【連載】あの人の暮らしにある「北欧」のこと。no.06:植物を育てて飾る

ローズマリーにオレガノ、ユーカリ、それからミニバラ。
小林さんがベランダで育てている植物です。水やりのついでに、ときどき鉢植えからちょんと切り、ちいさな花瓶やグラスに活けて楽しみます。
20代のころに訪れたデンマーク。ホームステイ先の家には、たっぷりの庭がありました。
ホストファミリーの夫妻は、いつもせっせと花を植えたり、雑草を取ったり、庭づくりに精を出しています。庭はふたりにとって、インテリアを整える室内と同じくらい大切な場所のようでした。
食事の支度のときには「庭のハーブを摘んできて」と頼まれました。ハーブは、肉や魚に、そしてサラダにと、食卓を彩ります。テーブルに飾る花やグリーンも、庭で育てたものばかりです。
自分で育てて、食べたり飾ったり。こんなにも自然に、庭の景色を取り入れられるのだと小林さんは思いました。
実を言うとそれまでは、「お菓子より花を買うほうが気分があがるよね」なんて周りに言われても、いまひとつピンとこなかったのです。花はきれいだけれど、やっぱりお菓子のほうがいい、そう思っていました。
でも「花を飾る」って、特別なことじゃないのかもしれません。
好きな雑貨を並べたり、コーヒーを淹れたり、そんな暮らしの中の「なくてもいいけれど、あるとちょっといいよね」のひとつ。
北欧から帰ってきて少しずつ、ベランダの植物を増やすようになりました。
陽の当たらない洗面所も、グリーンを飾るだけで窓を開いたような気持ちになれます。
ダイニングテーブルのかたわらにも、少しだけ。ちいさなむすめが指差して、うれしそうに笑いました。



小林 夕里子(こばやし ゆりこ)
2007年に株式会社イデーに入社、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)として全国の店舗ディスプレイ監修や、ウェブやカタログのスタイリング、VMD講師も務める。著書に『暮らしを愉しむお片づけ』(すばる舎)。
Instagram : @yuricook
Text : Akari Fujisawa
Photo: Ayumi Yamamoto
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