【初夏の体にやさしいおかず】01:カレーの香りで食欲アップ!「じゃがいもと豆のスパイストマト煮」
ライター 瀬谷薫子
少しずつ、汗ばむ時期になってきました。気温の上下に加えて、これからの季節は梅雨のジメジメも。小さな変化は身体にひびき、なんとなく不調を感じているという人も多いかもしれません。
そんなこの時期に知りたいのは、体想いの優しいおかず。暑い日でも食べやすいく、体調を整えてくれる日常に寄り添った4品を、料理家であり国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんに教わりました。
どれもおいしいくて体にいいだけでなく、とても手軽なのが嬉しいところ。これからの季節、暑くてキッチンに立つのすら億劫な日も、これならすぐにできあがります。早速今日の夕ご飯にいかがでしょうか?
1品目は、食欲がわかない時におすすめしたい、消化を助けるおかずです。
カレーの香りで食欲アップ
じゃがいもと大豆のスパイストマト煮
材料(2人分)
じゃがいも…2個・200g
大豆水煮…100g
ベーコン…2枚
にんにく…1片
A
水…100ml
トマト缶(ホールタイプ)…1/2缶
白ワイン…50ml
カレー粉…小さじ1
塩…小さじ1/2
オリーブオイル…大さじ1
粗びき黒こしょう、パルミジャーノ・レッジャーノ…適量(仕上げ)
「食欲不振」に効く食材は?
齋藤さん:
「梅雨時は湿気が多く、余分な水分が身体に溜まりやすくなります。すると冷えや消化吸収機能の低下が起こり、食欲不振につながることも。
じゃがいもは『健脾(けんぴ)』という効能をもつ食材。『脾』とは体の巡りを助ける臓器で、それを健やかにすることで、消化吸収の力を強めてくれます。
大豆は『利水(りすい)』といって余分な水を排出する効果があり、体に溜まりがちな老廃物を外に出してくれる食材。
カレー粉のような香りのある食材には『理気(りき)』といって『気』を整える効果があり、季節の変わり目など、ストレスによって停滞しがちなエネルギーの巡りを促進させてくれます。スパイシーな香りも、食欲の増進に効果的です」
作り方
1.じゃがいもは皮をむいてひと口大に切り、水に5分さらしてから水気を切る。ベーコンは1.5cm幅、にんにくはみじん切りにする。
2.フライパンにオリーブオイル、ベーコン、にんにくを中火で熱し、香りが立ってきたらじゃがいもを加えて炒める。
3.全体に油が回ったら、Aと大豆の水煮を加えて30秒ほど煮立たせ、蓋をして弱火で15分ほど、じゃがいもが柔らかくなるまで煮る。器に盛り、好みで粗びき黒こしょう、パルミジャーノ・レッジャーノを振りかける。
齋藤さん:
「カレー粉の量は好みで調整OKです。辛いのがお好きなら少し多めに、反対にお子さんも食べるなら少なめにしてみてください。パンにのせてもいいですし、ごはんにかけてもおいしいです」
シンプルなトマト煮込みも、ひとつまみのカレー粉で全く違う雰囲気に。コクのあるトマト味にスパイスが香り、食欲をそそる味わいになりました。
トマトの酸味でこれからの季節でも食べやすく、じゃがいもと大豆で手軽なエネルギー補給にもぴったり。食欲のない時ほど、つい冷たくさっぱりしたものを食べがちですが、こんな温かい煮込みこそ味方につけたいものです。
【写真】濱津和貴
もくじ
齋藤 菜々子
料理家、国際中医薬膳師。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材で作る親しみやすい家庭料理のレシピを雑誌やwebで提案している。近著に『レンチン薬膳ごはん(いつもの食材で体がととのう)』(家の光協会)、『毎日食べたい 整いカレー』(文化出版局)など。Instagram:@nanako.yakuzen。
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