですね。
それなら今回は全面にタイルを敷いたりしなくても大丈夫。ベランダ時間を過ごすときにだけパパッと設置できるようなインテリアを考えてみましょうか。
特別なアイテムがなくても、すでに家にあるものを色々組み合わせることで居心地のいい空間を作ることができますよ」
リラックスするために大切なのは、「低め」で揃えること
▲トレー:IKEA、ラグ:IKEA
村上さん:
「リラックスできるベランダをつくるためのキーワードの一つが、『低い位置』に空間をつくることです。
足を伸ばしてリラックスできますし、視線が低めになることで目隠しも最小限で済むんです。
まずは、必要なスペースにラグを敷きます。『IKEA』のLYDERSHOLM(リーデルスホルム)というシリーズは水や汚れに強く、軽いのでお手入れもしやすいですよ」
村上さん:
「テーブルは新しく買わなくても、大きめのトレーをプラントスタンドの上に置くだけで立派に役目を果たしてくれます。家の中で用意したお茶や料理をトレーに乗せてそのまま持ってこられるので効率的ですしね。
スタンドがない場合は、適当な大きさの収納ボックスやカゴを土台にしても可愛いです」
枕を干すついでに。こんな朝のひとときを
▲物干しタワー:BIERTA
村上さん:
「外からの目隠しとしておすすめしたいのが、物干しタワーやコートラック。タオルケットなどの布をかけるだけであっという間に簡易的な目隠しになってくれるんです。
観葉植物を育てている方は日光浴がてら外に出したら、こちらもちょっとした目隠しに。
おこもり感は少ないかもしれませんが、目線が低いからこれだけでも予想以上に安心できます。何より外にいる気持ちよさもしっかり感じられますよ」
朝起きて、タオルケットや枕などの寝具を干すついでにお茶を飲んだり、少しだけ読書したり。家事のついでに楽しむベランダ時間の妄想がむくむく膨らみました。
新しく色々買わなければと思うとハードルが高く感じてしまいますが、これなら気軽にできそうです。
▲バケットスツール:POST GENERAL®️
村上さん:
「くつろぐ際にはクッションに座ってももちろんいいですし、お尻が痛くなってしまいそうな方にはこんなアイテムもおすすめです。
バケツのフタに座面シートをプラスした、座れるバケツ。例えば普段は園芸グッズなど細々したものを収納しておいて、必要なときだけ椅子になるのが便利なんです。
このバケツのように何通りかで使えるアイテムは様々な場面で活躍してくれるので、アイテム選びに迷ったらそういう視点で探してみるのも面白いですよ」
家族や友人と楽しむなら?
▲アウトドアチェア:FIELDOOR
村上さん:
「何人かで楽しむようなシーンで、全員分の椅子を揃えようと思うと大変ですよね。でも、全体的に低めに揃えておくことで、椅子の高さが多少バラバラだったりクッションに座る人がいても気になりません。
植物がいくつかある場合は、プラントスタンドを活用して高さにメリハリを持たせるとバランスよく飾ることができます」
▲ウォールポケット:VOIRY、ラック:POST GENERAL®️
村上さん:
「おすすめしたいアイテムがもう一つ、布製のウォールポケットです。カトラリーや瓶の飲み物、お菓子をポケットに収納すると地面に細々したものを置かずに済みますし、ぐっと楽しい雰囲気になります。
ウォールポケットは普段はクローゼットで靴下などを収納したり、洗面所の扉に取り付けてドライヤーを収納したり、家の中での使い方もたくさん。
今回はアウトドア用のハンガーラックにくくりつけましたが、洗濯物干しやベランダの柵に直接取り付けることもできますね」
ベランダをもう一つの部屋のように捉えて
▲デザイン性のあるトレーはインテリアとして飾っても素敵でした
村上さん:
「肩肘はらずに、ベランダをもう一つの部屋のように捉えて『何があったら嬉しいかな?』と考えると、新しいアイテムを一から揃えなくても居心地のいい空間が作れると思います。
今回紹介したアイテムも、ほとんどが普段は室内で使うことができるもの。そんな、外と中を繋いでくれる便利なアイテムをぜひ探してみてくださいね」
難しいと思っていたベランダインテリア。過ごし方に合わせて必要なスペースだけを整えると考えたら、ぐっと気が楽になりました。
洗濯物を干した後にベランダでサンドイッチを食べたいな、だから明日の朝は早起きしよう……変わらない普段の生活に小さな楽しみが増えそうです。
続く第2話では、素敵に整えたベランダで楽しみたい、アウトドア気分を感じられるレシピを料理家の今井真実さんに教えてもらいます。お楽しみに。
(つづく)
【写真】土田凌
もくじ
村上直子
整理収納アドバイザー、インテリアスタイリスト。アフタヌーンティーリビング事業部でディスプレイを担当後、独立。現在はフリーランスで活動中。カタログスタイリングや装飾美術も手がける。Instagram:@kikiuchireset
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