【あの人のクローゼット収納】後編:一人暮らしでも、古着屋のように楽しく収納できたら(遠藤美南さん)

編集スタッフ 糸井

クローゼットを開けると、どんな気持ちになりますか?

おしゃれの身支度に、洗濯物の片付け。毎日使うクローゼットがもっと使いやすく、自分好みの見た目になったら、慌ただしい朝にひとさじの嬉しさが加わりそうです。

そんなクローゼット収納をしたく、気になるあの人たちのクローゼット事情やおしゃれにまつわる収納術について聞くことに。

後編では、衣装製作の仕事をしている遠藤美南(えんどう みなみ)さんを訪ねました。ワンルームの収納のヒントを伺ってきましたよ。

遠藤さん:
「仕事柄もありますが、小学生くらいから気がつけば洋服が大好きでした。ここが初めて一人暮らしをした家。それまでは実家だったので洋服収納にあまりこだわりがなかった分、収納を考ることはほぼ初めて。

一人暮らしならではの限られたスペースをどう使いやすく、かつ可愛く収納できるか。どちらも諦めたくなくて、少しずつ模索して形になってきました」

 

クローゼットの中は、使いやすさを重視

遠藤さんのクローゼットは、コンパクトめ。ここに様々なアイテムがギュッと収納されています。たたんだり、ハンガーにかけたり、かごを吊り下げたり。クローゼットの上には、季節外れのニット類を入れています。

遠藤さん:
「右側にワンピースやオーバーオール等の丈が長いアイテムを。空いたスペースにインナー、ソックス、パジャマごとに収納ケースに分けて入れています。その上にスラックスのようなシワになりやすいボトムスをたたんで収納。

スカートはあまり穿かないので、 1、2枚しか持っていません。多いのはパンツとトップスと、オールインワンですね。

最初はケースもなく、ボトムスもすべてハンガーにかけ、冬服のある上の棚にパジャマ等を置いていたことも。でも使い勝手が悪くなり、最近ケースを新調しました」

結束バンドを使い、ポールにくくりつけられたカゴはインナースペースなのだそう。収納ケースに入れるには形がしっくりこなかったインナーを、余っていたスペースに置くことで一石二鳥に。

中身の見えないクローゼット収納は、取り出しやすさ/片付けやすさを一番に重視しているという遠藤さん。

ですが当初は、すべてをお気に入りのものだけにしたい気持ちが募った結果、洋服も増え、クローゼットがパンパンに。このスペースだけでは、おさまりきらなくなったといいます。

 

古着屋さんのような「見せる収納」でかわいく

遠藤さんのインテリアで目を引くのが、リビングの見える位置につくられた洋服収納スペース。まるで古着屋さんのようなディスプレイが心踊りますが、作ったきっかけは、クローゼットに洋服がおさまりきらなくなったからだとか。

遠藤さん:
「元々、すべてクローゼットにおさめる予定だったんです。たたまずハンガーにかけて収納するほうが使いやすそうだし、面倒にならないなと思って。

でもクローゼット自体がそこまで広くないので、結局入らなくなった服を一部、外でたたんでおくことにしました。

ここに置くのは、Tシャツにスウェット、デニムのように年中着るものだけと決め、あまりたくさん置かないようにしています」

 

幅や高さを揃えるひと工夫で、見栄えよし

▲キャップも年中使うのでここに。少しずつ集めていったお気に入りのTシャツたちが並び、冬はTシャツとニットが入れ替わります。

デニムは、棚の横幅に合わせてひとつ折り。見た目も綺麗で、たたむときのアクションも少なく済むのもよさそうです。

一部の服をたたんで収納するようになって、使いやすさの変化はあったのでしょうか。

遠藤さん:
「アイテムごとにはっきり分類できるようになり、直感的に片付けやすくなったと思います。でも、かけるのに比べると手間もかかる分、ちょっとさぼっちゃうと溜まってしまいますね。

そんなときは、隣のラックにかけておき、一時的にやり過ごします。これは下のカゴにもものを置けるし、インテリア的にも可愛くて、お気に入りなんです」

かごには、スウェットとインナーを高さを揃えて収納することで見た目もすっきり。ここのインナーは、トップス感覚で見せて着こなせるものだけを置いているそうです。

スウェットのたたみ方も、ひと工夫。こうすることで思いの外かさばらず、高さも抑えられて収納しやすいのだとか。かさばるスウェットは、これだけでまとめて収納することで選びやすそうでした。

部屋の一区画に結構な量の洋服が目に入るのにも関わらず、部屋が雑多に見えないのも不思議です。

遠藤さん:
「アイテムを絞っているからかもしれません。ラックに沢山かけていたこともあるのですが、それだとごちゃつくことが分かり、数を制限しています。

このコートラックは一人暮らしをする前から憧れていた家具でしたが、幅が狭いので、最初はもっと幅広く安いラックを買ったんです。でも、それはあまり収納していて気分が上がらなくて……自分には見た目の可愛さも収納をするのに大切なんだなと学んだタイミングでした」

▲よく使うバッグも、床置きに。あまり使わないものはクローゼットの奥に分類。

 

引っ越し当初は、理想とは違ったけれど

遠藤さん:
「引っ越し当時も、本当はクローゼットが大きな部屋を探していたんです。

でもちょうどいい部屋がなく、『狭いけどしょうがないからここにしよう』という気持ちでした。結局入らなくなった分を、外で見せて収納してみたら、思いの外可愛くできる可能性が広がったのは嬉しい発見でした」

▲収納ケースはアイテム別に必要な高さを選んで。クローゼットの右奥にも空間があり、シーズンオフのコートやラグを保管していました。

遠藤さん:
「入り切らない洋服の対処として、実は一度だけ冬の時期に、外部の収納サービスを利用したこともありました。でもいざしてみると預けるほどの服もないかなと、もったいなく思い1年で辞めちゃって。

もっとコート類がいっぱい増えたらその選択肢もありになるのかもしれません」

ホコリが溜まりやすいクローゼットの下には、余っていた絨毯を敷いて。隙間には、アロマストーンを設置。オイルを垂らしておけば、クローゼットを開けたときにほんのりいい香りがするのだとか。

遠藤さん:
「洗剤の匂いが苦手で、無臭のものにしていたけれどそれも寂しいなと。とはいえ服につくほどは香らないので、開けたときの楽しみにしています」

 

玄関前のドレッサーで、帰宅直後の散らかり防止に

▲隣に椅子も置くことで、帰宅してすぐにバッグを置けるスペースも確保

玄関ドアを開けてすぐのところには、マガジンラックを活用したアクセサリー置き場が。眼鏡や香水もここに置き、下には防災バッグを保管。上にラウンドミラーを取り付け、床にカーペットが敷かれた空間は、まるでドレッサーのようでした。

遠藤さん:
「アクセサリーは毎日つけるものが大体同じなので、帰宅したらすぐにアクセサリーとバッグを置いて部屋に入るようにしています。

元々はリビングにアクセサリーコーナーをつくっていたのですが、つけ忘れたときに不便で。玄関まで来ちゃうと『もう行かなきゃ』とおしゃれを諦める日が多かったんです」

 

自分らしい洋服収納を続けていけば

置き換えては、試して調整。そんな繰り返しで生まれた洋服収納システムが詰まった、遠藤さんのクローゼット。

一人暮らしの家さがしは、スペースの妥協も必要になるもの。どこを諦め、優先するかを考えたとき、洋服好きの遠藤さんが諦めたのがクローゼットでした。

とはいえ、収納自体を諦めたわけではなく、限られた場所を見繕い、素敵に仕上げる可能性をこれでもかと見出した姿に、励まされた気持ちがします。

前後編にわたって紹介してきた、クローゼット収納。暮らしの変化にともない、洋服の量も種類も変わっていくもの。たとえ今が理想でなくても、小さなノウハウを詰め込みながら、そのなかでできることがまだまだあること。確かな手応えを胸に、自室のクローゼットに落とし込む時間を確保したくなったひとときでした。

(おわり)

【写真】木村文平

 


もくじ

 

profile_futura_lineblack

遠藤美南

都内在住。フリーランスで舞台や映像、広告の衣装製作を行う。インスタグラムでは、ワンルームでインテリアを楽しむ様子を発信。感度の高い物選びの視点が多くの人の心を掴んでいる。@mnmii___

 


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